【DC】Con te
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俺はこれからユダを見つけ出し、ゼロの身の安全を確保したい
あやや兄に組織の手が伸びるようなことはあってはならない
命を懸けて守らなければならないものが俺にはある
これが公安潜入捜査官としての俺の矜持だ
俺は任務として潜り込んだ組織で公安からのNOCだと知られ存在を消された
ライの話では突如沸いて出た話だったようだが、その指示をしたジンは確証があると言っており、情報源などの詳細は語らなかったようだ
そこからライは情報をリークしたユダが公安内にいると推測したらしい
俺も話を聞いていてその推理は間違ってないだろうと思う
ジンが語らなかったのはまだその情報源に利用価値があるからだろう
もしかしたら情報源が自分の身を守るためにもう1人、日本の警察からNOCとして潜り込んでると匂わせてる可能性もあるだろう
命を懸けて潜入捜査をしている潜入捜査官はバックアップしてくれている人たちを全面的に信頼して行動している
それは俺もそうであるし、ゼロもそうであるし、以前潜入捜査をしていたあやもそうであったし、組織は違えどライもそうであろう
背中を安心して預けられる人がいるから潜入捜査が出来るのである
ユダが公安内にいるとすれば現在潜入捜査をしているゼロは、がら空きである背中から銃を突きつけられ、いつ撃たれるか分からない状態なのだ
俺はライのお陰で運良く命を落とさずに済んだが、バーボンもNOCだとバレた際に俺と同じように助かるとは到底思えない
特にジンはバーボンのことを快く思っていないからバーボンがNOCと判明した時にはジンが直々に手を下す可能性が高いだろう
ジンは”疑わしきは罰せよ”を信条にしているから冷酷な笑みを浮かべ、バーボンに銃口を向けるのは火を見るより明らかだ
なのでユダを探し出すことは一刻を争うことになるが、この姿でどうやって公安内にいるであろうユダを探し出すか…これが一番の問題だ
あやに関して言えば俺の家族であるし俺を陥れる必要性は無いだろうと思ったが、あやの可能性はあるか…?
いや、それはない、それだけはあり得ない
それは先ほどまであやと一緒にいて話をしていた双子の片割れである俺には分かる
理屈では説明できないが、あやではないと断言出来る
恋人の有無を聞かれた際に「僕の恋人はこの国さ」と豪語してしまうゼロが大切な日本を裏切るユダであるとは思えなかったが、それが仮にあやを手に入れるため、傷心自失となったあやの心につけいるためにと考えたとしても…いや今更それはあり得ない
ゼロの中で守るべき日本の象徴はあやなのだ、そのあやが悲しむことは絶対にしない
ゼロはあやの次に長い付き合いだからゼロの考えはあや程じゃないが分かるつもりだ
仮に上層部に食いつこうとして俺を切り捨てるならばもっと最適な時期を選ぶはずであるし、その際には隠さず俺には事前に話があるだろう
今の俺はライがNOCだと知るところになったが、まだゼロはライがNOCであることを知らない
それでもNOCを探す際には証拠を捏造して俺じゃなくライをNOCに仕立て上げそうである
ゼロはあやが好きだからと言って仕事と恋愛をごちゃ混ぜにはしない、絶対に
むしろ俺が見ていてもストイックに仕事に任務に取り組んでいる
あやと同じくらい信頼出来るのはゼロしかいないのでこの2人に関しては疑うなど以ての外だ
この組織潜入に関わる人間は警察内だけでも少ないようでいてそれなりにいる
警察上層部で報告書を見ているものを含めると俺が会ったことない、知らない人物も多数いるだろう
正直どこから手を付けて良いのか分からない、考えれば考えるほど雲を掴むような話で訳が分からなくなる
いくらあやがいると言っても、あやは警察庁の人間なので警視庁の人間がユダだった場合、あやの立場では探す方法がかなり限られるだろう
そこで爆処の2人に協力を…と思っていたが、それはあやによって違うと諭された
言われてみるとその通りだと思う
ユダを探すことに躍起になっていたが、俺の今の身の上を話して協力を仰ぐとなるとあいつらを危険に巻き込むことになる
では風見さんに話すか…?
風見さんは非常に優秀だし信頼も厚い人だが、まだ風見さんに会ってないから彼がユダじゃないとは確定出来ない
本来はこの件に関して協力を仰ぐのはゼロが最適だと理解している
しかし、まだゼロに俺の生存を知らせるつもりはなかった
あやから香る香りと鬱血痕から幼なじみであるゼロの姿を感じ取った俺は正直複雑な気持ちだった
死を覚悟していた瞬間、銃を自分に向けた瞬間はあやはゼロにしか任せられないと思っていたけど実際にあやとゼロが急接近したであろう痕跡を目の当たりにするのは正直しんどい
2人の性格を考えれば俺を喪ったことがトリガーになったんだろうというのは容易に想像が付く
あやはもちろん、ゼロも普段はそんな様子は一切見せないがあれでいて実は寂しがりだ
ゼロの気持ちに長年気が付かなかった鈍いあやは俺があやからゼロの姿を感じ取ったとは当然気が付いていないだろう
ただ俺が距離を置いたことには気づいたらしく戸惑っているようだった
それに気が付いた俺も、どう自分自身の気持ちの整理を付けて良いのか分からず、気付かないフリをしてその場を流してしまったが、この件に関して言えば気持ちは複雑だが全くの別問題だ
あやにも話したとおり始末したはずのスコッチによく似た子どもが、今まで子どもと関わったことがないバーボンの周りに急に現れるというのはあまりにも不自然過ぎて組織に俺が生きてるとバレる危険性がある
俺が生きているとゼロが知れば喜んでくれるだろう、進んで協力もしてくれるだろう
しかしそれではダメなのだ
俺が守りたいものの中にゼロはいるのだ
そして俺が生きてるとなるとライを危険に巻き込む可能性がある
協力者であるライの身の安全も確保せねばならない
だからいくらゼロと言えど俺のことはまだ知らせるのは時期尚早だと判断したのだ
正直このクスリの効果はいつまで続くか分からない
こうして話している間に戻れるかもしれないし、当分戻れないのかもしれない
もしかしたらこのクスリの副作用で命を落とすかもしれない
今の状態でこのまま何事もなく再び成長出来るという保証もない
時間はあまりないと思われるが考えなくてはならないことは山ほどある
全てにおいて間違いは許されない
常に気を引き締めなければならない
ユダに気づかれること無く慎重に進めなければならない
この俺の小さな手でどれだけのことが出来るだろうか…
俺は小さな手をギュッと握りしめ、その拳を見つめた
◇◆◇
あやや兄に組織の手が伸びるようなことはあってはならない
命を懸けて守らなければならないものが俺にはある
これが公安潜入捜査官としての俺の矜持だ
俺は任務として潜り込んだ組織で公安からのNOCだと知られ存在を消された
ライの話では突如沸いて出た話だったようだが、その指示をしたジンは確証があると言っており、情報源などの詳細は語らなかったようだ
そこからライは情報をリークしたユダが公安内にいると推測したらしい
俺も話を聞いていてその推理は間違ってないだろうと思う
ジンが語らなかったのはまだその情報源に利用価値があるからだろう
もしかしたら情報源が自分の身を守るためにもう1人、日本の警察からNOCとして潜り込んでると匂わせてる可能性もあるだろう
命を懸けて潜入捜査をしている潜入捜査官はバックアップしてくれている人たちを全面的に信頼して行動している
それは俺もそうであるし、ゼロもそうであるし、以前潜入捜査をしていたあやもそうであったし、組織は違えどライもそうであろう
背中を安心して預けられる人がいるから潜入捜査が出来るのである
ユダが公安内にいるとすれば現在潜入捜査をしているゼロは、がら空きである背中から銃を突きつけられ、いつ撃たれるか分からない状態なのだ
俺はライのお陰で運良く命を落とさずに済んだが、バーボンもNOCだとバレた際に俺と同じように助かるとは到底思えない
特にジンはバーボンのことを快く思っていないからバーボンがNOCと判明した時にはジンが直々に手を下す可能性が高いだろう
ジンは”疑わしきは罰せよ”を信条にしているから冷酷な笑みを浮かべ、バーボンに銃口を向けるのは火を見るより明らかだ
なのでユダを探し出すことは一刻を争うことになるが、この姿でどうやって公安内にいるであろうユダを探し出すか…これが一番の問題だ
あやに関して言えば俺の家族であるし俺を陥れる必要性は無いだろうと思ったが、あやの可能性はあるか…?
いや、それはない、それだけはあり得ない
それは先ほどまであやと一緒にいて話をしていた双子の片割れである俺には分かる
理屈では説明できないが、あやではないと断言出来る
恋人の有無を聞かれた際に「僕の恋人はこの国さ」と豪語してしまうゼロが大切な日本を裏切るユダであるとは思えなかったが、それが仮にあやを手に入れるため、傷心自失となったあやの心につけいるためにと考えたとしても…いや今更それはあり得ない
ゼロの中で守るべき日本の象徴はあやなのだ、そのあやが悲しむことは絶対にしない
ゼロはあやの次に長い付き合いだからゼロの考えはあや程じゃないが分かるつもりだ
仮に上層部に食いつこうとして俺を切り捨てるならばもっと最適な時期を選ぶはずであるし、その際には隠さず俺には事前に話があるだろう
今の俺はライがNOCだと知るところになったが、まだゼロはライがNOCであることを知らない
それでもNOCを探す際には証拠を捏造して俺じゃなくライをNOCに仕立て上げそうである
ゼロはあやが好きだからと言って仕事と恋愛をごちゃ混ぜにはしない、絶対に
むしろ俺が見ていてもストイックに仕事に任務に取り組んでいる
あやと同じくらい信頼出来るのはゼロしかいないのでこの2人に関しては疑うなど以ての外だ
この組織潜入に関わる人間は警察内だけでも少ないようでいてそれなりにいる
警察上層部で報告書を見ているものを含めると俺が会ったことない、知らない人物も多数いるだろう
正直どこから手を付けて良いのか分からない、考えれば考えるほど雲を掴むような話で訳が分からなくなる
いくらあやがいると言っても、あやは警察庁の人間なので警視庁の人間がユダだった場合、あやの立場では探す方法がかなり限られるだろう
そこで爆処の2人に協力を…と思っていたが、それはあやによって違うと諭された
言われてみるとその通りだと思う
ユダを探すことに躍起になっていたが、俺の今の身の上を話して協力を仰ぐとなるとあいつらを危険に巻き込むことになる
では風見さんに話すか…?
風見さんは非常に優秀だし信頼も厚い人だが、まだ風見さんに会ってないから彼がユダじゃないとは確定出来ない
本来はこの件に関して協力を仰ぐのはゼロが最適だと理解している
しかし、まだゼロに俺の生存を知らせるつもりはなかった
あやから香る香りと鬱血痕から幼なじみであるゼロの姿を感じ取った俺は正直複雑な気持ちだった
死を覚悟していた瞬間、銃を自分に向けた瞬間はあやはゼロにしか任せられないと思っていたけど実際にあやとゼロが急接近したであろう痕跡を目の当たりにするのは正直しんどい
2人の性格を考えれば俺を喪ったことがトリガーになったんだろうというのは容易に想像が付く
あやはもちろん、ゼロも普段はそんな様子は一切見せないがあれでいて実は寂しがりだ
ゼロの気持ちに長年気が付かなかった鈍いあやは俺があやからゼロの姿を感じ取ったとは当然気が付いていないだろう
ただ俺が距離を置いたことには気づいたらしく戸惑っているようだった
それに気が付いた俺も、どう自分自身の気持ちの整理を付けて良いのか分からず、気付かないフリをしてその場を流してしまったが、この件に関して言えば気持ちは複雑だが全くの別問題だ
あやにも話したとおり始末したはずのスコッチによく似た子どもが、今まで子どもと関わったことがないバーボンの周りに急に現れるというのはあまりにも不自然過ぎて組織に俺が生きてるとバレる危険性がある
俺が生きているとゼロが知れば喜んでくれるだろう、進んで協力もしてくれるだろう
しかしそれではダメなのだ
俺が守りたいものの中にゼロはいるのだ
そして俺が生きてるとなるとライを危険に巻き込む可能性がある
協力者であるライの身の安全も確保せねばならない
だからいくらゼロと言えど俺のことはまだ知らせるのは時期尚早だと判断したのだ
正直このクスリの効果はいつまで続くか分からない
こうして話している間に戻れるかもしれないし、当分戻れないのかもしれない
もしかしたらこのクスリの副作用で命を落とすかもしれない
今の状態でこのまま何事もなく再び成長出来るという保証もない
時間はあまりないと思われるが考えなくてはならないことは山ほどある
全てにおいて間違いは許されない
常に気を引き締めなければならない
ユダに気づかれること無く慎重に進めなければならない
この俺の小さな手でどれだけのことが出来るだろうか…
俺は小さな手をギュッと握りしめ、その拳を見つめた
◇◆◇