【DC】Con te
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※※注意※※
詳細は記載しておりませんが行為を連想させる表現が一部あります
15歳未満の方や苦手な方は自衛をお願いいたします
※※※※※※
◇◆◇
れーくんは昨晩雑居ビル前に車を置いてきたから取りに行くと言っていたので涼介くんで送っていくとれーくんに話した
昨晩れーくんが涼介くんを運転してくれたので現地に乗り付けていたれーくんのFDが停めっぱなしになっているのだ
助手席に乗ったれーくんは何も話さず正面を見据えており、運転している私も何も話さない
車内の音はエンジン音とロードノイズばかり
いつもなら苦にならない運転も今に限っては居たたまれないし気まずく、安易に送っていくと決めたことを少し後悔していた
―――
起きてからの私の態度がおかしいと気が付いたのだろう、れーくんが私を抱きしめようと引き寄せたけどそれに私は全力で抵抗してベッドから飛び出し、全裸のまま脱ぎ散らかされ床に散らばった自分の服を拾い集めて浴室に逃げ込んだ
シャワーの温度を上げ、カランを動かなくなるまで思い切り捻り、勢いよく出た冷たいままのシャワーを頭から被った
冷たさに全身の毛穴が粟立ち無意識にキュッと身をすくめ、徐々に温度が上がっていく流水にひたすら打たれ続ける
温度が上がって身体が緩むと腰の、痛みに近い怠さと身体の芯に残る違和感が戻ってきてそれに耐えきれず、床にぺたりと座りこんだ
昨日打ち付けた脛と膝に水が滲み鼓動に合わせてジンジンする
上から絶え間なく流水は降り注ぎ、身を打ち付ける温度は最初とは比べものにならないくらい熱いもので頭から受けてる流水は顔を伝い身体を伝って浴室の床に落ち、排水溝へ流れていく
その様子を叩きつけられる流水の間からボンヤリ眺めていた
昨晩は互いの大きな喪失感を埋めようとする深層心理が働いた結果だった
れーくんに迫られた訳じゃ無く、私が強請った訳でもなく、ごく自然に当たり前のように傷をなめ合う為にお互いを求めたのだ
最中れーくんに何度も何度も「あや、愛してる」と言われ続け、私の身体のあちこちにキスの雨を降らせ優しく腫れ物を扱うかのように大切にされ、ただお互いが傷をなめ合う行為だったのに本当に自分がれーくんに愛されているって勘違いしてしまいそうになり幾度となく私は涙を流した
彼にとってヒロの存在はとても大きかったのを私は知ってるし、私にとってヒロの存在が何よりも大きかったことを彼は知っている
この行為はお互いの喪失感を埋めるための行為であったのだ
私は初めて与えられる感覚に翻弄され囚われていたので考えることが出来ず彼の真意は分からなかった
彼はこういう行為の相手に甘言蜜語を紡ぐのかもしれない
彼の口から紡がれたのはそんな甘い、私の中に開いた空虚な心の穴を塞いでくれ、私の身も心も蕩け酔わし、捕らえて放さなくするような言葉たちだった
―――
気まずい空気の中、雑居ビル前に停まっている白のFDのすぐ側に涼介くんを停めハザードを付けるとロードノイズの代わりにカッチンカッチンとハザードの規則的な音がエンジンのアイドル音と共に車内に響く
昨晩ヒロの命が失われた雑居ビルの中に入っている会社のひとつは看板を見ると清掃業者だったようで、始発が出るか出ないかの時間なのに既に通常通り営業しているらしく、私が昨日割って侵入しようとしていたガラスの自動ドアへ人が次々に吸い込まれていく
組織によって始末された人間は死した後も証拠を残さず最後まで処理されるので見つかることはないと以前れーくんとヒロの組織B案件の報告書で読んだことがあった
そう考えるとここのビルで勤務している人たちは昨晩1人の命がこのビル内で失われたことを露ほども知らず、いつも通り仕事しているのだろう
ヒロがいなくなってもこの世界が普通の日常を送っているように見える様子からそんなことを考えてしまい、昨日泣きすぎたせいでいつもより腫れて重たい瞼を閉じるとまた涙がじんわり浮かぶ
こぼれ落ちないよう涙を必死に堪える
すぐ降りるかと思っていたれーくんはドアハンドルに指を掛けたまま動かずいた
私はれーくんを咎めたり急いたりすることなくステアリングを握っていた手を離しシートに全身を預け窓の外に顔を向ける
浮かんだ涙は瞬きの数を増やして無理矢理散らした
数分の後、ずっと黙っていたれーくんが口を開いた
「あや、昨日は…すまなかった。あやの弱みにつけ込むような真似をしてしまった。ただ…信じて欲しい、あの時の僕の言葉を。僕は昔からあやしか見えてなかったしあや以外欲しくなかった。
今この場で言うのは卑怯だと分かってるけど、ここでもう1度言わせて欲しい。あやはこれからも1人じゃない、僕がいる。ヒロの分も…僕にあやを愛させて欲しい」
れーくんの言葉に驚いた私は思わずれーくんの方に勢いよく向き直る
真っ直ぐ私の視線を受け入れたれーくんの視線は逸らされることは無かった
お互いに動かない、話さない、視線は逸らされることなく交わらせていたが、しばらくの後、れーくんは消え入りそうな笑顔を残しドアを開け出て行った
エンジンのアイドル音とカッチンカッチンと規則的なハザード音の中、身体が全く動かなかった私は遠ざかるれーくんの背中を見つめるしか出来なかった
私は一体どうしたいのか…
れーくんとどうなりたいのか…
ヒロのことも昨日の今日で頭の中がぐちゃぐちゃなのにキャパシティオーバーで、もうこれ以上何も考えられないし考えたくなくて考えることを放棄して少し乱暴に涼介くんのサイドブレーキを下ろしてアクセルを踏み込んだ
詳細は記載しておりませんが行為を連想させる表現が一部あります
15歳未満の方や苦手な方は自衛をお願いいたします
※※※※※※
◇◆◇
れーくんは昨晩雑居ビル前に車を置いてきたから取りに行くと言っていたので涼介くんで送っていくとれーくんに話した
昨晩れーくんが涼介くんを運転してくれたので現地に乗り付けていたれーくんのFDが停めっぱなしになっているのだ
助手席に乗ったれーくんは何も話さず正面を見据えており、運転している私も何も話さない
車内の音はエンジン音とロードノイズばかり
いつもなら苦にならない運転も今に限っては居たたまれないし気まずく、安易に送っていくと決めたことを少し後悔していた
―――
起きてからの私の態度がおかしいと気が付いたのだろう、れーくんが私を抱きしめようと引き寄せたけどそれに私は全力で抵抗してベッドから飛び出し、全裸のまま脱ぎ散らかされ床に散らばった自分の服を拾い集めて浴室に逃げ込んだ
シャワーの温度を上げ、カランを動かなくなるまで思い切り捻り、勢いよく出た冷たいままのシャワーを頭から被った
冷たさに全身の毛穴が粟立ち無意識にキュッと身をすくめ、徐々に温度が上がっていく流水にひたすら打たれ続ける
温度が上がって身体が緩むと腰の、痛みに近い怠さと身体の芯に残る違和感が戻ってきてそれに耐えきれず、床にぺたりと座りこんだ
昨日打ち付けた脛と膝に水が滲み鼓動に合わせてジンジンする
上から絶え間なく流水は降り注ぎ、身を打ち付ける温度は最初とは比べものにならないくらい熱いもので頭から受けてる流水は顔を伝い身体を伝って浴室の床に落ち、排水溝へ流れていく
その様子を叩きつけられる流水の間からボンヤリ眺めていた
昨晩は互いの大きな喪失感を埋めようとする深層心理が働いた結果だった
れーくんに迫られた訳じゃ無く、私が強請った訳でもなく、ごく自然に当たり前のように傷をなめ合う為にお互いを求めたのだ
最中れーくんに何度も何度も「あや、愛してる」と言われ続け、私の身体のあちこちにキスの雨を降らせ優しく腫れ物を扱うかのように大切にされ、ただお互いが傷をなめ合う行為だったのに本当に自分がれーくんに愛されているって勘違いしてしまいそうになり幾度となく私は涙を流した
彼にとってヒロの存在はとても大きかったのを私は知ってるし、私にとってヒロの存在が何よりも大きかったことを彼は知っている
この行為はお互いの喪失感を埋めるための行為であったのだ
私は初めて与えられる感覚に翻弄され囚われていたので考えることが出来ず彼の真意は分からなかった
彼はこういう行為の相手に甘言蜜語を紡ぐのかもしれない
彼の口から紡がれたのはそんな甘い、私の中に開いた空虚な心の穴を塞いでくれ、私の身も心も蕩け酔わし、捕らえて放さなくするような言葉たちだった
―――
気まずい空気の中、雑居ビル前に停まっている白のFDのすぐ側に涼介くんを停めハザードを付けるとロードノイズの代わりにカッチンカッチンとハザードの規則的な音がエンジンのアイドル音と共に車内に響く
昨晩ヒロの命が失われた雑居ビルの中に入っている会社のひとつは看板を見ると清掃業者だったようで、始発が出るか出ないかの時間なのに既に通常通り営業しているらしく、私が昨日割って侵入しようとしていたガラスの自動ドアへ人が次々に吸い込まれていく
組織によって始末された人間は死した後も証拠を残さず最後まで処理されるので見つかることはないと以前れーくんとヒロの組織B案件の報告書で読んだことがあった
そう考えるとここのビルで勤務している人たちは昨晩1人の命がこのビル内で失われたことを露ほども知らず、いつも通り仕事しているのだろう
ヒロがいなくなってもこの世界が普通の日常を送っているように見える様子からそんなことを考えてしまい、昨日泣きすぎたせいでいつもより腫れて重たい瞼を閉じるとまた涙がじんわり浮かぶ
こぼれ落ちないよう涙を必死に堪える
すぐ降りるかと思っていたれーくんはドアハンドルに指を掛けたまま動かずいた
私はれーくんを咎めたり急いたりすることなくステアリングを握っていた手を離しシートに全身を預け窓の外に顔を向ける
浮かんだ涙は瞬きの数を増やして無理矢理散らした
数分の後、ずっと黙っていたれーくんが口を開いた
「あや、昨日は…すまなかった。あやの弱みにつけ込むような真似をしてしまった。ただ…信じて欲しい、あの時の僕の言葉を。僕は昔からあやしか見えてなかったしあや以外欲しくなかった。
今この場で言うのは卑怯だと分かってるけど、ここでもう1度言わせて欲しい。あやはこれからも1人じゃない、僕がいる。ヒロの分も…僕にあやを愛させて欲しい」
れーくんの言葉に驚いた私は思わずれーくんの方に勢いよく向き直る
真っ直ぐ私の視線を受け入れたれーくんの視線は逸らされることは無かった
お互いに動かない、話さない、視線は逸らされることなく交わらせていたが、しばらくの後、れーくんは消え入りそうな笑顔を残しドアを開け出て行った
エンジンのアイドル音とカッチンカッチンと規則的なハザード音の中、身体が全く動かなかった私は遠ざかるれーくんの背中を見つめるしか出来なかった
私は一体どうしたいのか…
れーくんとどうなりたいのか…
ヒロのことも昨日の今日で頭の中がぐちゃぐちゃなのにキャパシティオーバーで、もうこれ以上何も考えられないし考えたくなくて考えることを放棄して少し乱暴に涼介くんのサイドブレーキを下ろしてアクセルを踏み込んだ