【DC】Con te
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◇◆◇
ここ数日はデスクワークで、先日の特務の報告書作りに追われている
PCに向かって座っているのに一瞬目が眩みフワッと頭を撫でられた気がした
連日日付が変わる位まで仕事をしているから疲れがたまっているのかもしれない
庁舎に泊まり込みをせずに済んでいるだけまだましかと思っていたのだけど…
壁に掛かっている時計を見上げると現在は今日から明日へと日付が変わりそうな時間だった
あれから上山孝太郎の意識は無事戻り公安部で逮捕され取調べをを受けていた
その情報と元々公安で収集していた情報を元に公安部はフロント企業の一斉摘発を行った
こちらで想定していたより関わっている企業が多く、報告書も多岐にわたっていた
上山孝太郎のパートナーの女性は結局見つからず、確保も出来ていない
献金については上山孝太郎のパートナーが担当しており全てを任せていたとの供述で、上山孝太郎自身は詳細を一切知らないとのことだった
用心深い人物はパートナーの方であり、上山孝太郎自身は無頓着であることも供述から分かった
私が感じた現確時の事前情報との矛盾、違和感はここから来ていたものだったようだ
れーくんが関わった分の報告書は普段私が作成することが多いのに何故か今回に限ってはれーくんから特務時に何があったか全く話して貰えず、特務分はれーくんが自分自身で作るという
話して貰えない理由は不明だけど多岐にわたる報告書の作成件数が1件でも減るのは正直ありがたい
特務以降ずっと潜入先の組織の人間として行動しているれーくんとは、れーくんが会ったり連絡を取る機会を設けてくれなければ緊急時以外こちらから連絡することはできない
通常の報告や連絡は組織潜入時は基本的に風見さんが窓口となっていてれーくんからの連絡待ちという状態だった
―――
昨晩のヒロは潜入先の組織の仕事で、私が寝る時にはまだ帰ってきてなかった
朝起きてヒロが帰ってきてることに気が付いたのでヒロの部屋を覗いてみたらヒロは服のままベッドで寝ていて閉められていた部屋の中は硝煙の匂いがしていた
どうやら組織の仕事は物騒な仕事だったみたいだ
私の潜入捜査は終わったけどヒロの潜入捜査はいつまで続くんだろう…と硝煙の匂いに心が痛む
「服のまま寝ないでっていつも言ってるのに…ね」
そっとヒロに近づき、ほっぺをつついてみたけど起きる気配は無かった
硝煙の匂いを付けたままの服で寝る程疲れていたのか、それとも睡魔に勝てなかったのか…もしかしたらその両方だったのかもしれない
今日はヒロの登庁予定の日じゃないし、ヒロは時間に几帳面なので予定があるなら目覚ましを掛けているだろう
硝煙の匂いのせいで全くヒロの匂いがしない部屋を寂しく思いながらも部屋を出た
いつ起きて食べるか分からないけどヒロのためにサンドイッチを用意しておこう
―――
事務室で仕事をしていた私は一息入れようかとノートPCをパタンと閉じると同時に机の上に出していたスマホが突然SOSのリズムで振動した
この振動パターンはヒロからの位置情報が通知されて来ているものだ
過去に私はこの位置通知機能のお陰でヒロとれーくんに助けて貰った事がある
心臓がバクバクして手が震える
ヒロに何かがあったのだ…!
震える手でスマホの画面をタップして位置通知機能アプリを起動させる
アプリ起動の数秒がとてつもなく長く感じる
スマホを握りしめている手の震えがおさまらない
イヤな予感がする
先ほどの頭を撫でられた感覚…気のせいかもしれないけどヒロの撫で方に似ていた気がする
ヤキモキしながら起動したアプリを食い入るように見ると画面には地図が表示されており、港の側にある雑居ビルだと思わしき位置にヒロの現在地が表示されていた
その表示はグレーだった
グレーは…心臓が停止している時に表示される筈の色だ
…一瞬頭の中がクリアになる
ヒロの心臓が止まってる?
まさか!
クリアになった頭の中は直後ぐちゃぐちゃになるが身体は正直で頭で考えるより先に私はバッグを手に事務室を飛び出した
地下駐車場にある涼介くんに乗り込みゲートバーが開くのを待ちきれずバーを吹っ飛ばして涼介くんのアクセルを目一杯踏み込んだ
後輪が空転して悲鳴に似た劈くような音を発し、ドリフトしたまま警察庁から右に曲がりヒロの現在地に向かう
ゲートバーを吹っ飛ばしているので後で始末書ものだがそんなことは構っていられない
ヒロに連絡するため、ヘッドセットを着用しようとしているけど爆走しているので上手く着用できず諦めてヘッドセットを助手席に放り投げる
「Hey buddy! ヒロに電話!」
スマホに向けて叫ぶとスマホがヒロへ発信してくれる
呼び出し音が鳴る前にスマホのボリュームを最大まで上げた
しかし呼び出し音ではなく電波の届かないところか電源が切れていると無機質なアナウンスが淡々と流れる
「Hey buddy! 終話!
Hey buddy! れーくんに電話!」
スマホに向けて叫ぶとスマホが返事をしてれーくんへ発信してくれる
ずっと鳴り続ける呼び出し音、れーくんの応答は無い
思わず舌打ちした
「Hey buddy! 終話!
Hey buddy! 風見さんに電話!」
スマホに声を掛けるとスマホから鳴っていた呼び出し音は止まり、今度は風見さんへ発信してくれる
風見さんは先ほどまで一緒に事務室で仕事をしていたのでまだ庁内にいるから出てくれるだろう
「はい、風見です」
「風見さん、諸伏です」
「あやさんどうされたんですか?」
「ヒロに…ヒロに何かがあったみたいなので今ヒロの元へ向かっています。仕事投げ出してすみません!また連絡します!
Hey buddy! 終話!」
こちらの伝えることを伝えて風見さんの電話を切った
ヒロと外で出くわす分についてはいくら顔が似てると言っても眼鏡を掛けたり帽子を被ったりと多少は見た目を誤魔化せるし、お互い知ってるもの同士だとバレなければ他人の空似でも何でも通すことは出来るだろうと思う
電話が繋がらないのなら近くで確認出来ずとも遠くからヒロの状況を確認出来るだけでいい
車内はロードノイズとエンジン音がするけど、私の心臓の音も車内に響いているんじゃ無いかと思うほどに動悸が激しく苦しかった
左に曲がるために一旦アクセルを抜きギアを落としステアリングを切って再びアクセルオンすると激しいスキール音と共にリアが横に流れドリフトしながら深夜の東都の道路を走り抜ける
早く、早く…と気持ちが急いてるせいか、いつもより涼介くんの加速が悪いと感じていた
ここ数日はデスクワークで、先日の特務の報告書作りに追われている
PCに向かって座っているのに一瞬目が眩みフワッと頭を撫でられた気がした
連日日付が変わる位まで仕事をしているから疲れがたまっているのかもしれない
庁舎に泊まり込みをせずに済んでいるだけまだましかと思っていたのだけど…
壁に掛かっている時計を見上げると現在は今日から明日へと日付が変わりそうな時間だった
あれから上山孝太郎の意識は無事戻り公安部で逮捕され取調べをを受けていた
その情報と元々公安で収集していた情報を元に公安部はフロント企業の一斉摘発を行った
こちらで想定していたより関わっている企業が多く、報告書も多岐にわたっていた
上山孝太郎のパートナーの女性は結局見つからず、確保も出来ていない
献金については上山孝太郎のパートナーが担当しており全てを任せていたとの供述で、上山孝太郎自身は詳細を一切知らないとのことだった
用心深い人物はパートナーの方であり、上山孝太郎自身は無頓着であることも供述から分かった
私が感じた現確時の事前情報との矛盾、違和感はここから来ていたものだったようだ
れーくんが関わった分の報告書は普段私が作成することが多いのに何故か今回に限ってはれーくんから特務時に何があったか全く話して貰えず、特務分はれーくんが自分自身で作るという
話して貰えない理由は不明だけど多岐にわたる報告書の作成件数が1件でも減るのは正直ありがたい
特務以降ずっと潜入先の組織の人間として行動しているれーくんとは、れーくんが会ったり連絡を取る機会を設けてくれなければ緊急時以外こちらから連絡することはできない
通常の報告や連絡は組織潜入時は基本的に風見さんが窓口となっていてれーくんからの連絡待ちという状態だった
―――
昨晩のヒロは潜入先の組織の仕事で、私が寝る時にはまだ帰ってきてなかった
朝起きてヒロが帰ってきてることに気が付いたのでヒロの部屋を覗いてみたらヒロは服のままベッドで寝ていて閉められていた部屋の中は硝煙の匂いがしていた
どうやら組織の仕事は物騒な仕事だったみたいだ
私の潜入捜査は終わったけどヒロの潜入捜査はいつまで続くんだろう…と硝煙の匂いに心が痛む
「服のまま寝ないでっていつも言ってるのに…ね」
そっとヒロに近づき、ほっぺをつついてみたけど起きる気配は無かった
硝煙の匂いを付けたままの服で寝る程疲れていたのか、それとも睡魔に勝てなかったのか…もしかしたらその両方だったのかもしれない
今日はヒロの登庁予定の日じゃないし、ヒロは時間に几帳面なので予定があるなら目覚ましを掛けているだろう
硝煙の匂いのせいで全くヒロの匂いがしない部屋を寂しく思いながらも部屋を出た
いつ起きて食べるか分からないけどヒロのためにサンドイッチを用意しておこう
―――
事務室で仕事をしていた私は一息入れようかとノートPCをパタンと閉じると同時に机の上に出していたスマホが突然SOSのリズムで振動した
この振動パターンはヒロからの位置情報が通知されて来ているものだ
過去に私はこの位置通知機能のお陰でヒロとれーくんに助けて貰った事がある
心臓がバクバクして手が震える
ヒロに何かがあったのだ…!
震える手でスマホの画面をタップして位置通知機能アプリを起動させる
アプリ起動の数秒がとてつもなく長く感じる
スマホを握りしめている手の震えがおさまらない
イヤな予感がする
先ほどの頭を撫でられた感覚…気のせいかもしれないけどヒロの撫で方に似ていた気がする
ヤキモキしながら起動したアプリを食い入るように見ると画面には地図が表示されており、港の側にある雑居ビルだと思わしき位置にヒロの現在地が表示されていた
その表示はグレーだった
グレーは…心臓が停止している時に表示される筈の色だ
…一瞬頭の中がクリアになる
ヒロの心臓が止まってる?
まさか!
クリアになった頭の中は直後ぐちゃぐちゃになるが身体は正直で頭で考えるより先に私はバッグを手に事務室を飛び出した
地下駐車場にある涼介くんに乗り込みゲートバーが開くのを待ちきれずバーを吹っ飛ばして涼介くんのアクセルを目一杯踏み込んだ
後輪が空転して悲鳴に似た劈くような音を発し、ドリフトしたまま警察庁から右に曲がりヒロの現在地に向かう
ゲートバーを吹っ飛ばしているので後で始末書ものだがそんなことは構っていられない
ヒロに連絡するため、ヘッドセットを着用しようとしているけど爆走しているので上手く着用できず諦めてヘッドセットを助手席に放り投げる
「Hey buddy! ヒロに電話!」
スマホに向けて叫ぶとスマホがヒロへ発信してくれる
呼び出し音が鳴る前にスマホのボリュームを最大まで上げた
しかし呼び出し音ではなく電波の届かないところか電源が切れていると無機質なアナウンスが淡々と流れる
「Hey buddy! 終話!
Hey buddy! れーくんに電話!」
スマホに向けて叫ぶとスマホが返事をしてれーくんへ発信してくれる
ずっと鳴り続ける呼び出し音、れーくんの応答は無い
思わず舌打ちした
「Hey buddy! 終話!
Hey buddy! 風見さんに電話!」
スマホに声を掛けるとスマホから鳴っていた呼び出し音は止まり、今度は風見さんへ発信してくれる
風見さんは先ほどまで一緒に事務室で仕事をしていたのでまだ庁内にいるから出てくれるだろう
「はい、風見です」
「風見さん、諸伏です」
「あやさんどうされたんですか?」
「ヒロに…ヒロに何かがあったみたいなので今ヒロの元へ向かっています。仕事投げ出してすみません!また連絡します!
Hey buddy! 終話!」
こちらの伝えることを伝えて風見さんの電話を切った
ヒロと外で出くわす分についてはいくら顔が似てると言っても眼鏡を掛けたり帽子を被ったりと多少は見た目を誤魔化せるし、お互い知ってるもの同士だとバレなければ他人の空似でも何でも通すことは出来るだろうと思う
電話が繋がらないのなら近くで確認出来ずとも遠くからヒロの状況を確認出来るだけでいい
車内はロードノイズとエンジン音がするけど、私の心臓の音も車内に響いているんじゃ無いかと思うほどに動悸が激しく苦しかった
左に曲がるために一旦アクセルを抜きギアを落としステアリングを切って再びアクセルオンすると激しいスキール音と共にリアが横に流れドリフトしながら深夜の東都の道路を走り抜ける
早く、早く…と気持ちが急いてるせいか、いつもより涼介くんの加速が悪いと感じていた