【DC】Con te
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「あや、今日は俺と一緒に出かけないか?」
ヒロが帰ってきた翌日、ヒロの身辺整理のため私は休暇を取っていた
職場の人たちはれーくん伝いでヒロの訃報を知っており、私が休暇願を出すと「1日じゃなくもっと休んでも良いんだぞ」という話をされたりしたが、常時人手が足りない部署なのでそんなにお休みを頂くわけにはいかず(実際ヒロは生きて帰ってきてくれているし)1日だけ休暇を頂くことにしたのだ
昨日は1日PCと電話で情報収集をしていたらしいけど今日は外出するのか灰青色のポロシャツにデニムのショートパンツ、天色のジャケットに東京スピリッツの帽子を手にしてリビングに現れたヒロに声をかけられたのだ
ヒロが突然発した言葉に料理に気を取られていた私は何を言ったのかあまり良く聞こえておらずポカンとしてしまった
昨晩は何度もヒロと話し合ったけど話は平行線、ヒロはれーくんには話さないの一点張りで、お互いに何となく気まずいまま朝を迎えていたのでヒロから話しかけられるとは思っていなかったのだ
「ご飯食べたら片付け手伝うから俺と出かけない?」
もう1度、今度は私の目を見てヒロは言った
目は口ほどにものを言うとはよく言ったもので、特にヒロと私は双子のせいか目を見るだけでお互いの意思疎通が出来ることが多い
ヒロは私に会わせたい人がいるのだろう
目からは絶対付いてこいという意思を感じる
そこから私が推測できる人は今回の件のキーパーソン、昨日話に出てきたヒロにクスリを飲ませたライという人物なんじゃないだろうか?と推測する
今現在、私に会わせたいという人はその人以外心当たりがない
もしそうなら今回の話の全容をライという人からも聞けるかもしれない
脳裏をかすめるそれらの考えに私は小さく肯首した
「一緒に出かけたい。でもまずはご飯食べよ。お皿出してくれる?食べたら後片付け手伝ってね」
今日の朝食は和食
ご飯にお揚げさんとわかめのお味噌汁、鮭のみりん漬けとレンコンのきんぴら、だし巻き卵を2人で並べて「いただきます」と同時に手を合わせた
ヒロが着ている服は昨日仕事帰りに深夜までやってる総合ディスカウントストアで買ってきたものだったけどサイズもちょうど良かったようだ
外出時、顔を少しでも隠せるようにと選んだ帽子も似合っていて年相応の男の子に見える
私は黒のシャツを襟抜き、ベージュのハイウエストワイドパンツ、バルーンスリーブの薄手のコートといつものブレスレット
涼介くんで移動するつもりだった私が鍵を手にすると、ヒロはその鍵を私の手からスルリと抜き取り「たまには散歩がてら歩いて行こう」と鍵置きに直しながら言った
涼介くんだと人目に付くから…と邪推するけど、これからの行き先と会う人が私の思っている通りなら限り無く正解に近いと言って差し支えないだろう
涼介くんは目立つし、あまり走ってない車なので足も付きやすい
ヒロに連れられるまま米花駅へたどり着くとプジョー607が停まっており助手席からスーツの上からでも分かる、鍛えているのであろう恵まれた体躯の外国人男性が降りてこちらに向かって歩いてくる
いつでも反応出来るよう身構えられる準備をしてヒロの方を見るとヒロはそちらの男性に軽く手を挙げたのでこの人がヒロの会わせたかった人なのだろうか…とホッと息を吐くと共に、迎えが来るから涼介くんじゃダメだったのか…とヒロの真意をここでようやく理解した
「初めまして、アンドレキャメルと申します」
「…真田あや、です」
間近に近づいた外国人男性が自己紹介をしてくれたので仮の名前を名乗りヒロを見るとそれでいいと言うようにヒロは小さく肯首した
「詳しいお話はこれからお連れするところでしますので車へどうぞ」
大きな身体を折り曲げるように深く頭を下げるキャメルさんに促されるままプジョー607へ向かい、ヒロが先に後部座席に乗り込み、私も乗り込むとキャメルさんがドアを閉めてくれた
そのままキャメルさんは車道側へ移動し助手席のドアを開け、しばし近辺を見回した後、乗り込んだ
プジョー607は左ハンドルなので私が座っているのは運転席の後ろの席になる
その為、運転手の顔は私からは確認出来ないけどルームミラーで見える目元は眼鏡をかけた女性のように見える
ヒロに促されるままとは言え、いまだに何も説明されないこの状況に不安を覚えヒロへ目を向けると私の視線に気づいたヒロが膝の上に乗せた私の手に己の小さな手を重ねる
それは温かく懐かしい感触だった
誰も口を開くこと無く静かな車に揺られ、たどり着いたのはグランドホテル杯戸だった
車は地下駐車場へ向かい、ホテル入口に停車したところでキャメルさんが降りて私の横のドアを開けてくれ、大人しく降り車内を振り返るとヒロも降りて来て私の手を握る
不安を隠すようにその小さな手を握り返し、アンドレさんに導かれるままホテル上層階のロイヤルルームへ足を踏み入れると応接セットがあるのが見えた
そこにいたのは長い漆黒の髪を自身の背中に流しニット帽を被り、長い足を持て余すように組んだ目力の強い鶸萌黄色の瞳の男性だった
ヒロが帰ってきた翌日、ヒロの身辺整理のため私は休暇を取っていた
職場の人たちはれーくん伝いでヒロの訃報を知っており、私が休暇願を出すと「1日じゃなくもっと休んでも良いんだぞ」という話をされたりしたが、常時人手が足りない部署なのでそんなにお休みを頂くわけにはいかず(実際ヒロは生きて帰ってきてくれているし)1日だけ休暇を頂くことにしたのだ
昨日は1日PCと電話で情報収集をしていたらしいけど今日は外出するのか灰青色のポロシャツにデニムのショートパンツ、天色のジャケットに東京スピリッツの帽子を手にしてリビングに現れたヒロに声をかけられたのだ
ヒロが突然発した言葉に料理に気を取られていた私は何を言ったのかあまり良く聞こえておらずポカンとしてしまった
昨晩は何度もヒロと話し合ったけど話は平行線、ヒロはれーくんには話さないの一点張りで、お互いに何となく気まずいまま朝を迎えていたのでヒロから話しかけられるとは思っていなかったのだ
「ご飯食べたら片付け手伝うから俺と出かけない?」
もう1度、今度は私の目を見てヒロは言った
目は口ほどにものを言うとはよく言ったもので、特にヒロと私は双子のせいか目を見るだけでお互いの意思疎通が出来ることが多い
ヒロは私に会わせたい人がいるのだろう
目からは絶対付いてこいという意思を感じる
そこから私が推測できる人は今回の件のキーパーソン、昨日話に出てきたヒロにクスリを飲ませたライという人物なんじゃないだろうか?と推測する
今現在、私に会わせたいという人はその人以外心当たりがない
もしそうなら今回の話の全容をライという人からも聞けるかもしれない
脳裏をかすめるそれらの考えに私は小さく肯首した
「一緒に出かけたい。でもまずはご飯食べよ。お皿出してくれる?食べたら後片付け手伝ってね」
今日の朝食は和食
ご飯にお揚げさんとわかめのお味噌汁、鮭のみりん漬けとレンコンのきんぴら、だし巻き卵を2人で並べて「いただきます」と同時に手を合わせた
ヒロが着ている服は昨日仕事帰りに深夜までやってる総合ディスカウントストアで買ってきたものだったけどサイズもちょうど良かったようだ
外出時、顔を少しでも隠せるようにと選んだ帽子も似合っていて年相応の男の子に見える
私は黒のシャツを襟抜き、ベージュのハイウエストワイドパンツ、バルーンスリーブの薄手のコートといつものブレスレット
涼介くんで移動するつもりだった私が鍵を手にすると、ヒロはその鍵を私の手からスルリと抜き取り「たまには散歩がてら歩いて行こう」と鍵置きに直しながら言った
涼介くんだと人目に付くから…と邪推するけど、これからの行き先と会う人が私の思っている通りなら限り無く正解に近いと言って差し支えないだろう
涼介くんは目立つし、あまり走ってない車なので足も付きやすい
ヒロに連れられるまま米花駅へたどり着くとプジョー607が停まっており助手席からスーツの上からでも分かる、鍛えているのであろう恵まれた体躯の外国人男性が降りてこちらに向かって歩いてくる
いつでも反応出来るよう身構えられる準備をしてヒロの方を見るとヒロはそちらの男性に軽く手を挙げたのでこの人がヒロの会わせたかった人なのだろうか…とホッと息を吐くと共に、迎えが来るから涼介くんじゃダメだったのか…とヒロの真意をここでようやく理解した
「初めまして、アンドレキャメルと申します」
「…真田あや、です」
間近に近づいた外国人男性が自己紹介をしてくれたので仮の名前を名乗りヒロを見るとそれでいいと言うようにヒロは小さく肯首した
「詳しいお話はこれからお連れするところでしますので車へどうぞ」
大きな身体を折り曲げるように深く頭を下げるキャメルさんに促されるままプジョー607へ向かい、ヒロが先に後部座席に乗り込み、私も乗り込むとキャメルさんがドアを閉めてくれた
そのままキャメルさんは車道側へ移動し助手席のドアを開け、しばし近辺を見回した後、乗り込んだ
プジョー607は左ハンドルなので私が座っているのは運転席の後ろの席になる
その為、運転手の顔は私からは確認出来ないけどルームミラーで見える目元は眼鏡をかけた女性のように見える
ヒロに促されるままとは言え、いまだに何も説明されないこの状況に不安を覚えヒロへ目を向けると私の視線に気づいたヒロが膝の上に乗せた私の手に己の小さな手を重ねる
それは温かく懐かしい感触だった
誰も口を開くこと無く静かな車に揺られ、たどり着いたのはグランドホテル杯戸だった
車は地下駐車場へ向かい、ホテル入口に停車したところでキャメルさんが降りて私の横のドアを開けてくれ、大人しく降り車内を振り返るとヒロも降りて来て私の手を握る
不安を隠すようにその小さな手を握り返し、アンドレさんに導かれるままホテル上層階のロイヤルルームへ足を踏み入れると応接セットがあるのが見えた
そこにいたのは長い漆黒の髪を自身の背中に流しニット帽を被り、長い足を持て余すように組んだ目力の強い鶸萌黄色の瞳の男性だった