【DC】Con te
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潜入の件はヒロに言われても考えを変えることは出来なかったので早朝早く家を出て学生を装い東都大学へ潜入した
朝の爽やかな空気の中、広いキャンバスで各々過ごす学生たちの間を抜け薬学部のある棟へ向かい、ヴェレーノ教授の研究室を目指す
1階最奥にあるその研究室を前にして室内を伺うけど人の気配は無かった
この棟にはヴェレーノ教授の研究室以外、名前が掲げられている部屋がないようで人の気配がない
「この研究室なら色々おあつらえ向きね」
思わず独りごちる
このまま学生を装って接触することも考えたけどヴェレーノ教授が生徒の顔を全て覚えていたら面倒なことになりそうだ
人がほとんど来ないこの場所ならこのまま潜入しても人目には付かないだろう…と意を決してドアノブをひねる…が、ドアは開かない、鍵がかかっているようだ
キャンパスバッグからマイナスドライバーとヘアピンを取り出す
ピッキングすることもあろうかと念のために用意しておいたものだったけどこんなに早く出番が来るとは思わなかった
私はれーくんや陣平、研ちゃんのように器用では無いので彼らのようにピンポイントで解錠出来るわけじゃ無いけどレーキングという手法で解錠することは出来る
レーキングは運が絡み、解錠できる時間はその時によって違うし鍵穴に痕跡を残してしまうので基本的に私はピッキングをしたことは無かったけど背に腹は代えられない
周りの気配に気を配りつつガリガリと鍵に向き合っているとカチャンとドアノブから小さな反応が返ってきた
静かな空間で響くその音に心臓がドクリと跳ねる
鍵が開いたようだ
ドアノブをひねり弱い力でドアを開け離して壁に隠れる
……人の気配も動くものも感じられない
壁に身を寄せそっと室内を覗き込むとたくさんの機器が置いてあるごくごく普通の研究室のようだった
神経を尖らせ研究室に滑り込む
最奥にある教授の机だと思われる机には資料が山積みになっており、忙しい時の自分の机を見ているようで思わず苦笑した
…いけない、こちらに集中しなくては…
机の上の資料をパラパラとめくるけど当然表立って治験出来ない資料を置いてあるわけがない
まずは治験の資料があるところを探さなければ…と、ぐるりと研究室を見回すと鍵つきガラス戸に覆われた書棚が3架、視界に入る
治験資料は厳重保管しなくてはならないのであるとしたらここかもしれない
書棚に歩み寄りガラス戸に手を掛けるけど予想通り鍵がかかっていて開かない
ドライバーとヘアピンを再度取り出したところで床に敷かれた敷物が不自然に乱れていることに気が付いた
まるで捲り上げてそのまま放置したような…
そっと近づき敷物を捲り上げるとそこにはキッチンの床下収納のような金属の扉があった
扉に隙間に手をかざすと空気の動きを感じる
ただの収納スペースならばそこまで広くないし地下なので空気の動きはほとんどないはず
なのに空気の動きがあるということはこの下にそれなりに広い空間があるということを指し示している
この棟にはこの研究室しかないせいかこの場所の人気はほとんど無いのに隠された入口、更に人目を忍んでいるそれなりに広い空間となると…昨日ライが教えてくれた治験はこの下で行われたのではないだろうか
音がしないよう、ゆっくりと金属の扉を開け放つと地下の少し湿気混じりのカビの匂いが強くした
湿り気を帯びた急な階段から地下通路に下り立つとひんやりした空気が身を包み思わず身震いする
所々弱い蛍光灯の光がぼぅと光っているけど通路全体には完全に行き届かず全体的に仄暗く、通路が真っ直ぐ伸びていることは分かるけど距離感は掴めない
遮蔽物は見えないので隠れる場所もなさそう
とにかく蛍光灯の光を頼りに先に進むか戻るしか無いけどここまで来て戻るという選択肢は無かった
慎重に足音を立てないよう静かに気配を消しつつ通路の行き止まりにある扉の前にたどり着いた
ピリピリと警戒しているせいか自分の心臓の音ですら五月蠅く、通路内に自分の鼓動が響いているような感覚に囚われる
ひんやりした空間にも関わらず私の額にはうっすらと汗が滲んでいた
扉はスライド式のステンレス製のようで右側の足下にスイッチがある
これは病院の手術室に良くあるタイプのドアで、手を使わず足でスイッチ操作をすることで扉を開けることができるものだろう
額の汗を拭い向こうの音が聞こえないかと通路を塞いでいる扉に耳を付けてみると話している内容は分からないけど人の声は聞き取れた
それは男性2人の声、しかし感じ取れる人の気配から数人はいると思われた
今この扉が開いたら隠れる場所のないこの通路では即見つかってしまうし、侵入する時間を変えるか方法を考えた方が良さそうと判断し、一旦立て直そうと元来た通路へ数歩踏み出すと地下の入口の方で物音がした
薄暗い中で慣れた視線の先、通路の向こう側で誰かが地下通路に下り立った陰が見える
その人陰がコツッとコンクリートで覆われた通路で足音を立てたのが分かった
…1人だ
反射的に蛍光灯のある壁と逆側の壁を背に当て息を殺す
大丈夫、向こうはまだこの薄暗がりに目が慣れていない、私の方が目が慣れている分有利なはず…
薄く開いた口から空気を吸い込み息を止め通路の向こう側の様子を伺う
衣擦れの音の後、カチリと金属製の小さな音がして人陰が静息したのが分かった
人陰から目を逸らさず、1人なら制圧することも可能だろうという判断を下した私はジリジリと壁伝いに人陰の方へ移動をする
すると何の予兆も無しに突如マズルフラッシュと共にシュンと空気を切り裂く風切音とパンッという音、ほんの一瞬の後、背後からカァンと金属を叩くような音がして思わずその場で身を竦ませた
仄暗い通路内に音が残響している
マズルフラッシュで一瞬視認できた姿は私の見覚えのある女性…だった
朝の爽やかな空気の中、広いキャンバスで各々過ごす学生たちの間を抜け薬学部のある棟へ向かい、ヴェレーノ教授の研究室を目指す
1階最奥にあるその研究室を前にして室内を伺うけど人の気配は無かった
この棟にはヴェレーノ教授の研究室以外、名前が掲げられている部屋がないようで人の気配がない
「この研究室なら色々おあつらえ向きね」
思わず独りごちる
このまま学生を装って接触することも考えたけどヴェレーノ教授が生徒の顔を全て覚えていたら面倒なことになりそうだ
人がほとんど来ないこの場所ならこのまま潜入しても人目には付かないだろう…と意を決してドアノブをひねる…が、ドアは開かない、鍵がかかっているようだ
キャンパスバッグからマイナスドライバーとヘアピンを取り出す
ピッキングすることもあろうかと念のために用意しておいたものだったけどこんなに早く出番が来るとは思わなかった
私はれーくんや陣平、研ちゃんのように器用では無いので彼らのようにピンポイントで解錠出来るわけじゃ無いけどレーキングという手法で解錠することは出来る
レーキングは運が絡み、解錠できる時間はその時によって違うし鍵穴に痕跡を残してしまうので基本的に私はピッキングをしたことは無かったけど背に腹は代えられない
周りの気配に気を配りつつガリガリと鍵に向き合っているとカチャンとドアノブから小さな反応が返ってきた
静かな空間で響くその音に心臓がドクリと跳ねる
鍵が開いたようだ
ドアノブをひねり弱い力でドアを開け離して壁に隠れる
……人の気配も動くものも感じられない
壁に身を寄せそっと室内を覗き込むとたくさんの機器が置いてあるごくごく普通の研究室のようだった
神経を尖らせ研究室に滑り込む
最奥にある教授の机だと思われる机には資料が山積みになっており、忙しい時の自分の机を見ているようで思わず苦笑した
…いけない、こちらに集中しなくては…
机の上の資料をパラパラとめくるけど当然表立って治験出来ない資料を置いてあるわけがない
まずは治験の資料があるところを探さなければ…と、ぐるりと研究室を見回すと鍵つきガラス戸に覆われた書棚が3架、視界に入る
治験資料は厳重保管しなくてはならないのであるとしたらここかもしれない
書棚に歩み寄りガラス戸に手を掛けるけど予想通り鍵がかかっていて開かない
ドライバーとヘアピンを再度取り出したところで床に敷かれた敷物が不自然に乱れていることに気が付いた
まるで捲り上げてそのまま放置したような…
そっと近づき敷物を捲り上げるとそこにはキッチンの床下収納のような金属の扉があった
扉に隙間に手をかざすと空気の動きを感じる
ただの収納スペースならばそこまで広くないし地下なので空気の動きはほとんどないはず
なのに空気の動きがあるということはこの下にそれなりに広い空間があるということを指し示している
この棟にはこの研究室しかないせいかこの場所の人気はほとんど無いのに隠された入口、更に人目を忍んでいるそれなりに広い空間となると…昨日ライが教えてくれた治験はこの下で行われたのではないだろうか
音がしないよう、ゆっくりと金属の扉を開け放つと地下の少し湿気混じりのカビの匂いが強くした
湿り気を帯びた急な階段から地下通路に下り立つとひんやりした空気が身を包み思わず身震いする
所々弱い蛍光灯の光がぼぅと光っているけど通路全体には完全に行き届かず全体的に仄暗く、通路が真っ直ぐ伸びていることは分かるけど距離感は掴めない
遮蔽物は見えないので隠れる場所もなさそう
とにかく蛍光灯の光を頼りに先に進むか戻るしか無いけどここまで来て戻るという選択肢は無かった
慎重に足音を立てないよう静かに気配を消しつつ通路の行き止まりにある扉の前にたどり着いた
ピリピリと警戒しているせいか自分の心臓の音ですら五月蠅く、通路内に自分の鼓動が響いているような感覚に囚われる
ひんやりした空間にも関わらず私の額にはうっすらと汗が滲んでいた
扉はスライド式のステンレス製のようで右側の足下にスイッチがある
これは病院の手術室に良くあるタイプのドアで、手を使わず足でスイッチ操作をすることで扉を開けることができるものだろう
額の汗を拭い向こうの音が聞こえないかと通路を塞いでいる扉に耳を付けてみると話している内容は分からないけど人の声は聞き取れた
それは男性2人の声、しかし感じ取れる人の気配から数人はいると思われた
今この扉が開いたら隠れる場所のないこの通路では即見つかってしまうし、侵入する時間を変えるか方法を考えた方が良さそうと判断し、一旦立て直そうと元来た通路へ数歩踏み出すと地下の入口の方で物音がした
薄暗い中で慣れた視線の先、通路の向こう側で誰かが地下通路に下り立った陰が見える
その人陰がコツッとコンクリートで覆われた通路で足音を立てたのが分かった
…1人だ
反射的に蛍光灯のある壁と逆側の壁を背に当て息を殺す
大丈夫、向こうはまだこの薄暗がりに目が慣れていない、私の方が目が慣れている分有利なはず…
薄く開いた口から空気を吸い込み息を止め通路の向こう側の様子を伺う
衣擦れの音の後、カチリと金属製の小さな音がして人陰が静息したのが分かった
人陰から目を逸らさず、1人なら制圧することも可能だろうという判断を下した私はジリジリと壁伝いに人陰の方へ移動をする
すると何の予兆も無しに突如マズルフラッシュと共にシュンと空気を切り裂く風切音とパンッという音、ほんの一瞬の後、背後からカァンと金属を叩くような音がして思わずその場で身を竦ませた
仄暗い通路内に音が残響している
マズルフラッシュで一瞬視認できた姿は私の見覚えのある女性…だった