【DC】Con te
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精神的にも肉体的にも重い身体を叱咤し、いつもより少しだけ荒く涼介くんを運転し自宅へ着く
本当はヒロが帰ってこない家に帰りたくないけど今日も仕事に行くために着替えなきゃいけない
このまま登庁してロッカーに置いてある着替えを使ってもいいけど、結局それでは問題を先送りにしているに過ぎず、ロッカーの着替えが尽きた数日の後には帰らなければならない
ヒロを喪った喪失感がたった数日で癒えるとは思えなかった
昨日はあれから風見さんに連絡せずにいてしまったので風見さんは私の分の書類の山を抱えてさぞかし困っていたことだろう
今日はその分もしっかり働かなければならない
忙しい方が何も考えずに済むし気も紛れるだろう
そんなことを思いながらいつも以上に重さを感じる自宅ドアの鍵を開け部屋に入ると玄関に見たことの無い真新しい子どもの靴が置いてあった
きちんと揃えられいつもヒロが置いてるところにある
今私は鍵を開けて玄関に入ったはずなのに何故玄関に見たことのない子どもの靴があるのだろう?
ヒロも私も結婚しておらず、当然子どもはいないし、子どもと関わる機会も無いので自宅の玄関にある子どもの靴は非日常のもので異様に見える
不法侵入者が子ども?…もしそうなら世も末だ
バッグからスマホを取り出しヒールを脱ぎ、警戒しながら己の気配を消し足音を忍ばせリビングへ向かう
リビングを見渡しても人の気配を感じるけど姿は見えない
このリビングには隠れるスペースはほとんどなく、今見ている場所から死角になるのはこちらに背を向けているソファの陰しかない
攻撃態勢を整えて覗き込んだ
その瞬間、あり得ないものを目にする
子どもの頃のヒロそっくりな子がスヤスヤと安らかな顔してソファで寝ていたのだ
驚きのあまりガンッ!と持っていたスマホをフローリングへ落とす
その音でハッと我に返る
一方その音で目を覚ましたヒロそっくりな子がバッと起き上がり身構え臨戦態勢でこちらを睨み付ける
!!
この子はヒロだ…!
身構えた体勢には覚えがあった
警察学校の時、同じグループメンバーだったのだ
身体は小さくとも護身術等の講義の時、何度も手合わせしてきたヒロの構えそのままだった
あり得ない話だと思うし、にわかに信じられることではない
見た目はずいぶん変わったけど双子の片割れ、私の半身だ、間違いない
私のゲノムがヒロだと言っている
目の前の子をヒロと認めた途端、私の中に開いていた空虚な心の穴が塞がるのを感じる
無意識に大きい声が出ないよう両手で口を覆う
何と表現したら良いか分からない感情に溢れ昨日から何度流したか、どのくらい流したか分からない涙が先ほどまでとは全く違う理由で溢れる
「ヒロ!」
昨日喪ったとそう思った、悟ったヒロが目の前にいる
「あや…」
ヒロの名前を呼ぶと小さなヒロは身体の力を抜き、はにかんだ笑顔を向ける
思わずヒロを思わず抱きしめた
寝落ちした私をベッドに運んでくれたりした着痩せするガッシリした体躯のヒロが今は私の両腕の中にスッポリ収まるほどに小さい
抱きしめたヒロの髪には、ほのかに硝煙の匂いが残っていて見た目と不釣り合いなその匂いにとても不思議な感覚を覚えた
◇◆◇
本当はヒロが帰ってこない家に帰りたくないけど今日も仕事に行くために着替えなきゃいけない
このまま登庁してロッカーに置いてある着替えを使ってもいいけど、結局それでは問題を先送りにしているに過ぎず、ロッカーの着替えが尽きた数日の後には帰らなければならない
ヒロを喪った喪失感がたった数日で癒えるとは思えなかった
昨日はあれから風見さんに連絡せずにいてしまったので風見さんは私の分の書類の山を抱えてさぞかし困っていたことだろう
今日はその分もしっかり働かなければならない
忙しい方が何も考えずに済むし気も紛れるだろう
そんなことを思いながらいつも以上に重さを感じる自宅ドアの鍵を開け部屋に入ると玄関に見たことの無い真新しい子どもの靴が置いてあった
きちんと揃えられいつもヒロが置いてるところにある
今私は鍵を開けて玄関に入ったはずなのに何故玄関に見たことのない子どもの靴があるのだろう?
ヒロも私も結婚しておらず、当然子どもはいないし、子どもと関わる機会も無いので自宅の玄関にある子どもの靴は非日常のもので異様に見える
不法侵入者が子ども?…もしそうなら世も末だ
バッグからスマホを取り出しヒールを脱ぎ、警戒しながら己の気配を消し足音を忍ばせリビングへ向かう
リビングを見渡しても人の気配を感じるけど姿は見えない
このリビングには隠れるスペースはほとんどなく、今見ている場所から死角になるのはこちらに背を向けているソファの陰しかない
攻撃態勢を整えて覗き込んだ
その瞬間、あり得ないものを目にする
子どもの頃のヒロそっくりな子がスヤスヤと安らかな顔してソファで寝ていたのだ
驚きのあまりガンッ!と持っていたスマホをフローリングへ落とす
その音でハッと我に返る
一方その音で目を覚ましたヒロそっくりな子がバッと起き上がり身構え臨戦態勢でこちらを睨み付ける
!!
この子はヒロだ…!
身構えた体勢には覚えがあった
警察学校の時、同じグループメンバーだったのだ
身体は小さくとも護身術等の講義の時、何度も手合わせしてきたヒロの構えそのままだった
あり得ない話だと思うし、にわかに信じられることではない
見た目はずいぶん変わったけど双子の片割れ、私の半身だ、間違いない
私のゲノムがヒロだと言っている
目の前の子をヒロと認めた途端、私の中に開いていた空虚な心の穴が塞がるのを感じる
無意識に大きい声が出ないよう両手で口を覆う
何と表現したら良いか分からない感情に溢れ昨日から何度流したか、どのくらい流したか分からない涙が先ほどまでとは全く違う理由で溢れる
「ヒロ!」
昨日喪ったとそう思った、悟ったヒロが目の前にいる
「あや…」
ヒロの名前を呼ぶと小さなヒロは身体の力を抜き、はにかんだ笑顔を向ける
思わずヒロを思わず抱きしめた
寝落ちした私をベッドに運んでくれたりした着痩せするガッシリした体躯のヒロが今は私の両腕の中にスッポリ収まるほどに小さい
抱きしめたヒロの髪には、ほのかに硝煙の匂いが残っていて見た目と不釣り合いなその匂いにとても不思議な感覚を覚えた
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