【DC】Con te
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◇◆◇
何しにあやはここへ来た?
どうしてあやがここにいるんだ?
悪い夢を見ているようだ…
まさかここであやと手合わせすることになるとは夢にも思っていなかった
組織の人間としてあやに会いたくは無かった
あやにだけは組織の人間としての顔は見られたくなかった
勝負が付き、力の抜けたあやの腕を離すと力なく崩れ落ちたあやの肢体
その顔色は悪く、髪は乱れ、強く眉根を寄せ、目尻には涙が流れていて痛々しい
今すぐ抱きあげたい衝動に駆られるがそれを抑えるため両手を力の限り握りしめる
はめていたグローブがググッと軋んだ音を立てた
組織の人間としてここにいる今、いくらあやとは言え戦わない選択肢はなかった
あやの実力から半端に手加減する訳にいかず、それならば一撃で済ませた方がお互いのためだろうとケリを付けたが、細いあやの身体にあれだけの力で打ち込むことに躊躇が無かったわけではない
エルが居なければ…とタイミングの悪さに歯噛みする
幹部であるネームドが居なければ如何様にでもあしらうことが出来たからだ
「勝負あったようね。目覚めた時に暴れないよう教授、いつものクスリを」
カツカツと暗い通路から姿を見せたエルがヴェレーノ教授に指示を出すと教授は慌てたように薬品庫から個装されたシリンジと透明なバイアルを2本取り出した
「エル、何のクスリですか?」
「筋弛緩剤よ。目覚めて暴れられたら困るもの」
事も無げに言い放つエルに腹の中からイライラが湧き上がる
あやに何をしようとしてるんだ…!
しかし今はそれを出すわけにはいかない
――己の感情を殺すんだ
「ヴェレーノ教授、そのクスリに副作用などはあるのですか?」
「無いわけではありませんが、スキサメトニウムを生理食塩水で薄めてごく微量に調整します。目覚めた時、手足を動かすことが出来ない程度ですし、時間の経過と共に抜けますので副作用はほとんどありません」
2本のアンプルから薬液をシリンジに吸い上げ、あやの白い腕を消毒綿で拭い針を刺し、ぐっとプランジャロッドを押し込む
シリンジ内の薬液が徐々にあやの体内へ注入されてく様子をただ黙って見ているしか出来なかった
「さて、どこから潜り込んだネズミさんかしらね?もしかして教授のとこの生徒さん?」
「…いえ、今まで見たことない顔ですね」
「あっそ。それじゃ何でここに居たのか本人から聞いてみるしかないわね」
ヴェレーノ教授は意識を失ってるあやを、無影灯の下に設置されていた電動式の処置台へと助手に指示を出し移動させている
ダラリと力なく垂れている華奢な白い腕を、その肢体を…雑に扱わないで欲しい
あやに触れるなと今すぐ彼らを振り払い、あやを腕の中に閉じ込めたい…!
そう思うけど今の自分の立場がそれを許さない
――己の感情を殺すんだ
「エル、先ほど彼女にNOCの話をしていましたね?詳しく聞いても―?」
「構わないわよ。スコッチがNOCだったという話ね。バーボンは彼と組んでたから知ってるわよね。彼NOCだったのよ」
スコッチという名前に頬がピクリとしたのが分かった
怪しまれない程度に頬を隠す
「…スコッチの始末はライがして、それを僕が確認しました」
「そうなんだってね。ジンから聞いたわ」
「エルは何故スコッチがNOCだと分かったんですか?」
「それはね…情報提供者がいるのよ、ケ イ サ ツ のっ!」
おまえのせいでスコッチ―ヒロ―が犠牲になったのか…!
急にスコッチがNOCだという話が湧き上がったのは何故か、ジンに探りを入れても一切口を割らなかったしライとはあれ以来会っておらず話もしてなかったのでまだ何も掴むことが出来ていなかったのだ
――己の感情を殺すんだ
嬉しそうに頬をほころばせるエルに吐き気がする
思わず両手を思い切り握りしめると、はめていたグローブが変な感触と共にビッとイヤな音を立てる
グローブを見ると破れていた
警察内部の人間で組織に情報提供をしている何者かがいるらしい
「エルの情報提供者さん、気になりますね。本当に信頼しても?」
「うふふ、今晩会う予定なのよ。その時バーボンにも会わせるわ。都合つけてちょうだい
彼、警察辞めて組織に入りたいんだって。彼がまだ組織内にNOCがいるって言ってるからあなたも同席して見極めて欲しいの」
「喜んで」
奥から湧き上がる真っ黒な感情を殺し、人好きのするポーカーフェイスを貼り付ける
警察内部の誰が情報提供をしているか、今晩分かるだろう
この組織に潜入捜査官がいることを知っていてその捜査官の名前や顔が分かる人というのは警察内部でもごく一部に限られている
非常に残念だが僕やヒロの身近な人間だろう
僕は…俺は…絶対に許さない
己の欲望のためにヒロの命を売った人間を…!
◇◆◇
何しにあやはここへ来た?
どうしてあやがここにいるんだ?
悪い夢を見ているようだ…
まさかここであやと手合わせすることになるとは夢にも思っていなかった
組織の人間としてあやに会いたくは無かった
あやにだけは組織の人間としての顔は見られたくなかった
勝負が付き、力の抜けたあやの腕を離すと力なく崩れ落ちたあやの肢体
その顔色は悪く、髪は乱れ、強く眉根を寄せ、目尻には涙が流れていて痛々しい
今すぐ抱きあげたい衝動に駆られるがそれを抑えるため両手を力の限り握りしめる
はめていたグローブがググッと軋んだ音を立てた
組織の人間としてここにいる今、いくらあやとは言え戦わない選択肢はなかった
あやの実力から半端に手加減する訳にいかず、それならば一撃で済ませた方がお互いのためだろうとケリを付けたが、細いあやの身体にあれだけの力で打ち込むことに躊躇が無かったわけではない
エルが居なければ…とタイミングの悪さに歯噛みする
幹部であるネームドが居なければ如何様にでもあしらうことが出来たからだ
「勝負あったようね。目覚めた時に暴れないよう教授、いつものクスリを」
カツカツと暗い通路から姿を見せたエルがヴェレーノ教授に指示を出すと教授は慌てたように薬品庫から個装されたシリンジと透明なバイアルを2本取り出した
「エル、何のクスリですか?」
「筋弛緩剤よ。目覚めて暴れられたら困るもの」
事も無げに言い放つエルに腹の中からイライラが湧き上がる
あやに何をしようとしてるんだ…!
しかし今はそれを出すわけにはいかない
――己の感情を殺すんだ
「ヴェレーノ教授、そのクスリに副作用などはあるのですか?」
「無いわけではありませんが、スキサメトニウムを生理食塩水で薄めてごく微量に調整します。目覚めた時、手足を動かすことが出来ない程度ですし、時間の経過と共に抜けますので副作用はほとんどありません」
2本のアンプルから薬液をシリンジに吸い上げ、あやの白い腕を消毒綿で拭い針を刺し、ぐっとプランジャロッドを押し込む
シリンジ内の薬液が徐々にあやの体内へ注入されてく様子をただ黙って見ているしか出来なかった
「さて、どこから潜り込んだネズミさんかしらね?もしかして教授のとこの生徒さん?」
「…いえ、今まで見たことない顔ですね」
「あっそ。それじゃ何でここに居たのか本人から聞いてみるしかないわね」
ヴェレーノ教授は意識を失ってるあやを、無影灯の下に設置されていた電動式の処置台へと助手に指示を出し移動させている
ダラリと力なく垂れている華奢な白い腕を、その肢体を…雑に扱わないで欲しい
あやに触れるなと今すぐ彼らを振り払い、あやを腕の中に閉じ込めたい…!
そう思うけど今の自分の立場がそれを許さない
――己の感情を殺すんだ
「エル、先ほど彼女にNOCの話をしていましたね?詳しく聞いても―?」
「構わないわよ。スコッチがNOCだったという話ね。バーボンは彼と組んでたから知ってるわよね。彼NOCだったのよ」
スコッチという名前に頬がピクリとしたのが分かった
怪しまれない程度に頬を隠す
「…スコッチの始末はライがして、それを僕が確認しました」
「そうなんだってね。ジンから聞いたわ」
「エルは何故スコッチがNOCだと分かったんですか?」
「それはね…情報提供者がいるのよ、ケ イ サ ツ のっ!」
おまえのせいでスコッチ―ヒロ―が犠牲になったのか…!
急にスコッチがNOCだという話が湧き上がったのは何故か、ジンに探りを入れても一切口を割らなかったしライとはあれ以来会っておらず話もしてなかったのでまだ何も掴むことが出来ていなかったのだ
――己の感情を殺すんだ
嬉しそうに頬をほころばせるエルに吐き気がする
思わず両手を思い切り握りしめると、はめていたグローブが変な感触と共にビッとイヤな音を立てる
グローブを見ると破れていた
警察内部の人間で組織に情報提供をしている何者かがいるらしい
「エルの情報提供者さん、気になりますね。本当に信頼しても?」
「うふふ、今晩会う予定なのよ。その時バーボンにも会わせるわ。都合つけてちょうだい
彼、警察辞めて組織に入りたいんだって。彼がまだ組織内にNOCがいるって言ってるからあなたも同席して見極めて欲しいの」
「喜んで」
奥から湧き上がる真っ黒な感情を殺し、人好きのするポーカーフェイスを貼り付ける
警察内部の誰が情報提供をしているか、今晩分かるだろう
この組織に潜入捜査官がいることを知っていてその捜査官の名前や顔が分かる人というのは警察内部でもごく一部に限られている
非常に残念だが僕やヒロの身近な人間だろう
僕は…俺は…絶対に許さない
己の欲望のためにヒロの命を売った人間を…!
◇◆◇