【DC】Con te
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◇◆◇
――長い夢を見ていた気がする
ゆっくりと意識が覚醒する
意識は覚醒したのに目が開かず、焦った私は目を開けようと瞼に力を入れた
とても瞼は重たく、開くのが億劫になるけど慣れた気配を感じるから目を開け、姿を見て安心したかった
今まで感じたことが無いくらい重い瞼をやっとの思いで持ち上げる
見えたのは白い天井、明るい室内に一瞬身体が強ばるけど先ほどの無影灯の暴力的な明るさと違い自然の柔らかな明るさだった
身体は怠く動かそうにも重くてとても今の私の力では動かせない
まるでもがけないほど深く砂に埋められているかのようだった
「あや、目が覚めたか?」
私が目覚めたことに気が付いて声を掛けてくれたのはヒロで、いつもなら低いテノールボイスなのに耳に届いたのは子どもの高い声で懐かしく、少しだけ耳がくすぐったい
頭も動かすことが重くて辛くて、目だけ声の方へ向けると心配そうな顔のヒロ、後ろにはれーくん…
え?ヒロとれーくんが一緒にいる?
小さくなったヒロはれーくんに話すのを否定していたし、まさか2人が一緒にいるとは思わなかった
軽く混乱して思わず目を見開くと眉尻を下げたヒロが私の手を取ったのだろう、左手に小さな温かさを感じる
「あや、ごめん。あやの言う通りもっと早くにゼロに相談してたらこんなことにならなかったよな」
私の掌を自分の頬に当てすりすりと頬をすり寄せるヒロ
その感触とヒロの様子を見ていたら自然と涙が湧き、目に留まりきれなかった涙が流れる
それを小さな手でそっと拭ってくれたヒロはれーくんの方を振り返り言った
「あっ俺、風見さんに話があったんだ、ちょっと行ってくる」
唐突なその言葉にれーくんは目を丸くし、何か言おうと口を開いた時にはヒロは駆け出して病室から出て行ってしまっていた
その早業に違和感を覚える
ヒロに変に気を遣われた気がするし…
風見さんは今のヒロを認識してくれてるの?
話の前後が、状況がさっぱり分からない
すっかり意識がヒロのことに向いていたらコンッと音がして我に返った
目を向けるとれーくんが丸椅子を自分の良い位置に動かして腰掛けたのだろう、目線が先ほどより近いところにあった
「あれが…組織の人間として存在しているバーボンなんだね」
「…すまない」
「れーくんが謝ることじゃないよ。勝手に潜入して勝手にピンチになったのは私なんだから」
「…でも」
「…ね、私のことあそこから連れ出してくれたのれーくんでしょ?」
言葉を続けようとしたれーくんを遮り、質問を投げかけるとゆっくり頷くれーくん
「ありがとう、れーくん」
「…それより痛むところは…?」
眉根を寄せ私の顔を覗き込んで来るれーくんに、笑いかけようとするけど顔の筋肉が重くて動かせなかった
バーボンと対峙した際、鳩尾と背中を強かに打ち付けていたが今は痛み止めが投与されているのか、私の感覚が麻痺しているのか身体に痛みは感じない
「大丈夫…みたい」
「しばらく安静が必要だから、ゆっくり休め」
「それは…無理…」
「何故?」
「………れーくん、ヒロからどこまで聞いたの?」
再びれーくんの質問に対して私がそう問いかけるとれーくんは目を柔らかく細め答えてくれる
「ヒロが小さくなった経緯とあやがあそこにいた理由」
「そっか…」
「後のことは僕に任せて欲しい。ヒロ、自分のせいだと思い悩んでいたしあやはまずゆっくり身体を休めて回復させるんだ、いいね?」
流石に2度、れーくんの話を遮り質問で返したせいか有無を言わさない強い視線で念押しされ、指一本、顔の筋肉1つ動かせない私は「わかった」と答えざるを得なかった
それにホッとしたような顔を見せたれーくんはそっと私のおでこにかかってた髪の毛を避けてくれる
その手のくすぐったさに唯一動かせる瞼を動かし目を細める私のおでこにれーくんが顔を近づけてきたかと思ったらチュッというリップ音と共にキスされ、動けない私は何が起こったのか理解するのにいくらかの時間を要した
すぐ側にいるれーくんからふんわりかおる香りにドキドキする
顔を上げたれーくんが今度は私の鼻と自分の鼻がくっつくくらい顔を寄せて柔らかく微笑み「頼むから…大人しくしててくれよ」と、唇に触れるだけのキスを2度
恥ずかしくて顔を覆いたいのに覆うことのできない私の顔は熱い。きっと真っ赤だろう
何という羞恥プレイ…と思っていたら離れていったれーくんの顔と耳も赤かった
「あや、この件が済んだら…きちんと話をしよう」
そう言ったれーくんは私の頬をさらりと撫で、病室を出て行った
その背を見送り、誰もいなくなった病室…
静かになったせいか、一人きりで戦っていると思い込んでいた自分の気持ちが緩んだのか、急に胸が締め付けられるように苦しく目頭が熱くなり湛えきれなかった涙がほろりとこめかみを伝った
◇◆◇
――長い夢を見ていた気がする
ゆっくりと意識が覚醒する
意識は覚醒したのに目が開かず、焦った私は目を開けようと瞼に力を入れた
とても瞼は重たく、開くのが億劫になるけど慣れた気配を感じるから目を開け、姿を見て安心したかった
今まで感じたことが無いくらい重い瞼をやっとの思いで持ち上げる
見えたのは白い天井、明るい室内に一瞬身体が強ばるけど先ほどの無影灯の暴力的な明るさと違い自然の柔らかな明るさだった
身体は怠く動かそうにも重くてとても今の私の力では動かせない
まるでもがけないほど深く砂に埋められているかのようだった
「あや、目が覚めたか?」
私が目覚めたことに気が付いて声を掛けてくれたのはヒロで、いつもなら低いテノールボイスなのに耳に届いたのは子どもの高い声で懐かしく、少しだけ耳がくすぐったい
頭も動かすことが重くて辛くて、目だけ声の方へ向けると心配そうな顔のヒロ、後ろにはれーくん…
え?ヒロとれーくんが一緒にいる?
小さくなったヒロはれーくんに話すのを否定していたし、まさか2人が一緒にいるとは思わなかった
軽く混乱して思わず目を見開くと眉尻を下げたヒロが私の手を取ったのだろう、左手に小さな温かさを感じる
「あや、ごめん。あやの言う通りもっと早くにゼロに相談してたらこんなことにならなかったよな」
私の掌を自分の頬に当てすりすりと頬をすり寄せるヒロ
その感触とヒロの様子を見ていたら自然と涙が湧き、目に留まりきれなかった涙が流れる
それを小さな手でそっと拭ってくれたヒロはれーくんの方を振り返り言った
「あっ俺、風見さんに話があったんだ、ちょっと行ってくる」
唐突なその言葉にれーくんは目を丸くし、何か言おうと口を開いた時にはヒロは駆け出して病室から出て行ってしまっていた
その早業に違和感を覚える
ヒロに変に気を遣われた気がするし…
風見さんは今のヒロを認識してくれてるの?
話の前後が、状況がさっぱり分からない
すっかり意識がヒロのことに向いていたらコンッと音がして我に返った
目を向けるとれーくんが丸椅子を自分の良い位置に動かして腰掛けたのだろう、目線が先ほどより近いところにあった
「あれが…組織の人間として存在しているバーボンなんだね」
「…すまない」
「れーくんが謝ることじゃないよ。勝手に潜入して勝手にピンチになったのは私なんだから」
「…でも」
「…ね、私のことあそこから連れ出してくれたのれーくんでしょ?」
言葉を続けようとしたれーくんを遮り、質問を投げかけるとゆっくり頷くれーくん
「ありがとう、れーくん」
「…それより痛むところは…?」
眉根を寄せ私の顔を覗き込んで来るれーくんに、笑いかけようとするけど顔の筋肉が重くて動かせなかった
バーボンと対峙した際、鳩尾と背中を強かに打ち付けていたが今は痛み止めが投与されているのか、私の感覚が麻痺しているのか身体に痛みは感じない
「大丈夫…みたい」
「しばらく安静が必要だから、ゆっくり休め」
「それは…無理…」
「何故?」
「………れーくん、ヒロからどこまで聞いたの?」
再びれーくんの質問に対して私がそう問いかけるとれーくんは目を柔らかく細め答えてくれる
「ヒロが小さくなった経緯とあやがあそこにいた理由」
「そっか…」
「後のことは僕に任せて欲しい。ヒロ、自分のせいだと思い悩んでいたしあやはまずゆっくり身体を休めて回復させるんだ、いいね?」
流石に2度、れーくんの話を遮り質問で返したせいか有無を言わさない強い視線で念押しされ、指一本、顔の筋肉1つ動かせない私は「わかった」と答えざるを得なかった
それにホッとしたような顔を見せたれーくんはそっと私のおでこにかかってた髪の毛を避けてくれる
その手のくすぐったさに唯一動かせる瞼を動かし目を細める私のおでこにれーくんが顔を近づけてきたかと思ったらチュッというリップ音と共にキスされ、動けない私は何が起こったのか理解するのにいくらかの時間を要した
すぐ側にいるれーくんからふんわりかおる香りにドキドキする
顔を上げたれーくんが今度は私の鼻と自分の鼻がくっつくくらい顔を寄せて柔らかく微笑み「頼むから…大人しくしててくれよ」と、唇に触れるだけのキスを2度
恥ずかしくて顔を覆いたいのに覆うことのできない私の顔は熱い。きっと真っ赤だろう
何という羞恥プレイ…と思っていたら離れていったれーくんの顔と耳も赤かった
「あや、この件が済んだら…きちんと話をしよう」
そう言ったれーくんは私の頬をさらりと撫で、病室を出て行った
その背を見送り、誰もいなくなった病室…
静かになったせいか、一人きりで戦っていると思い込んでいた自分の気持ちが緩んだのか、急に胸が締め付けられるように苦しく目頭が熱くなり湛えきれなかった涙がほろりとこめかみを伝った
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