【DC】Con te
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夕方、風見さんと一緒にこちらの事務室に来たヒロの姿を認め、あれからお昼も食べずに仕事に没頭していたことに気がついた
我ながら凄い集中力だと思う
集中していたので他の人の出入りには全く気がつかないのにヒロの気配だけは何故か分かるのは半身であるが故か…双子の不思議なところかもしれない
れーくんと共にパーティションの向こうにある応接セットに座っていた彼らにお茶を出そうかとノートPCの画面を閉じ机上の書類をまとめ席を立つ
ついでにヒロに乗って帰って貰うため、涼介くんの鍵を取り出した
お茶を煎れ持って行き3人の前に置くと、書類に目を通していた彼らはこちらを見てはくれないけど3人ともそれぞれお礼を言ってくれる
最後にヒロの前にチャリと鍵を置くと書類に目を通していたヒロが私だと気がついたのか顔を上げた
「ヒロ、涼介くん乗って帰って貰える?降谷くんが打ち合わせついでに送ってくれるって」
「OK」
ふぅと息をつき、ヒロはニヤリと企むような顔をしてチラリとれーくんを見やるとれーくんは露骨にイヤそうに顔を歪める
2人のこの対照的な顔は久しぶりに見るなーとお茶を運んできたお盆を胸に思った
子どもの頃から彼らはよくこういう対照的な顔を良くしていたけど理由は何度聞いても2人とも話してくれないのでいつの頃からか聞くの諦めたっけ…
「打ち合わせはそっちの家でするつもりだし、まだまだあやの仕事も僕の仕事も終わりそうに無いからな。ヒロを待たせることになると思うから悪いがあやの車頼む」
「分かったよ」
それを聞いて楽しくてたまらないといった顔をしてヒロが鍵をスラックスのポケットに入れる様子をやっぱり面白くなさそうにれーくんは見ていて、更にそれを風見さんが眉を寄せ少し身を引くような体勢で2人の様子を見ていた
◇◆◇
22時30分を少し過ぎた頃、ようやく僕の仕事の終わるメドがついた
あやの隣席の神津が残っているが先ほど喫煙所に行くついでに飲み物を買ってこようかとあやに声を掛けていてあやは炭酸水を頼んでいたのでいくらもしないで戻ってくるだろう
あやの方へ目を向けるとあやの机上はファイルひとつを残して綺麗に片付いており、仕事のメドがついたと伺わせる
あやはプリンタから書類の出力しているところで事務室には僕とあや以外誰もいない
普段はザワザワしている事務室だが静かな今はプリンタがせわしなく動いている音だけが響いていた
「あや、仕事終わりそうか?」
「降谷くんの方終わった?私の方は後40p位出力してファイリングしたら終わるよ」
「僕の方は後メールを1通送ったら終わる」
「分かった。それまでに神津くん帰ってくるかな…。飲み物頼んじゃったからいらないって言ってくるね」
少しつり上がったアーモンド型の大きな瞳を細めて微笑むあやのその顔にはちょっと疲れが見えるが子どもの頃から見ている僕の好きな顔だ
普段からあやとヒロは兄妹と知らない人にでもすぐ気付かれるほど似ているが僕が見ている限りこの笑顔は2人が並んだら僕でも見分けが付かないくらいソックリだと思う
働いてるプリンタをそのままにして事務室を出て行くあやを見送り、必要なメールを作成送付して送信完了の文字が出たのを確認して自分のPCを閉じたがあやはまだ戻ってこない
あやが出力していた書類も終わっており、事務室は空調とあやと神津のPC、出力していたプリンタのアイドル音がするのみである
様子を見に行こうかと立ち上がるとドアが開きあやと神津が戻ってきた
「出力終わってるね。降谷くんもお仕事終わった?今ファイリングして帰る準備するから待ってね」
「降谷さんお疲れ様です」
あやはプリンタから出力した書類をいくつかに分けトントンと机で揃え強力パンチに挟みガゴンッと大きな音を数度させている
神津は仕事を切り上げるのかPCを閉じていた
「神津も帰るのか?」
「今日はお2人が帰ると誰もいなくなりますし、ある程度メドが付いているので明日早めに出勤して終わらせます。それでは最後の鍵お願いします」
そう言って机の下から自分の鞄を取り出し、お先に失礼しますと挨拶して神津はサッサと帰ってしまった
そそくさという言葉がぴったりな神津の態度から察するにどうやら気を遣われたようだ
一方あやはまだ出力した書類のファイリングが終わっておらず、俺を待たせてる上に神津も帰ったことに焦りを感じているようだった
あやのこういうところは子どもの頃から変わってない
基本的に手先は器用なのに焦ると持ち前の器用さがどっかに行ってしまう
その結果、警察学校時代に普通にやれば要領よく解除出来る爆発物処理が、試験時にとても手間取ってB評定だった
B評価は一般評定ではあるが実際のあやは松田や萩原と学んでいたのだからB評価より上の評価を貰えてもおかしくなかったはずなのである
そんなあやを見ていた松田が呆れ顔で
「焦りは最大のトラップ」
という座右の銘を生み出した事は当時のグループメンバー内で周知の事実だった
我ながら凄い集中力だと思う
集中していたので他の人の出入りには全く気がつかないのにヒロの気配だけは何故か分かるのは半身であるが故か…双子の不思議なところかもしれない
れーくんと共にパーティションの向こうにある応接セットに座っていた彼らにお茶を出そうかとノートPCの画面を閉じ机上の書類をまとめ席を立つ
ついでにヒロに乗って帰って貰うため、涼介くんの鍵を取り出した
お茶を煎れ持って行き3人の前に置くと、書類に目を通していた彼らはこちらを見てはくれないけど3人ともそれぞれお礼を言ってくれる
最後にヒロの前にチャリと鍵を置くと書類に目を通していたヒロが私だと気がついたのか顔を上げた
「ヒロ、涼介くん乗って帰って貰える?降谷くんが打ち合わせついでに送ってくれるって」
「OK」
ふぅと息をつき、ヒロはニヤリと企むような顔をしてチラリとれーくんを見やるとれーくんは露骨にイヤそうに顔を歪める
2人のこの対照的な顔は久しぶりに見るなーとお茶を運んできたお盆を胸に思った
子どもの頃から彼らはよくこういう対照的な顔を良くしていたけど理由は何度聞いても2人とも話してくれないのでいつの頃からか聞くの諦めたっけ…
「打ち合わせはそっちの家でするつもりだし、まだまだあやの仕事も僕の仕事も終わりそうに無いからな。ヒロを待たせることになると思うから悪いがあやの車頼む」
「分かったよ」
それを聞いて楽しくてたまらないといった顔をしてヒロが鍵をスラックスのポケットに入れる様子をやっぱり面白くなさそうにれーくんは見ていて、更にそれを風見さんが眉を寄せ少し身を引くような体勢で2人の様子を見ていた
◇◆◇
22時30分を少し過ぎた頃、ようやく僕の仕事の終わるメドがついた
あやの隣席の神津が残っているが先ほど喫煙所に行くついでに飲み物を買ってこようかとあやに声を掛けていてあやは炭酸水を頼んでいたのでいくらもしないで戻ってくるだろう
あやの方へ目を向けるとあやの机上はファイルひとつを残して綺麗に片付いており、仕事のメドがついたと伺わせる
あやはプリンタから書類の出力しているところで事務室には僕とあや以外誰もいない
普段はザワザワしている事務室だが静かな今はプリンタがせわしなく動いている音だけが響いていた
「あや、仕事終わりそうか?」
「降谷くんの方終わった?私の方は後40p位出力してファイリングしたら終わるよ」
「僕の方は後メールを1通送ったら終わる」
「分かった。それまでに神津くん帰ってくるかな…。飲み物頼んじゃったからいらないって言ってくるね」
少しつり上がったアーモンド型の大きな瞳を細めて微笑むあやのその顔にはちょっと疲れが見えるが子どもの頃から見ている僕の好きな顔だ
普段からあやとヒロは兄妹と知らない人にでもすぐ気付かれるほど似ているが僕が見ている限りこの笑顔は2人が並んだら僕でも見分けが付かないくらいソックリだと思う
働いてるプリンタをそのままにして事務室を出て行くあやを見送り、必要なメールを作成送付して送信完了の文字が出たのを確認して自分のPCを閉じたがあやはまだ戻ってこない
あやが出力していた書類も終わっており、事務室は空調とあやと神津のPC、出力していたプリンタのアイドル音がするのみである
様子を見に行こうかと立ち上がるとドアが開きあやと神津が戻ってきた
「出力終わってるね。降谷くんもお仕事終わった?今ファイリングして帰る準備するから待ってね」
「降谷さんお疲れ様です」
あやはプリンタから出力した書類をいくつかに分けトントンと机で揃え強力パンチに挟みガゴンッと大きな音を数度させている
神津は仕事を切り上げるのかPCを閉じていた
「神津も帰るのか?」
「今日はお2人が帰ると誰もいなくなりますし、ある程度メドが付いているので明日早めに出勤して終わらせます。それでは最後の鍵お願いします」
そう言って机の下から自分の鞄を取り出し、お先に失礼しますと挨拶して神津はサッサと帰ってしまった
そそくさという言葉がぴったりな神津の態度から察するにどうやら気を遣われたようだ
一方あやはまだ出力した書類のファイリングが終わっておらず、俺を待たせてる上に神津も帰ったことに焦りを感じているようだった
あやのこういうところは子どもの頃から変わってない
基本的に手先は器用なのに焦ると持ち前の器用さがどっかに行ってしまう
その結果、警察学校時代に普通にやれば要領よく解除出来る爆発物処理が、試験時にとても手間取ってB評定だった
B評価は一般評定ではあるが実際のあやは松田や萩原と学んでいたのだからB評価より上の評価を貰えてもおかしくなかったはずなのである
そんなあやを見ていた松田が呆れ顔で
「焦りは最大のトラップ」
という座右の銘を生み出した事は当時のグループメンバー内で周知の事実だった