【DC】Con te
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◇◆◇
俺はライに警察内にユダがいると言われてからそれが誰かをずっと考えていた
あやはユダじゃない…
誰にも分かって貰えないかもしれないが、双子であるあやに対してそう本能で感じたから家に帰ったし、実際あやはユダではなかったし小さくなった俺にすぐ気が付いてくれた
その後、小さくなった俺が生活できる基盤を整え、ゼロに俺が生きてることは伝えたくないということについて何度もぶつかり合ったけどあやは守ってくれていた
大学に潜入したあやを助け出してくれたゼロも、あやの言う通りやはりユダではなかった
あやが悲しまないよう自分のイノチよりも俺のイノチを優先するようなやつだから…
そう考えれば最初にあやと話した時点でゼロにも話していればあやは単独潜入するような危険な真似をしなかっただろう
その辺りは車の中でゼロに話をしていて感じたことだった
風見さんはあやが運び込まれた病院で出くわした時、小さくなった己を暴露するとたいそう驚いた様子だったが訝しげにまじまじと俺の顔を覗き込んだ後、幼児化する前の俺よりも全体的に柔らかい容姿である双子のあやと今の俺との類似点が多いことに納得せざるを得なかったのだろう、大きな溜息をひとつ吐き、納得したようだった
風見さんはゼロを尊敬し心酔しているのでゼロを陥れるようなことをするとは思えなかったが、言葉を選び掻い摘まんで話している間に風見さんが俺を組織に売ったとしても何ら益はないという結論にたどり着く
実際俺の話を聞いている風見さんの様子を見ていても怪しいところは無かったので風見さんにはストレートにユダの件を伝えてみることにした
もちろん遠回しに風見さんがユダの可能性はあるのかという含みを持たせたが彼はしっかりそれに気付き、その場で自分の潔白を証明するため管理官へ電話を掛け俺から聞いた全てを報告した後、管理官に言われたのだろう、こちらにスマホを寄越した
どこまでも真面目な人だ
俺自身は潜入捜査官と言えど本庁の職員で降谷班の一員だった
管理官とのやりとりはゼロと風見さんでしており、ほとんど管理官と話した経験は無く電話越しの声を管理官と断定することは出来なかったが指示を聞いて管理官であると信ずる
管理官からの指示は
あやの身を守ることが最優先
ユダが保身のため俺の妹でありゼロの幼馴染みであるあやを誘拐する可能性が高いから内密に病室を移動させ人を配備
あやのいなくなった病室に俺と風見さんは待機してユダを確保
…この三点だった
ユダ候補は元々数名に絞られている
警察庁の公安が絡む案件について警視庁の人間が知る由もない
警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係に所属している目暮さんやキャリア組の白鳥さんでも公安と言っても警視庁の人間だとしか思わないだろう
警察庁警備局警備企画課という部署の存在を知っている人間はごく限られた一部の人間のみなのだ
それなりの上層部でなければ警察庁警備局警備企画課の存在は知られていないし知るものもいない
仮にその上層部の人間がユダかとするならば俺だけじゃ無くゼロも同時に陥れるだろう
ゼロを野放しにしておけば何れ自分の身が危うくなるのだ
そう考えると自ずと候補が絞られてくる
――警察庁の人間がユダだ
そう結論を出した俺は管理官の指示通りあやの病室を移動させ、もぬけの殻となった病室へ向かう
風見さんは病室内にあるトイレへ身を隠し、俺はあやのぬくもりの残るベッドに潜り込んだ
2時間ほど息を潜めていると音を立てないよう静かにドアを開ける音がした
内密と言えどあやの担当看護師は病室を変わったことを知っているし、あやがいたこの病室には今日一日病院スタッフは誰も近づかないよう指示を出してあるから病院関係者ではないだろう
管理官や俺たちの予想通り身体を自由に動かせないあやを誘拐しに来たユダだと思われる
布団の中から病室の様子が見えないので神経を研ぎ澄ませベッドに近づいてくる気配を探るとまっすぐこのベッドに向かってきているようだ
ベッドの真横で気配が立ち止まる
布団を捲り上げられた瞬間飛びかかり相手を捕縛しようと身構えた
神経を尖らせているせいか1秒がとてつもなく長く感じられる
バッと布団を捲り上げられた瞬間、俺は飛びかかった――
◇◆◇
俺はライに警察内にユダがいると言われてからそれが誰かをずっと考えていた
あやはユダじゃない…
誰にも分かって貰えないかもしれないが、双子であるあやに対してそう本能で感じたから家に帰ったし、実際あやはユダではなかったし小さくなった俺にすぐ気が付いてくれた
その後、小さくなった俺が生活できる基盤を整え、ゼロに俺が生きてることは伝えたくないということについて何度もぶつかり合ったけどあやは守ってくれていた
大学に潜入したあやを助け出してくれたゼロも、あやの言う通りやはりユダではなかった
あやが悲しまないよう自分のイノチよりも俺のイノチを優先するようなやつだから…
そう考えれば最初にあやと話した時点でゼロにも話していればあやは単独潜入するような危険な真似をしなかっただろう
その辺りは車の中でゼロに話をしていて感じたことだった
風見さんはあやが運び込まれた病院で出くわした時、小さくなった己を暴露するとたいそう驚いた様子だったが訝しげにまじまじと俺の顔を覗き込んだ後、幼児化する前の俺よりも全体的に柔らかい容姿である双子のあやと今の俺との類似点が多いことに納得せざるを得なかったのだろう、大きな溜息をひとつ吐き、納得したようだった
風見さんはゼロを尊敬し心酔しているのでゼロを陥れるようなことをするとは思えなかったが、言葉を選び掻い摘まんで話している間に風見さんが俺を組織に売ったとしても何ら益はないという結論にたどり着く
実際俺の話を聞いている風見さんの様子を見ていても怪しいところは無かったので風見さんにはストレートにユダの件を伝えてみることにした
もちろん遠回しに風見さんがユダの可能性はあるのかという含みを持たせたが彼はしっかりそれに気付き、その場で自分の潔白を証明するため管理官へ電話を掛け俺から聞いた全てを報告した後、管理官に言われたのだろう、こちらにスマホを寄越した
どこまでも真面目な人だ
俺自身は潜入捜査官と言えど本庁の職員で降谷班の一員だった
管理官とのやりとりはゼロと風見さんでしており、ほとんど管理官と話した経験は無く電話越しの声を管理官と断定することは出来なかったが指示を聞いて管理官であると信ずる
管理官からの指示は
あやの身を守ることが最優先
ユダが保身のため俺の妹でありゼロの幼馴染みであるあやを誘拐する可能性が高いから内密に病室を移動させ人を配備
あやのいなくなった病室に俺と風見さんは待機してユダを確保
…この三点だった
ユダ候補は元々数名に絞られている
警察庁の公安が絡む案件について警視庁の人間が知る由もない
警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係に所属している目暮さんやキャリア組の白鳥さんでも公安と言っても警視庁の人間だとしか思わないだろう
警察庁警備局警備企画課という部署の存在を知っている人間はごく限られた一部の人間のみなのだ
それなりの上層部でなければ警察庁警備局警備企画課の存在は知られていないし知るものもいない
仮にその上層部の人間がユダかとするならば俺だけじゃ無くゼロも同時に陥れるだろう
ゼロを野放しにしておけば何れ自分の身が危うくなるのだ
そう考えると自ずと候補が絞られてくる
――警察庁の人間がユダだ
そう結論を出した俺は管理官の指示通りあやの病室を移動させ、もぬけの殻となった病室へ向かう
風見さんは病室内にあるトイレへ身を隠し、俺はあやのぬくもりの残るベッドに潜り込んだ
2時間ほど息を潜めていると音を立てないよう静かにドアを開ける音がした
内密と言えどあやの担当看護師は病室を変わったことを知っているし、あやがいたこの病室には今日一日病院スタッフは誰も近づかないよう指示を出してあるから病院関係者ではないだろう
管理官や俺たちの予想通り身体を自由に動かせないあやを誘拐しに来たユダだと思われる
布団の中から病室の様子が見えないので神経を研ぎ澄ませベッドに近づいてくる気配を探るとまっすぐこのベッドに向かってきているようだ
ベッドの真横で気配が立ち止まる
布団を捲り上げられた瞬間飛びかかり相手を捕縛しようと身構えた
神経を尖らせているせいか1秒がとてつもなく長く感じられる
バッと布団を捲り上げられた瞬間、俺は飛びかかった――
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