【DC】Con te
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学校帰りでランドセルを背負ったアキと手を繋ぎ歩道を歩いていたら車が止まった
「おっ!あやと明彦じゃ~ん。どっこ行くのっ?」
その助手席から軽率そうに声を掛けてきた少し髪の長い男性が手を振っている
運転席にはくせ毛でサングラスをかけた男性が居て煙草を咥えてこちらに軽く手上げていた
アキがほぅと息を吐き、私を見上げるので私はアキと目を合わせて肩を竦めると「ちょっと~、ムシしないでよ??」と言いながら少し髪の長い男性が車を降りてきた
それに合わせるかのようにくせ毛でサングラスをかけた男性も煙草を手にしたまま降りてくる
「研ちゃん、陣平こんにちは」
「お前ら仕事は?」
「自主パトロールしてます」
私が挨拶してるのにアキは呆れたように言うと戯けて敬礼ポーズをする少し髪の長い男性―研ちゃん―に溜息ひとつ吐いたくせ毛でサングラスの男性―陣平―が軽くケリを入れる
「俺ら今日非番なんだよ。1日のんびり寝て過ごそうと思ってたのにこいつ朝早くから俺の家に来てよ」
「だって久々の休みだしどっか行きてーじゃん。んでお2人はどこ行くのっ?」
いたずらが成功した子どものようにニシシと笑う研ちゃん
陣平とアキが溜息を吐いて目を見合わせて呆れていたので私が答えた
「これからそこのポアロに行くところ」
「おっ!有名なイケメンウェイターのいるお店に行くんだね?あやちゃんお目が高いね~」
「試作品が出来たから試食に来て欲しいってイケメンウェイターからあや姉ちゃんに連絡が来たんだよね」
「そっか、そっか~。ね、陣平ちゃん、俺らも行かね?」
「こいつらに声掛けた時点でそうなる予感してたけどな。んじゃ俺は車パーキングに入れてくるわ」
くるっと車の方に方向転換した陣平に「ヨロシク~」と手を振る研ちゃん
陣平を見送ってアキと手を繋ぎ直しポアロに向かって歩き出したところでまた後ろから声を掛けられた
「萩原と…あや?」
懐かしい声に振り返ると爪楊枝を咥えた見るからに恵体の男性がそこに居た
「あや、久しぶりだなぁ。警察学校卒業して以来…か?」
まさか、警察学校を卒業してから1度も会ったことが無かった航に、今この場で会うとは思わなかった
私が話す前に研ちゃんが1歩前に出て航に向かって軽く手を上げる
「班長先週振りだね~」
「萩原、なんだその子…まさかとは思うがお前らの子ども…か?」
研ちゃんの言葉に重ねるように質問を重ねる航に、私の手をしっかり握りしめながらアキが言った
「初めまして。流川明彦です」
ニコニコと航の言葉に答えたアキ
そのアキの顔を覗き込むため、背を屈み込ませアキの目をジッと見つめる航
しばしの沈黙の後、航は大きな手をアキの頭に乗せぐしゃぐしゃと乱暴に撫でた
「そっか、初めまして、だな。俺は伊達航だ。よろしくな」
私たちの様子とアキの顔を見ればきっと…いや、間違い無く航は様々なことを察しただろう
そして踏み込んじゃいけないって分かってくれた上で一線を引いてくれている
その気持ちに感謝しかなかった
「久しぶりね、航も元気そうで何より。アキは親戚の子なんだけどね、今私が預かってるの」
「そうか、大変だな」
「そんなことないのよ。アキはすっごく良い子だから一緒に暮らしてて楽しいよ」
そう言いながらアキの頭を撫でるとくすぐったそうにアキは目を細めた
研ちゃんと陣平には私たちのこと知られちゃってるけど命に関わる危険なことだから…新婚の航は巻き込めない
ここにいる3人は同じ気持ちなのだ
だからアキの言葉に、私の言葉に…研ちゃんは何も言わずに寄り添ってくれている
カランコロンとドアベルが聞こえた
聞き慣れたドアベルはポアロのものだ
「おや、あやさんに明彦くん。…と萩原さんに伊達さん。…ずいぶんと珍しい顔ぶれですね」
箒とちりとりを手にポアロのイケメンウェイターが人好きのする笑顔を見せると
「俺はこれからワタルブラザーズで飯食いに行くからそろそろ行くわ。また今度コーヒー飲みに来るな、安室。じゃーな」
そう言いながら後ろ手を振って別れを告げた航の背中を皆で見送る
きっと航はいろいろ聞きたいだろう
自分だけ除け者になってることにも気が付いているだろう
それでもこちらを問い詰めること無く、見守る方を選んでくれた航はやっぱり私たちの班長だった
航、ごめんね
いつか全てが解決したら航に話すから…
「あれ?お前らまだ店に入ってなかったのか?」
車をパーキングに入れてきたらしい陣平がサングラス越しに眉をしかめる
「おや、松田さんもご一緒でしたか。どうぞ、店内へ
梓さん、4名様ご案内です」
そう言いながらイケメンウェイターはカランコロンとポアロのドアを開けて促し「いらっしゃいませ~」と梓さんの元気であたたかな声が出迎えてくれている
研ちゃんと陣平が先陣を切ってポアロに足を踏み入れ、私の方を振り返り手招きする
私がアキの手をキュッと握るとアキも強く握り返し、私の手を引き歩き始めた
お店に足を踏み入れると香ばしいコーヒーの香りが鼻をくすぐる
カウンターでオレンジジュースを飲んでいた眼鏡をかけ蝶ネクタイをした顔なじみの小さな先客が、こちらを振り返り言った
「あやお姉さん、こんにちは」
―――モノガタリは大きく動き出していた―――
「おっ!あやと明彦じゃ~ん。どっこ行くのっ?」
その助手席から軽率そうに声を掛けてきた少し髪の長い男性が手を振っている
運転席にはくせ毛でサングラスをかけた男性が居て煙草を咥えてこちらに軽く手上げていた
アキがほぅと息を吐き、私を見上げるので私はアキと目を合わせて肩を竦めると「ちょっと~、ムシしないでよ??」と言いながら少し髪の長い男性が車を降りてきた
それに合わせるかのようにくせ毛でサングラスをかけた男性も煙草を手にしたまま降りてくる
「研ちゃん、陣平こんにちは」
「お前ら仕事は?」
「自主パトロールしてます」
私が挨拶してるのにアキは呆れたように言うと戯けて敬礼ポーズをする少し髪の長い男性―研ちゃん―に溜息ひとつ吐いたくせ毛でサングラスの男性―陣平―が軽くケリを入れる
「俺ら今日非番なんだよ。1日のんびり寝て過ごそうと思ってたのにこいつ朝早くから俺の家に来てよ」
「だって久々の休みだしどっか行きてーじゃん。んでお2人はどこ行くのっ?」
いたずらが成功した子どものようにニシシと笑う研ちゃん
陣平とアキが溜息を吐いて目を見合わせて呆れていたので私が答えた
「これからそこのポアロに行くところ」
「おっ!有名なイケメンウェイターのいるお店に行くんだね?あやちゃんお目が高いね~」
「試作品が出来たから試食に来て欲しいってイケメンウェイターからあや姉ちゃんに連絡が来たんだよね」
「そっか、そっか~。ね、陣平ちゃん、俺らも行かね?」
「こいつらに声掛けた時点でそうなる予感してたけどな。んじゃ俺は車パーキングに入れてくるわ」
くるっと車の方に方向転換した陣平に「ヨロシク~」と手を振る研ちゃん
陣平を見送ってアキと手を繋ぎ直しポアロに向かって歩き出したところでまた後ろから声を掛けられた
「萩原と…あや?」
懐かしい声に振り返ると爪楊枝を咥えた見るからに恵体の男性がそこに居た
「あや、久しぶりだなぁ。警察学校卒業して以来…か?」
まさか、警察学校を卒業してから1度も会ったことが無かった航に、今この場で会うとは思わなかった
私が話す前に研ちゃんが1歩前に出て航に向かって軽く手を上げる
「班長先週振りだね~」
「萩原、なんだその子…まさかとは思うがお前らの子ども…か?」
研ちゃんの言葉に重ねるように質問を重ねる航に、私の手をしっかり握りしめながらアキが言った
「初めまして。流川明彦です」
ニコニコと航の言葉に答えたアキ
そのアキの顔を覗き込むため、背を屈み込ませアキの目をジッと見つめる航
しばしの沈黙の後、航は大きな手をアキの頭に乗せぐしゃぐしゃと乱暴に撫でた
「そっか、初めまして、だな。俺は伊達航だ。よろしくな」
私たちの様子とアキの顔を見ればきっと…いや、間違い無く航は様々なことを察しただろう
そして踏み込んじゃいけないって分かってくれた上で一線を引いてくれている
その気持ちに感謝しかなかった
「久しぶりね、航も元気そうで何より。アキは親戚の子なんだけどね、今私が預かってるの」
「そうか、大変だな」
「そんなことないのよ。アキはすっごく良い子だから一緒に暮らしてて楽しいよ」
そう言いながらアキの頭を撫でるとくすぐったそうにアキは目を細めた
研ちゃんと陣平には私たちのこと知られちゃってるけど命に関わる危険なことだから…新婚の航は巻き込めない
ここにいる3人は同じ気持ちなのだ
だからアキの言葉に、私の言葉に…研ちゃんは何も言わずに寄り添ってくれている
カランコロンとドアベルが聞こえた
聞き慣れたドアベルはポアロのものだ
「おや、あやさんに明彦くん。…と萩原さんに伊達さん。…ずいぶんと珍しい顔ぶれですね」
箒とちりとりを手にポアロのイケメンウェイターが人好きのする笑顔を見せると
「俺はこれからワタルブラザーズで飯食いに行くからそろそろ行くわ。また今度コーヒー飲みに来るな、安室。じゃーな」
そう言いながら後ろ手を振って別れを告げた航の背中を皆で見送る
きっと航はいろいろ聞きたいだろう
自分だけ除け者になってることにも気が付いているだろう
それでもこちらを問い詰めること無く、見守る方を選んでくれた航はやっぱり私たちの班長だった
航、ごめんね
いつか全てが解決したら航に話すから…
「あれ?お前らまだ店に入ってなかったのか?」
車をパーキングに入れてきたらしい陣平がサングラス越しに眉をしかめる
「おや、松田さんもご一緒でしたか。どうぞ、店内へ
梓さん、4名様ご案内です」
そう言いながらイケメンウェイターはカランコロンとポアロのドアを開けて促し「いらっしゃいませ~」と梓さんの元気であたたかな声が出迎えてくれている
研ちゃんと陣平が先陣を切ってポアロに足を踏み入れ、私の方を振り返り手招きする
私がアキの手をキュッと握るとアキも強く握り返し、私の手を引き歩き始めた
お店に足を踏み入れると香ばしいコーヒーの香りが鼻をくすぐる
カウンターでオレンジジュースを飲んでいた眼鏡をかけ蝶ネクタイをした顔なじみの小さな先客が、こちらを振り返り言った
「あやお姉さん、こんにちは」
―――モノガタリは大きく動き出していた―――