【DC】Con te
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「おまえが公安から潜入してるNOCだったとはな…」
月がまだ出ておらず星が綺麗に見える空の元、雑居ビルの屋上でライに拳銃を向け睨み合っていた
俺の手には拳銃がある
先ほどライに投げ飛ばされた時、ライの拳銃を奪うことに成功したのだ
この危険な組織への潜入捜査をする際、ゼロと交わした約束があった
何かあったらこの国のために命を惜しむこと無くやり遂げると互いに誓い合い、覚悟の上での潜入であった
俺の命は惜しんではいない
その時が今、来たのだ
俺の命が尽き組織の人間であるライだけが残ると何が想定されるか…この危機的状況の中でライを睨み銃口を向け威嚇しながら俺は必死に思考を巡らす
普通は俺の持ち物から他にNOCの仲間がいるかの確認だろう
組織の仕事の時は基本的に身元が割れるものは持ち歩いていないが、スマホだけは別である
組織専用のものと、プライベート用の2つのスマホを持っている
組織専用のスマホは契約者名義人が仮の名である”真田楓”となっておりこちらは調べられても本来の身元が判明する情報は一切入っていない
登録されている番号は一つも無く、通話記録やメール等のデータは都度完全消去し、復元されないようにしているが、先ほどの乱闘時にどこかに落としてしまった
落とした組織用のスマホを探す余裕もこの状況ではない
現在一番の問題はプライベート用のスマホだ
契約者名義人は”諸伏景光”本名であり、今現在俺の左の胸ポケットに収まっているものだ
スマホには何重にもロックを掛けているので簡単に突破されないだろうとは思う
しかし絶対はあり得ない
ゼロの番号は入れていないがあやや兄の番号は入っているので調べられ家族とバレるとマズい
このスマホからの情報流出だけは何が何でも絶対に防がねばならない
それにこのスマホにはあやと互いの身を守るためと話し合い発信器を付けている
俺が必ずしている時計には脈拍常時測定機能が付いており、俺の脈拍に異常が見られた状態で一定時間スマホを触らずにいるとスマホが振動、更に一定時間経過するとあやのスマホに俺の位置情報が通知されるようになっている
スマホの位置通知機能はスマホの電源を切られたり壊されたりしたら通常調べることが不能となるがこの発信器は電源を切られても壊されても12時間は発信器内臓バッテリで稼働するうえ、位置通知機能の赤い丸は心臓が動いていたら赤色、止まっているならグレーで表示されるので俺の命が尽きたとしてもあやにだけは知らせることができるだろう
俺の死をあやに知らせることについて酷なことだし申し訳ないと思う
俺はあやの側にいるたった1人の家族で母のお腹の中にいた頃からずっとあやと一緒だったのだ
生まれてからも今まで互いに寄り添い苦楽を共にし生きてきたのだ
あやにどのような思いをさせるかは想像に難くない
しかし、組織に消され死体を始末されてしまうと消息不明になってしまうのでそれでは本来の職場の人たちや幼なじみが困るだろう
今後のためにも俺の消息は知らせる必要がある
あやも潜入捜査官としてきっと分かってくれるだろう
あやを残して逝くのは正直心残りが無いわけではないが子どもの頃からあやしかみていない、あやのことを何より大切に思ってくれている幼なじみがいる
男の俺の目から見てもあれほどの男はいないだろう
家族として兄としても妹を託すに値すると思う
反対するところなどひとつもない
あるとしたらあや自身の気持ちに添っているかどうかであるが、あやだって幼なじみのことは嫌いではないはずだし先日の特務で俺に何も言わないけど2人の間で何かがあったのはあやの双子の片割れである俺に分からないはずないだろう?
あや、ゼロと…降谷と俺の分まで幸せになれ!
ゼロ、あやを…たった1人の妹を頼む…!
――俺の命の道連れはプライベート用のスマホだ――
意を決した俺は鶸萌黄色の瞳を強く睨み付けライの拳銃をプライベート用スマホの入っている左胸に向けた
すると目にも止まらぬ早さでライに壁ドンされ、トリガーを引こうとしていた拳銃のシリンダーを掴まれる
ライの動きに一瞬遅れトリガーを引くが、もうビクとも動かない
シリンダーを掴まれたら人間の力でトリガーを引くのは無理だと知識では知ってはいたが本当にここまでビクともしないとは…
壁ドンされ先ほどよりかなり間近にある鶸萌黄色の瞳を今までより更に強く睨み付けるが俺に向けるライの視線は攻撃的でも威圧的でも敵対的でもない
何故だ?!
俺は今、組織のライによって始末されそうになっているのだ
始末される前に自決しようとしている俺に何を思う?
今の俺が滑稽で哀れみでも感じているのだろうか?
ライの拳銃を奪い俺の手元にある今、自ら命を絶つフリをしてライを狙うかもしれないのだ
睨み合っているライの感情が見えない
するとライからライ自身もFBIから潜入しているNOCだと明かされた
そのライの声は落ち着いており何度も行動を共にし、少なからずライの為人を知っている俺にはライが嘘を言っているとは思えなかった
俺は今の今まで死を覚悟していたが、ライもNOCと知らされた上、この俺を助ける事が出来ると言う
狐につままれたようだ
拳銃を持っていた手の力が抜け銃口が地面に向く
もう俺には再度拳銃を構える気は無くなっていた
月がまだ出ておらず星が綺麗に見える空の元、雑居ビルの屋上でライに拳銃を向け睨み合っていた
俺の手には拳銃がある
先ほどライに投げ飛ばされた時、ライの拳銃を奪うことに成功したのだ
この危険な組織への潜入捜査をする際、ゼロと交わした約束があった
何かあったらこの国のために命を惜しむこと無くやり遂げると互いに誓い合い、覚悟の上での潜入であった
俺の命は惜しんではいない
その時が今、来たのだ
俺の命が尽き組織の人間であるライだけが残ると何が想定されるか…この危機的状況の中でライを睨み銃口を向け威嚇しながら俺は必死に思考を巡らす
普通は俺の持ち物から他にNOCの仲間がいるかの確認だろう
組織の仕事の時は基本的に身元が割れるものは持ち歩いていないが、スマホだけは別である
組織専用のものと、プライベート用の2つのスマホを持っている
組織専用のスマホは契約者名義人が仮の名である”真田楓”となっておりこちらは調べられても本来の身元が判明する情報は一切入っていない
登録されている番号は一つも無く、通話記録やメール等のデータは都度完全消去し、復元されないようにしているが、先ほどの乱闘時にどこかに落としてしまった
落とした組織用のスマホを探す余裕もこの状況ではない
現在一番の問題はプライベート用のスマホだ
契約者名義人は”諸伏景光”本名であり、今現在俺の左の胸ポケットに収まっているものだ
スマホには何重にもロックを掛けているので簡単に突破されないだろうとは思う
しかし絶対はあり得ない
ゼロの番号は入れていないがあやや兄の番号は入っているので調べられ家族とバレるとマズい
このスマホからの情報流出だけは何が何でも絶対に防がねばならない
それにこのスマホにはあやと互いの身を守るためと話し合い発信器を付けている
俺が必ずしている時計には脈拍常時測定機能が付いており、俺の脈拍に異常が見られた状態で一定時間スマホを触らずにいるとスマホが振動、更に一定時間経過するとあやのスマホに俺の位置情報が通知されるようになっている
スマホの位置通知機能はスマホの電源を切られたり壊されたりしたら通常調べることが不能となるがこの発信器は電源を切られても壊されても12時間は発信器内臓バッテリで稼働するうえ、位置通知機能の赤い丸は心臓が動いていたら赤色、止まっているならグレーで表示されるので俺の命が尽きたとしてもあやにだけは知らせることができるだろう
俺の死をあやに知らせることについて酷なことだし申し訳ないと思う
俺はあやの側にいるたった1人の家族で母のお腹の中にいた頃からずっとあやと一緒だったのだ
生まれてからも今まで互いに寄り添い苦楽を共にし生きてきたのだ
あやにどのような思いをさせるかは想像に難くない
しかし、組織に消され死体を始末されてしまうと消息不明になってしまうのでそれでは本来の職場の人たちや幼なじみが困るだろう
今後のためにも俺の消息は知らせる必要がある
あやも潜入捜査官としてきっと分かってくれるだろう
あやを残して逝くのは正直心残りが無いわけではないが子どもの頃からあやしかみていない、あやのことを何より大切に思ってくれている幼なじみがいる
男の俺の目から見てもあれほどの男はいないだろう
家族として兄としても妹を託すに値すると思う
反対するところなどひとつもない
あるとしたらあや自身の気持ちに添っているかどうかであるが、あやだって幼なじみのことは嫌いではないはずだし先日の特務で俺に何も言わないけど2人の間で何かがあったのはあやの双子の片割れである俺に分からないはずないだろう?
あや、ゼロと…降谷と俺の分まで幸せになれ!
ゼロ、あやを…たった1人の妹を頼む…!
――俺の命の道連れはプライベート用のスマホだ――
意を決した俺は鶸萌黄色の瞳を強く睨み付けライの拳銃をプライベート用スマホの入っている左胸に向けた
すると目にも止まらぬ早さでライに壁ドンされ、トリガーを引こうとしていた拳銃のシリンダーを掴まれる
ライの動きに一瞬遅れトリガーを引くが、もうビクとも動かない
シリンダーを掴まれたら人間の力でトリガーを引くのは無理だと知識では知ってはいたが本当にここまでビクともしないとは…
壁ドンされ先ほどよりかなり間近にある鶸萌黄色の瞳を今までより更に強く睨み付けるが俺に向けるライの視線は攻撃的でも威圧的でも敵対的でもない
何故だ?!
俺は今、組織のライによって始末されそうになっているのだ
始末される前に自決しようとしている俺に何を思う?
今の俺が滑稽で哀れみでも感じているのだろうか?
ライの拳銃を奪い俺の手元にある今、自ら命を絶つフリをしてライを狙うかもしれないのだ
睨み合っているライの感情が見えない
するとライからライ自身もFBIから潜入しているNOCだと明かされた
そのライの声は落ち着いており何度も行動を共にし、少なからずライの為人を知っている俺にはライが嘘を言っているとは思えなかった
俺は今の今まで死を覚悟していたが、ライもNOCと知らされた上、この俺を助ける事が出来ると言う
狐につままれたようだ
拳銃を持っていた手の力が抜け銃口が地面に向く
もう俺には再度拳銃を構える気は無くなっていた