【DC】Con te
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位置通知機能アプリが表示している雑居ビルへたどり着く
白いFDが側に停まっているのが目に入る
思った通りれーくんも来てる様子…
涼介くんから降りてスマホのアプリでヒロの現在地がここで間違い無いか再度確認するけど間違いはない
雑居ビル内は真っ暗で入り口の自動ドアは施錠されており開かない
ガラスドアなのでぶち破ってやろうかと思い、武器になるものを探して目線を動かすとビルの横から心ここにあらずのれーくんがフラフラと姿を現した
「透さん!」
こんな時でも意識せずともきちんと偽名で呼べる自分の口は我ながら凄いと思う
駆け寄ると焦点の合わない瞳は瞳孔が開き、深夜の極々少ない光をブラックホールのように吸収しているのか…光を宿していないれーくんの瞳にイヤな予感しかしない
肌の裏側を鮫の皮でザリザリされているような全身が粟立ってもまだまだ毛穴が足りないようなザラザラとした気持ち悪い感覚
今まで体験した中で最もイヤな感覚だった
「あや…?」
れーくんの瞳孔が一気に縮み瞳に一瞬光が戻ったと思った瞬間、骨が折れるのでは無いかという程強い力で抱きしめられた
苦しくて仕方が無い、痛くて仕方が無い、でもどうしたら良いか分からないのでそのまま疑問を口にした
「れーくん…ヒロは?」
「…………」
抱きしめられていたので私の顔はれーくんの耳元に近く、彼にしか聞こえない囁きは彼の耳に届いたのだろうけど私の問いにれーくんは何も答えずただただ私をきつく抱きしめる
位置通知機能の表示通りなのだろう
私の思っているとおりなのだろう
認めたくない、認めたくないけど、れーくんの様子から悟った
悟った途端、ボロボロと涙が溢れる
生まれる前から一緒で、生まれてからも一緒にいてくれたね
両親が亡くなって寂しくて泣いていた時、何も言わず抱きしめてくれたね
高明兄さんと離れることになった時、高明兄さんと離れるのがイヤだとワガママ言って泣いて叫んでた私の側に何も言わず一緒にいてくれたね
東都の親戚に2人揃って引き取られてからは与えられたケータイで時々遠く離れた高明兄さんと電話で話すのが私たち兄妹の何よりの楽しみだったね
2人とも高明兄さんと我先に、少しでも長く話したくてケータイを奪い合いながら色々話したね
れーくんと友だちになったことをどっちが先に高明兄さんに話すかでケンカしたりもしたね
中学生になった時に個別に部屋を与えられて喜んでいたけど寝る時になったらお互いに一人で寝るのが寂しくてしばらく一緒に寝たりしたね
今までの進路も全て一緒で互いに離れるなんて考えたことも無かったね
今まで過ごした時間の中で一緒にいない時間の方が少なかったね
私の大切な、大切なヒロ
ヒロとは双子だったせいか言葉にしなくてもお互いが分かるのでとても心地よかった
ヒロは私の一番の理解者だった
ヒロがいてくれたから両親がいなくなった寂しさにも耐えられた
ヒロがいてくれたから高明兄さんと離れても私は頑張れた
ヒロがいてくれたらそれで充分だった、満たされていた
ヒロがいない世界なんて考えられないし考えたこともなかったのに私は1人取り残されてしまった
ヒロに置いていかれてしまった
寄り添ってくれるヒロはもういない
自分の身体の半分が消えてしまった
急に泣き出した私に驚いたれーくんが私を抱きしめていた手を緩めると足に力が入らなくなってしまった私はズルズルとその場に崩れ落ちた
膝と臑を強かに打ち付け痛みを感じるけど声が出ない
崩れ落ちた私に更に驚いただろうれーくんが屈み込んで私を抱きしめ直してくれるけどボロボロ溢れる涙が止まらない
両手で顔を覆い涙が涸れるまで泣き続けた
白いFDが側に停まっているのが目に入る
思った通りれーくんも来てる様子…
涼介くんから降りてスマホのアプリでヒロの現在地がここで間違い無いか再度確認するけど間違いはない
雑居ビル内は真っ暗で入り口の自動ドアは施錠されており開かない
ガラスドアなのでぶち破ってやろうかと思い、武器になるものを探して目線を動かすとビルの横から心ここにあらずのれーくんがフラフラと姿を現した
「透さん!」
こんな時でも意識せずともきちんと偽名で呼べる自分の口は我ながら凄いと思う
駆け寄ると焦点の合わない瞳は瞳孔が開き、深夜の極々少ない光をブラックホールのように吸収しているのか…光を宿していないれーくんの瞳にイヤな予感しかしない
肌の裏側を鮫の皮でザリザリされているような全身が粟立ってもまだまだ毛穴が足りないようなザラザラとした気持ち悪い感覚
今まで体験した中で最もイヤな感覚だった
「あや…?」
れーくんの瞳孔が一気に縮み瞳に一瞬光が戻ったと思った瞬間、骨が折れるのでは無いかという程強い力で抱きしめられた
苦しくて仕方が無い、痛くて仕方が無い、でもどうしたら良いか分からないのでそのまま疑問を口にした
「れーくん…ヒロは?」
「…………」
抱きしめられていたので私の顔はれーくんの耳元に近く、彼にしか聞こえない囁きは彼の耳に届いたのだろうけど私の問いにれーくんは何も答えずただただ私をきつく抱きしめる
位置通知機能の表示通りなのだろう
私の思っているとおりなのだろう
認めたくない、認めたくないけど、れーくんの様子から悟った
悟った途端、ボロボロと涙が溢れる
生まれる前から一緒で、生まれてからも一緒にいてくれたね
両親が亡くなって寂しくて泣いていた時、何も言わず抱きしめてくれたね
高明兄さんと離れることになった時、高明兄さんと離れるのがイヤだとワガママ言って泣いて叫んでた私の側に何も言わず一緒にいてくれたね
東都の親戚に2人揃って引き取られてからは与えられたケータイで時々遠く離れた高明兄さんと電話で話すのが私たち兄妹の何よりの楽しみだったね
2人とも高明兄さんと我先に、少しでも長く話したくてケータイを奪い合いながら色々話したね
れーくんと友だちになったことをどっちが先に高明兄さんに話すかでケンカしたりもしたね
中学生になった時に個別に部屋を与えられて喜んでいたけど寝る時になったらお互いに一人で寝るのが寂しくてしばらく一緒に寝たりしたね
今までの進路も全て一緒で互いに離れるなんて考えたことも無かったね
今まで過ごした時間の中で一緒にいない時間の方が少なかったね
私の大切な、大切なヒロ
ヒロとは双子だったせいか言葉にしなくてもお互いが分かるのでとても心地よかった
ヒロは私の一番の理解者だった
ヒロがいてくれたから両親がいなくなった寂しさにも耐えられた
ヒロがいてくれたから高明兄さんと離れても私は頑張れた
ヒロがいてくれたらそれで充分だった、満たされていた
ヒロがいない世界なんて考えられないし考えたこともなかったのに私は1人取り残されてしまった
ヒロに置いていかれてしまった
寄り添ってくれるヒロはもういない
自分の身体の半分が消えてしまった
急に泣き出した私に驚いたれーくんが私を抱きしめていた手を緩めると足に力が入らなくなってしまった私はズルズルとその場に崩れ落ちた
膝と臑を強かに打ち付け痛みを感じるけど声が出ない
崩れ落ちた私に更に驚いただろうれーくんが屈み込んで私を抱きしめ直してくれるけどボロボロ溢れる涙が止まらない
両手で顔を覆い涙が涸れるまで泣き続けた