【DC】Con te
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ヒロを乗せたまま警察庁の地下駐車場に滑り込み指定の駐車スペースに涼介くんを停めた
ヒロはお隣の建物に勤務しているのでここでお別れである
「今日は夜の方は休みで1日こっちにいると思うから帰る時に連絡してね。時間が合うなら一緒に帰ろう?」
「分かった、後で風見さんと打ち合わせするのにそっちに行くと思う」
「はーい、ヒロ頑張ってね」
「あやこそ頑張れよ?」
2人でヒラヒラと手を振り合い別れる
庁舎内に入ってID提示とボディチェック、金属探知機を経て警備局警備企画課のドアをくぐり抜けると奥の方にある自机が見えた
たくさんの書類が山積みにされているのが見えたので思わず足が止まり軽くため息をつく
今日も1日デスクワークで終わるどころか定時では終われ無さそうな書類の量だ
ヘタすると日をまたぐかもしれない
ヒロと退勤時間を合わせるのは難しいかなと思うと少しだけ憂鬱な気持ちになった
でもヒロと一緒に帰ることを励みに今日も頑張ろう!
目標、ヒロと同時退勤!
ぐっと気を引き締める
「おはようございます」
持っていたバッグを持ち直して気持ちを切り替え、ニコリと笑顔を貼り付けて事務室の誰…というわけではなく少し大きな声で挨拶をして自机へ
既にPCに向かっていた隣席の後輩、神津くんに挨拶すると彼も挨拶を返してくれた
椅子を引きバッグを足下に置いてある私物入れの箱に投げ入れ、端に追いやってあったサンダルに履き替え席に着く
「管理官が諸伏さん出勤したら管理官室に顔出すように言ってましたよ」
「え?朝から?まだ報告書作ってないけど?」
「今日は降谷さんも登庁するらしいので2人がかぶらないようにじゃないですかね?」
そう神津くんが口伝えで業務連絡をしてくれた
いつもは午前中に雑務をこなしつつ報告書を作成して午後から管理官面接
その後デスクワークでその日の業務を終了するのが私の登庁時の基本スケジュールだ
もちろんイレギュラーな日もあるけど、管理官は午前中上役の面々と打ち合わせをしていることが多いので自ずとこのようなスケジュールになっていた
珍しく今日はれーくんと登庁がかぶるらしく神津くん曰く私の予定が前倒しされたのじゃないかとのこと
スケジュール変更で報告事項をまとめてからではないのでテンパり屋の私、報告がグダグダになりはしないか…と多少の不安はある
しかし、久しぶりに同期で幼なじみのれーくんと出勤がかぶってるから会えるかもしれないと思うとそちらの方の嬉しい気持ちが大きい
ヒロとれーくんは同じ組織案件に関わっていて、組織内でも組まされることが多いらしく一緒にいることも多いらしい
その関係で、れーくんが元気だと言うことはヒロとの会話の中で窺い知ることは出来たけど3週間程れーくんの顔を見ていなかった
そんな事を考えながら一旦サンダルに履き替えたものをローヒールに履き戻し居ずまいを正し、神津くんへ声を掛けてから管理官室へ向かった
ノックをすると中から返事があったのでドアを開けて入室する
すると既にれーくんは来ていて2人掛けのソファの方に座っていた
向かい側の1人掛けのソファに管理官も座っており、れーくんの横に座るように促される
神津くん、れーくんもう出勤してたわ…
むしろ私より早くここにいてたわ…
隣席の後輩のあてが外れていたことに心の中で思わずツッコミを入れる
一番入室が遅かったことに少し居心地の悪さを感じながらも何事も無い様なポーカーフェイスを貼り付けて一礼し、促されたれーくんの横に着席した
「さて、2人揃ったところで特別任務だ」
管理官から特別任務(通称:特務)を説明を受けている時にお久しぶりなれーくんにチラリと視線をやるとグレースーツをピシッと着こなし、白いワイシャツにネイビーのネクタイをしてれーくんは管理官の話を真剣に聞いていた
今日もスッキリ爽やかなイケメンっぷりである
管理官からの特務の説明が終わり、れーくんと共に管理官室から退室する
仕方ないとは言え、今回の特務は正直気が進まない…
気が進まないどころか、代理をお願い出来るものなら別の方にお願いしたい…
理由は管理官からの言葉には出されない意図を痛切に感じることが出来たからだ
れーくんが先に退室し、その後を私も追う様に退室してドアを閉めると思わず大きなため息が出てしまった
自分が思っていたよりずっと大きくなってしまったため息に、ククッとれーくんがこちらを見て笑ったのでため息を吐いてしまった理由を覆い隠す為、怒ったフリをして大げさにほっぺを膨らましプイッとそっぽを向く
すると大きな手のひらを私の頭のてっぺんに開いて置かれ、グイッとれーくんの方へ向かせられた
顔はにこやかに笑っているけど目だけは笑ってないれーくんと真正面で向き合う
必死に抵抗しても私ではれーくんの力に敵わない
ぐぐぐっと少しの間、敵わないと分かっていても悪あがきをしてみる私を飄々と見下ろすれーくん
そんな無言のやりとりに根を上げた私が先に声を発した
「痛いです、降谷くん」
「何故そっぽ向くんだ?」
「特に意味はありません」
「ほーぅ?今回の特務の相棒に対して酷い態度だな」
「降谷くんこそ特務の相棒に対してやることではないと思うけど?」
「久しぶりに会った幼なじみを掻い繰ってるだけだよ」
「…すみませんでした」
ニコニコしながら会話中でもグイグイ頭の上から力を入れて押しつけてくるれーくんの力に屈した私は悪くないと思う
れーくんの力に私の首の力では対抗出来ない
何を言っても切り返してくる頭の回転の速いれーくん
くそぅインテリゴリラめ…
「あや、今晩特務の打ち合わせしよう」
「結構遅くまで仕事かかりそうだよ?」
「それは僕も一緒だよ。下で車見掛けたけどヒロに乗って帰って貰えよ、帰りは送ってく」
「ヒロと一緒に帰るのを励みに頑張ろうと思ってたんだけどなぁ…」
「…ブラコン」
「…!」
ブラコンと言われてムッとした私はキッとれーくんをにらみ上げた
もう一人の兄と早いうちに離され、私の側にいた家族はヒロしかいなかったから悔しいけどブラコンの自覚はある
ずっと一緒のヒロに対してもだし、離れた兄に対してもだ
悔しいけど図星で何も言い返せない私はれーくんをにらみ上げるしかできない
するとれーくんは上からグイグイ押しつけてきていた力を緩め、クシャクシャと私の髪を乱暴に撫でてから手を離す
れーくんの撫で方はヒロと違っていつも髪が乱れるけどヒロとは違ういつも通りのそれは、私のささくれた気持ちを解きほぐした
いつもの軽いジョークなのに図星を付かれるとすぐムッとするのは私の悪い癖だ
身長が縮みそうな程の圧力が無くなり押さえつけられて少しかがんでいた背筋を伸ばして普通に立つと少し彼の目線に近づく
そんな私の目を見つめ、れーくんは自分の右手の人差し指と中指を立てて「しーっ」とする様に自分の唇に付けた後、その指を私の唇にふにっと当てた
やめて、仕事中にそれは心臓に悪いから本当にやめて欲しい…
れーくんがこんなことをするのは幼なじみの私に対してだけであるが、私たちは付き合ってるわけでも何でもない
中学くらいの頃から時折されることがあったけど、単純に彼のスキンシップが人よりちょっと過剰なだけだと分かってるし、過去に何度もされてるのに未だ慣れることが出来ない
れーくんの長い指を介してされた間接キスに怒りは霧散し、恥ずかしくて赤くなっているだろう顔を背けてしまう
するとくくくっとれーくんの忍び笑いが聞こえた
さすが幼なじみ、私の気の反らし方をよく分かっている
私は赤い顔を隠す様に事務室に逃げ込んだ
ヒロはお隣の建物に勤務しているのでここでお別れである
「今日は夜の方は休みで1日こっちにいると思うから帰る時に連絡してね。時間が合うなら一緒に帰ろう?」
「分かった、後で風見さんと打ち合わせするのにそっちに行くと思う」
「はーい、ヒロ頑張ってね」
「あやこそ頑張れよ?」
2人でヒラヒラと手を振り合い別れる
庁舎内に入ってID提示とボディチェック、金属探知機を経て警備局警備企画課のドアをくぐり抜けると奥の方にある自机が見えた
たくさんの書類が山積みにされているのが見えたので思わず足が止まり軽くため息をつく
今日も1日デスクワークで終わるどころか定時では終われ無さそうな書類の量だ
ヘタすると日をまたぐかもしれない
ヒロと退勤時間を合わせるのは難しいかなと思うと少しだけ憂鬱な気持ちになった
でもヒロと一緒に帰ることを励みに今日も頑張ろう!
目標、ヒロと同時退勤!
ぐっと気を引き締める
「おはようございます」
持っていたバッグを持ち直して気持ちを切り替え、ニコリと笑顔を貼り付けて事務室の誰…というわけではなく少し大きな声で挨拶をして自机へ
既にPCに向かっていた隣席の後輩、神津くんに挨拶すると彼も挨拶を返してくれた
椅子を引きバッグを足下に置いてある私物入れの箱に投げ入れ、端に追いやってあったサンダルに履き替え席に着く
「管理官が諸伏さん出勤したら管理官室に顔出すように言ってましたよ」
「え?朝から?まだ報告書作ってないけど?」
「今日は降谷さんも登庁するらしいので2人がかぶらないようにじゃないですかね?」
そう神津くんが口伝えで業務連絡をしてくれた
いつもは午前中に雑務をこなしつつ報告書を作成して午後から管理官面接
その後デスクワークでその日の業務を終了するのが私の登庁時の基本スケジュールだ
もちろんイレギュラーな日もあるけど、管理官は午前中上役の面々と打ち合わせをしていることが多いので自ずとこのようなスケジュールになっていた
珍しく今日はれーくんと登庁がかぶるらしく神津くん曰く私の予定が前倒しされたのじゃないかとのこと
スケジュール変更で報告事項をまとめてからではないのでテンパり屋の私、報告がグダグダになりはしないか…と多少の不安はある
しかし、久しぶりに同期で幼なじみのれーくんと出勤がかぶってるから会えるかもしれないと思うとそちらの方の嬉しい気持ちが大きい
ヒロとれーくんは同じ組織案件に関わっていて、組織内でも組まされることが多いらしく一緒にいることも多いらしい
その関係で、れーくんが元気だと言うことはヒロとの会話の中で窺い知ることは出来たけど3週間程れーくんの顔を見ていなかった
そんな事を考えながら一旦サンダルに履き替えたものをローヒールに履き戻し居ずまいを正し、神津くんへ声を掛けてから管理官室へ向かった
ノックをすると中から返事があったのでドアを開けて入室する
すると既にれーくんは来ていて2人掛けのソファの方に座っていた
向かい側の1人掛けのソファに管理官も座っており、れーくんの横に座るように促される
神津くん、れーくんもう出勤してたわ…
むしろ私より早くここにいてたわ…
隣席の後輩のあてが外れていたことに心の中で思わずツッコミを入れる
一番入室が遅かったことに少し居心地の悪さを感じながらも何事も無い様なポーカーフェイスを貼り付けて一礼し、促されたれーくんの横に着席した
「さて、2人揃ったところで特別任務だ」
管理官から特別任務(通称:特務)を説明を受けている時にお久しぶりなれーくんにチラリと視線をやるとグレースーツをピシッと着こなし、白いワイシャツにネイビーのネクタイをしてれーくんは管理官の話を真剣に聞いていた
今日もスッキリ爽やかなイケメンっぷりである
管理官からの特務の説明が終わり、れーくんと共に管理官室から退室する
仕方ないとは言え、今回の特務は正直気が進まない…
気が進まないどころか、代理をお願い出来るものなら別の方にお願いしたい…
理由は管理官からの言葉には出されない意図を痛切に感じることが出来たからだ
れーくんが先に退室し、その後を私も追う様に退室してドアを閉めると思わず大きなため息が出てしまった
自分が思っていたよりずっと大きくなってしまったため息に、ククッとれーくんがこちらを見て笑ったのでため息を吐いてしまった理由を覆い隠す為、怒ったフリをして大げさにほっぺを膨らましプイッとそっぽを向く
すると大きな手のひらを私の頭のてっぺんに開いて置かれ、グイッとれーくんの方へ向かせられた
顔はにこやかに笑っているけど目だけは笑ってないれーくんと真正面で向き合う
必死に抵抗しても私ではれーくんの力に敵わない
ぐぐぐっと少しの間、敵わないと分かっていても悪あがきをしてみる私を飄々と見下ろすれーくん
そんな無言のやりとりに根を上げた私が先に声を発した
「痛いです、降谷くん」
「何故そっぽ向くんだ?」
「特に意味はありません」
「ほーぅ?今回の特務の相棒に対して酷い態度だな」
「降谷くんこそ特務の相棒に対してやることではないと思うけど?」
「久しぶりに会った幼なじみを掻い繰ってるだけだよ」
「…すみませんでした」
ニコニコしながら会話中でもグイグイ頭の上から力を入れて押しつけてくるれーくんの力に屈した私は悪くないと思う
れーくんの力に私の首の力では対抗出来ない
何を言っても切り返してくる頭の回転の速いれーくん
くそぅインテリゴリラめ…
「あや、今晩特務の打ち合わせしよう」
「結構遅くまで仕事かかりそうだよ?」
「それは僕も一緒だよ。下で車見掛けたけどヒロに乗って帰って貰えよ、帰りは送ってく」
「ヒロと一緒に帰るのを励みに頑張ろうと思ってたんだけどなぁ…」
「…ブラコン」
「…!」
ブラコンと言われてムッとした私はキッとれーくんをにらみ上げた
もう一人の兄と早いうちに離され、私の側にいた家族はヒロしかいなかったから悔しいけどブラコンの自覚はある
ずっと一緒のヒロに対してもだし、離れた兄に対してもだ
悔しいけど図星で何も言い返せない私はれーくんをにらみ上げるしかできない
するとれーくんは上からグイグイ押しつけてきていた力を緩め、クシャクシャと私の髪を乱暴に撫でてから手を離す
れーくんの撫で方はヒロと違っていつも髪が乱れるけどヒロとは違ういつも通りのそれは、私のささくれた気持ちを解きほぐした
いつもの軽いジョークなのに図星を付かれるとすぐムッとするのは私の悪い癖だ
身長が縮みそうな程の圧力が無くなり押さえつけられて少しかがんでいた背筋を伸ばして普通に立つと少し彼の目線に近づく
そんな私の目を見つめ、れーくんは自分の右手の人差し指と中指を立てて「しーっ」とする様に自分の唇に付けた後、その指を私の唇にふにっと当てた
やめて、仕事中にそれは心臓に悪いから本当にやめて欲しい…
れーくんがこんなことをするのは幼なじみの私に対してだけであるが、私たちは付き合ってるわけでも何でもない
中学くらいの頃から時折されることがあったけど、単純に彼のスキンシップが人よりちょっと過剰なだけだと分かってるし、過去に何度もされてるのに未だ慣れることが出来ない
れーくんの長い指を介してされた間接キスに怒りは霧散し、恥ずかしくて赤くなっているだろう顔を背けてしまう
するとくくくっとれーくんの忍び笑いが聞こえた
さすが幼なじみ、私の気の反らし方をよく分かっている
私は赤い顔を隠す様に事務室に逃げ込んだ