【DC】Con te
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◇◆◇
米花町から程近くにある港の古い倉庫街の一角に黒いポルシェ356Aと黒のシボレーC/Kが停まっていた
そこにある街灯に灯りはともっておらず、周辺にある街灯の光が仄かに届いてはいたが顔が判別できる程の明るさは無い
闇に溶け込むかのように濡羽色の服に身を包んだロングヘアの男が2人、海風に髪を靡かせそこにいた
1人は濡羽色の服に身を包み象牙色の髪で刃物のように鋭い目をもう1人に向けている
1人は濡羽色の服に身を包み漆黒の髪に同色のニット帽を被りもう1人の視線を気にすること無く飄々と煙草を燻らしている
「ライ、スコッチを殺し(ヤッ)てこい」
「スコッチを?何故?」
波の音を打ち消すかのように象牙色の髪の男が言葉を発すると漆黒の髪の男が疑問を返す
チィと舌打ちをした象牙色の髪の男が忌々しそうな声で答えた
「スコッチ、ヤツは公安の狗(イヌ)だ」
「…NOCという事か、確証は?」
「ある。俺が殺し(ヤッ)てこいと言ってんだ。貴様の脳天ぶち抜かれたくなかったらとっととスコッチを殺し(ヤッ)てこい!」
「…承知した」
話は済んだと象牙色の髪の男は髪とコートを翻し、黒いポルシェ356Aの助手席へ乗り込む
闇に紛れていた黒いポルシェ356Aの運転席にはサングラスを掛け濡羽色の服と中折れ帽で身を包んだ体躯の良い男がステアリングを握っており、象牙色の髪の男が乗り込むとイグニッションキーを回しエンジンを掛けその場を離れていった
黒いポルシェ356Aの独特のエンジン音が遠ざかり、やがて聞こえなくなる
波の音と風の音だけになった闇の中、何事も無かったかのように煙草を燻らせていた漆黒の髪の男は短くなった煙草を海に放り投げ、ズボンのポケットに入っているスマホを取り出し電話を掛けた
数度言葉を交わした後、電話を切りスマホをズボンのポケットに押し込んだ漆黒の髪の男は、髪を海風に靡かせ黒のシボレーC/Kへに乗り込み闇に紛れていった
◇◆◇
その日は妙に胸騒ぎのする日だった
夢見が悪く、目覚めた直後から肌を紙やすりで撫でられているようなザラついた鈍い痛みを伴うような感覚がする
バーボンとツーマンセルの組織の仕事が終わって帰ってきたのは明け方で、家に着いた時俺の服に付いた硝煙の匂いはまだ消えていなかった
服のまま寝ると布団に硝煙の匂いが移るのだが、それをあやは特に嫌がる
「お布団は神聖な場所なの」と庁内勤務時、徹夜することもあるあやは言うに違いない
このまま寝たらあやにどやされるだろうと思いながらも疲れと睡魔、そして布団が誘う睡眠の魅惑に勝てずそのまま寝入ってしまった
あまり深くなかった眠りから目が覚める
いつもなら明け方のような眠り方をしたら泥のように昼過ぎまで寝ているのに今日は昼前に目が覚めた
寝覚めがあまり良くなく、不快感が残った身体を起こす
リビングに出てみるが人の気配はない
庁内日勤のあやは朝から規則正しく起き準備をして仕事に行ったのだろう、食卓には俺の分のサンドイッチがラップで包んで置かれていた
そのラップを剥がし、あやがいたら行儀悪いと怒られるだろう、顔も洗わず歯も磨かず立ったままサンドイッチを一切れ頬張る
いつもなら美味しいと感じるあやお手製のサンドイッチなのに何故か今はスポンジを噛みしめているように感じる
サンドイッチを掴んだ手から硝煙の匂いがツンとしたのでそのせいかと思い、シャワーを浴びることにした
シャワーを済ませて時計を見ると昼に差し掛かる時間で外を見ると青い空がどこまでも広がっていた
ベランダサンダルを履いて下を見下ろすと子ども連れのお母さんが2組、世間話をしているようで時折楽しそうな高い笑い声が聞こえる
今晩はライとツーマンセルの仕事だなと思いながら頬杖を付いて平和な外の様子をぼんやり眺めた
米花町から程近くにある港の古い倉庫街の一角に黒いポルシェ356Aと黒のシボレーC/Kが停まっていた
そこにある街灯に灯りはともっておらず、周辺にある街灯の光が仄かに届いてはいたが顔が判別できる程の明るさは無い
闇に溶け込むかのように濡羽色の服に身を包んだロングヘアの男が2人、海風に髪を靡かせそこにいた
1人は濡羽色の服に身を包み象牙色の髪で刃物のように鋭い目をもう1人に向けている
1人は濡羽色の服に身を包み漆黒の髪に同色のニット帽を被りもう1人の視線を気にすること無く飄々と煙草を燻らしている
「ライ、スコッチを殺し(ヤッ)てこい」
「スコッチを?何故?」
波の音を打ち消すかのように象牙色の髪の男が言葉を発すると漆黒の髪の男が疑問を返す
チィと舌打ちをした象牙色の髪の男が忌々しそうな声で答えた
「スコッチ、ヤツは公安の狗(イヌ)だ」
「…NOCという事か、確証は?」
「ある。俺が殺し(ヤッ)てこいと言ってんだ。貴様の脳天ぶち抜かれたくなかったらとっととスコッチを殺し(ヤッ)てこい!」
「…承知した」
話は済んだと象牙色の髪の男は髪とコートを翻し、黒いポルシェ356Aの助手席へ乗り込む
闇に紛れていた黒いポルシェ356Aの運転席にはサングラスを掛け濡羽色の服と中折れ帽で身を包んだ体躯の良い男がステアリングを握っており、象牙色の髪の男が乗り込むとイグニッションキーを回しエンジンを掛けその場を離れていった
黒いポルシェ356Aの独特のエンジン音が遠ざかり、やがて聞こえなくなる
波の音と風の音だけになった闇の中、何事も無かったかのように煙草を燻らせていた漆黒の髪の男は短くなった煙草を海に放り投げ、ズボンのポケットに入っているスマホを取り出し電話を掛けた
数度言葉を交わした後、電話を切りスマホをズボンのポケットに押し込んだ漆黒の髪の男は、髪を海風に靡かせ黒のシボレーC/Kへに乗り込み闇に紛れていった
◇◆◇
その日は妙に胸騒ぎのする日だった
夢見が悪く、目覚めた直後から肌を紙やすりで撫でられているようなザラついた鈍い痛みを伴うような感覚がする
バーボンとツーマンセルの組織の仕事が終わって帰ってきたのは明け方で、家に着いた時俺の服に付いた硝煙の匂いはまだ消えていなかった
服のまま寝ると布団に硝煙の匂いが移るのだが、それをあやは特に嫌がる
「お布団は神聖な場所なの」と庁内勤務時、徹夜することもあるあやは言うに違いない
このまま寝たらあやにどやされるだろうと思いながらも疲れと睡魔、そして布団が誘う睡眠の魅惑に勝てずそのまま寝入ってしまった
あまり深くなかった眠りから目が覚める
いつもなら明け方のような眠り方をしたら泥のように昼過ぎまで寝ているのに今日は昼前に目が覚めた
寝覚めがあまり良くなく、不快感が残った身体を起こす
リビングに出てみるが人の気配はない
庁内日勤のあやは朝から規則正しく起き準備をして仕事に行ったのだろう、食卓には俺の分のサンドイッチがラップで包んで置かれていた
そのラップを剥がし、あやがいたら行儀悪いと怒られるだろう、顔も洗わず歯も磨かず立ったままサンドイッチを一切れ頬張る
いつもなら美味しいと感じるあやお手製のサンドイッチなのに何故か今はスポンジを噛みしめているように感じる
サンドイッチを掴んだ手から硝煙の匂いがツンとしたのでそのせいかと思い、シャワーを浴びることにした
シャワーを済ませて時計を見ると昼に差し掛かる時間で外を見ると青い空がどこまでも広がっていた
ベランダサンダルを履いて下を見下ろすと子ども連れのお母さんが2組、世間話をしているようで時折楽しそうな高い笑い声が聞こえる
今晩はライとツーマンセルの仕事だなと思いながら頬杖を付いて平和な外の様子をぼんやり眺めた