【DC】Con te
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「小さくなっている間は”諸伏景光”という名前は使えない」
今後の話をした後、ヒロがそう切り出した
確かに亡くなったとされている人間の名前を小さくなったからと言って使用するわけにはいかないだろう
「それじゃ私の子どもってことにする?ヒロと私は双子だから今の状態でも似てるわけだし、年齢や見た目から言っても親子としても差し支えないと思うんだけど」
「それは無理だよ」
「…!なん…で?」
どうしてもヒロとは仮の立場だとしても肉親関係でいたい私の提案はヒロによって却下される
私がそう言うだろうということをヒロは想定していたのか即答だった
「あやが普段偽名を使っているとは言え俺によく似てること、その偽名が”真田”という時点で俺の関係者だと組織にバレてる可能性はゼロじゃない。俺が組織に潜入してた時の名前が”真田”だった訳だし
その”真田あや”の周りに今まで子どもの影が無かったのにこのタイミングで急に現れるのは不自然すぎるだろう。それも俺やあやによく似た子どもで実子となると尚更だ
そこに疑問を持った組織の連中から俺の素性がバレる可能性は否定出来ない。その時あやに何かがあったら困るんだ。分かってくれるだろう?もちろん本名の方を使うわけにはいかない」
「………」
そこまで一気に話した後、ヒロはふぅと小さく息を吐いた
私は正論にぐうの音も出ない
「でも俺とあやが血縁関係であるのは一目瞭然だから…他人というのも不自然すぎるし、親戚というのはどうだろう?
組織以外の目から見てもあやに俺くらいの年齢の子どもが急に現れたら知ってる人たちから見たら相当に不自然だし…な?」
小さい子を諭すように、噛んで言い含めるように話すヒロは話しながらも色々思考を巡らせているのだろう、ヒロのクセだった考え事をする時に顎まわりに生えている無精ヒゲを撫でる仕草をする
しかし小さくなっている今の姿にチンストラップスタイルのヒゲは無く、柔らかな産毛が生えてる顎に違和感を感じたのか微妙に眉を寄せた
「俺はこれからあやの親戚の子で”流川明彦”と名乗ろうと思う」
ヒロの提案した名前は私たちを東都に呼び寄せ育ててくれた親戚の名字とも違っているし、私の知る限り友人や知人に流川という人や明彦という人はいない
周りを巻き込ませないというヒロの意思を強く感じた
潜入捜査官だった私たち兄妹は今は同じ降谷班で動いていると言っても基本は個人で動くことが多いのでヒロやれーくんが組織で何をしているかというのは、組織の外にいる私には時々上がってくる報告書やヒロが話してくれることでしか伺い知ることは出来ない
その報告書も全てを報告しているわけでは無いだろう
れーくんからは稀に発砲報告が上がっていたけど、時々ヒロからしていた硝煙の匂いについての記載は今まで見てきた2人の報告書には一切なかったからどうして発砲したか、または相手に発砲されたのかは知ることが出来なかった
仮にヒロが発砲してるとしたら、れーくんも組織でよく組んでると聞いているから知ってるはず
警察内で上司になるれーくんと共に潜入してて報告を上げていないとなると2人で隠蔽しているに他ならない
私は今まで何度もヒロから硝煙の匂いを感じ取っていたにも関わらず、その事実に気がつかないフリをしていた…
ヒロとは色々話をしているけどやはりお互いに根本的な部分は仕事人間であり、公安の任務を優先しているせいか全てを話しているわけは無かった
今まで兄妹間の距離が無いと思い込んでいただけだった…!
それを今更ながらに痛感し、歯痒く思う
「…分かった。その方向でこちらで準備出来るものはしてくる。周りにバレないようにしてくるから時間かかるかもしれない」
「あや、ありがとう」
真っ直ぐこちらを見て薄く笑うヒロの顔は子どもなのにやけに大人びて見えた
「これからは人がいる時や外では”アキ”って呼ぶからきちんと返事してね?」
「分かったよ、あや姉ちゃん」
そんなヒロに軽口をたたくとヒロからも軽口で返事が返ってきた
◇◆◇
今後の話をした後、ヒロがそう切り出した
確かに亡くなったとされている人間の名前を小さくなったからと言って使用するわけにはいかないだろう
「それじゃ私の子どもってことにする?ヒロと私は双子だから今の状態でも似てるわけだし、年齢や見た目から言っても親子としても差し支えないと思うんだけど」
「それは無理だよ」
「…!なん…で?」
どうしてもヒロとは仮の立場だとしても肉親関係でいたい私の提案はヒロによって却下される
私がそう言うだろうということをヒロは想定していたのか即答だった
「あやが普段偽名を使っているとは言え俺によく似てること、その偽名が”真田”という時点で俺の関係者だと組織にバレてる可能性はゼロじゃない。俺が組織に潜入してた時の名前が”真田”だった訳だし
その”真田あや”の周りに今まで子どもの影が無かったのにこのタイミングで急に現れるのは不自然すぎるだろう。それも俺やあやによく似た子どもで実子となると尚更だ
そこに疑問を持った組織の連中から俺の素性がバレる可能性は否定出来ない。その時あやに何かがあったら困るんだ。分かってくれるだろう?もちろん本名の方を使うわけにはいかない」
「………」
そこまで一気に話した後、ヒロはふぅと小さく息を吐いた
私は正論にぐうの音も出ない
「でも俺とあやが血縁関係であるのは一目瞭然だから…他人というのも不自然すぎるし、親戚というのはどうだろう?
組織以外の目から見てもあやに俺くらいの年齢の子どもが急に現れたら知ってる人たちから見たら相当に不自然だし…な?」
小さい子を諭すように、噛んで言い含めるように話すヒロは話しながらも色々思考を巡らせているのだろう、ヒロのクセだった考え事をする時に顎まわりに生えている無精ヒゲを撫でる仕草をする
しかし小さくなっている今の姿にチンストラップスタイルのヒゲは無く、柔らかな産毛が生えてる顎に違和感を感じたのか微妙に眉を寄せた
「俺はこれからあやの親戚の子で”流川明彦”と名乗ろうと思う」
ヒロの提案した名前は私たちを東都に呼び寄せ育ててくれた親戚の名字とも違っているし、私の知る限り友人や知人に流川という人や明彦という人はいない
周りを巻き込ませないというヒロの意思を強く感じた
潜入捜査官だった私たち兄妹は今は同じ降谷班で動いていると言っても基本は個人で動くことが多いのでヒロやれーくんが組織で何をしているかというのは、組織の外にいる私には時々上がってくる報告書やヒロが話してくれることでしか伺い知ることは出来ない
その報告書も全てを報告しているわけでは無いだろう
れーくんからは稀に発砲報告が上がっていたけど、時々ヒロからしていた硝煙の匂いについての記載は今まで見てきた2人の報告書には一切なかったからどうして発砲したか、または相手に発砲されたのかは知ることが出来なかった
仮にヒロが発砲してるとしたら、れーくんも組織でよく組んでると聞いているから知ってるはず
警察内で上司になるれーくんと共に潜入してて報告を上げていないとなると2人で隠蔽しているに他ならない
私は今まで何度もヒロから硝煙の匂いを感じ取っていたにも関わらず、その事実に気がつかないフリをしていた…
ヒロとは色々話をしているけどやはりお互いに根本的な部分は仕事人間であり、公安の任務を優先しているせいか全てを話しているわけは無かった
今まで兄妹間の距離が無いと思い込んでいただけだった…!
それを今更ながらに痛感し、歯痒く思う
「…分かった。その方向でこちらで準備出来るものはしてくる。周りにバレないようにしてくるから時間かかるかもしれない」
「あや、ありがとう」
真っ直ぐこちらを見て薄く笑うヒロの顔は子どもなのにやけに大人びて見えた
「これからは人がいる時や外では”アキ”って呼ぶからきちんと返事してね?」
「分かったよ、あや姉ちゃん」
そんなヒロに軽口をたたくとヒロからも軽口で返事が返ってきた
◇◆◇