【DC】Con te
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少し車を動かしブティックのすぐ側にあるビルの地下駐車場へ車を入れたれーくんはカメラの位置を確認しながらカメラの死角になるところに停車した
れーくんが内ポケットから記憶媒体を3つ取り出して私に渡す
受け取ってクラッチバッグに2つ入れて一番小さい1つは胸の谷間にある下着の間に挟めた
記憶媒体が3つなのには理由がある
1つはデータ保存のため、1つはバレた時にダミーとして渡すため、もう1つは破損などのトラブルで保存できない場合の保険のため
どれをどの目的とは定められておらず、3つとも同一のものなので所持した潜入捜査員が適宜対応する
普通ならば1つの利用で済むはずだが想定外のトラブルを考えると最低でも3つの所持が必要なのだ
れーくんはダッシュボードからショルダーホルスターに納められたH&K P7を取り出し、ジャケットを脱いでショルダーホルスターを慣れた様子で装着しながらダッシュボードに私のも入ってると教えてくれる
ダッシュボードの中を覗くとアンクルホルスターに納められたM360J SAKURAが入っていた
M360J SAKURAは私の愛銃で「さくらちゃん」と愛称を付けて呼んでいる
銃の携行を許可されたということは発砲もあり得る危険な現場ということである
ドレスの裾をまくり上げアンクルホルスターを左ふくらはぎに装着し、さくらちゃんに装填されている弾を確認してホルスターに納める
さくらちゃんはれーくんの銃より装填数が少ないので今回予備弾倉の所持を許可されたのだろう、スピードローダーの確認をしてケースに戻しふくらはぎ側に取り付けると左足にずしっと重みを感じた
普通の人なら右利きの人が多いので利き手側の右足に装着するけど私は左利きなので必然的に左足に装着することになるのだ
「あや、あとこれ」
そう言ってれーくんの手の上にあったのは1円玉ほどの大きさの盗聴器
薄く小さく軽いので両面テープで貼れて潜入捜査時や盗聴器を取り付けたい人物がいる時に公安の人間がよく使うタイプモノだ
「盗聴器?」
「あぁ、外に風見たちを待機させてるから。僕と会場内で離れ離れになったとしても風見たちにはあやに何かがあったら伝わるから。もちろん僕も付けてる」
そう言ってれーくんはジャケットの襟部分をめくって盗聴器を見せてくれた
手渡された盗聴器の取り付け場所を探すけど着てるドレスにはポケットが無いし胸元には記憶媒体を入れてるし、クラッチバッグに入れたら音が拾えず盗聴器の意味がない
色々考えた末アンクルホルスターに取り付けた
小声で話されたら聞こえないだろうけど足でモールス信号を刻むことで状況を伝えることも可能だろう
装着が済んだのでドレスの裾を下ろし身体を起こすと先に装着が済んでいたれーくんが車を発進させようとギアに手を伸ばしたところで
「あっ」
と声を出し、ジャケットのポケットに右手を入れて小さな細長い何かを取り出した
車内は暗く、何か分からず私が頭を傾げているとれーくんは左手の平を下に向けて私の顎の下に当てドレスで開いているデコルテに右手で持っていたものをシュッとする
「冷たっ」
デコルテへ突然の冷たい感触に思わず声が出た私を見てれーくんは妖艶に微笑む
れーくんの両手が私の元から離れるとグリーンノートの嗅ぎ慣れたれーくんの香りが立ち上って来た
エゴイストプラチナムの香りだ
「パーティのパートナーだからね、僕のだってマーキング」
ウインクをしながら右手に持っていた小さな細長い何か―アトマイザ―を小さく振り、自身のジャケットのポケットに直した
普段の私はヒロと同じプラチナムスクの香りを使っているけど、今日は潜入先ターゲットに香りを覚えられたら困るから使うなとれーくんから事前に言われていた
プラチナムスクはなかなか無い香りなので印象に残りやすいからなのかなと思っていたけど…本当はこれが目的だったのかもしれない…
れーくんの強めの香りに包まれてるせいでそのことを聞きたいと思っているのに声にはならなかった
自分から香るそれがれーくんと同じなのが気恥ずかしい
強めだけど爽やかなトップノートの香りもパーティ会場に着く頃には落ち着いてるだろう
車内に広がるエゴイストプラチナムの香りに身を竦め、窓の外の流れる景色に目を向けた
潜入先のレセプションパーティが開催されるのはグランドホテル米花の48階、最上階のラウンジとなる
れーくんにエスコートされるままパーティ会場の受付に着くとれーくんが私の腰に回していた手を離し、内ポケットから招待状を取り出し受付の人に渡す
れーくんが受付をしてくれてる間、私は数歩後ろに下がり会場に興味津々なフリをして会場周辺にいる人を確認、事前に頭に入れていた見取り図と実際のレイアウトを頭の中で摺り合わせた
見取り図と相違部分はないようなのでそれを後ほどれーくんに伝えることにする
事前にれーくんと打ち合わせていたレイアウトの摺り合わせも済んだけど受付はまだ済んでない様子だったので48階という高さから東都を見下ろすことができるようにと床から天井までの大きなフィックス窓が立ち並んでいるスペースへ足を向けた
窓の外は色とりどりの光で溢れている
動いている黄色みや青みを帯びた光は車のヘッドライトだろう
ビル群の赤い光があちこちで絶え間なく瞬き、見ているとモールス信号で何かのメッセージを互いに送りあっているかのように見える
空を見れば満月まであと2日程かと思われる左右非対称な円で左側が少しスリムな月が浮かんでいた
ここはカップルが互いに愛を囁き、仲を深めるには絶好のスポットだと思う
思わず月に向けて手を伸ばすと目の前のフィックス窓に阻まれる
触れた窓は冷たく、人を拒んでいるかの様だった
不意にその手に健康的な肌色の大きな手が重ねられる
掌はガラスに触れているので冷たく、手の甲は手が重ねられ温かい
目の前のガラスに映るれーくんはこちらを見下ろしていた
れーくんを見上げ目が合うとゆるりと微笑んでガラスについていた私の手をガラスから離したれーくんはそのままキュッと握りしめた
先ほどの香りのせいでいつもよりれーくんが近くにいるように感じる
私の顔は赤くなっていないだろうか
「待たせたね。そろそろ上山先生がいらっしゃるそうだよ、会場へ行こう」
「うん」
手から私の腰へれーくんは自身の手を移動させ、優しく会場へ向けて促す
今日のれーくんに私はどうしたら良いか分からず戸惑うけど今は潜入捜査中なのだ、そちらに気を取られていてはいけない
れーくんと一緒のこの任務を失敗する訳にはいかないと気を引きしめポーカーフェイスを貼り付けて今までよりれーくんに身体を寄せ促されるまま歩き出した
アンクルホルスターを装着している左足が少し重い
れーくんが内ポケットから記憶媒体を3つ取り出して私に渡す
受け取ってクラッチバッグに2つ入れて一番小さい1つは胸の谷間にある下着の間に挟めた
記憶媒体が3つなのには理由がある
1つはデータ保存のため、1つはバレた時にダミーとして渡すため、もう1つは破損などのトラブルで保存できない場合の保険のため
どれをどの目的とは定められておらず、3つとも同一のものなので所持した潜入捜査員が適宜対応する
普通ならば1つの利用で済むはずだが想定外のトラブルを考えると最低でも3つの所持が必要なのだ
れーくんはダッシュボードからショルダーホルスターに納められたH&K P7を取り出し、ジャケットを脱いでショルダーホルスターを慣れた様子で装着しながらダッシュボードに私のも入ってると教えてくれる
ダッシュボードの中を覗くとアンクルホルスターに納められたM360J SAKURAが入っていた
M360J SAKURAは私の愛銃で「さくらちゃん」と愛称を付けて呼んでいる
銃の携行を許可されたということは発砲もあり得る危険な現場ということである
ドレスの裾をまくり上げアンクルホルスターを左ふくらはぎに装着し、さくらちゃんに装填されている弾を確認してホルスターに納める
さくらちゃんはれーくんの銃より装填数が少ないので今回予備弾倉の所持を許可されたのだろう、スピードローダーの確認をしてケースに戻しふくらはぎ側に取り付けると左足にずしっと重みを感じた
普通の人なら右利きの人が多いので利き手側の右足に装着するけど私は左利きなので必然的に左足に装着することになるのだ
「あや、あとこれ」
そう言ってれーくんの手の上にあったのは1円玉ほどの大きさの盗聴器
薄く小さく軽いので両面テープで貼れて潜入捜査時や盗聴器を取り付けたい人物がいる時に公安の人間がよく使うタイプモノだ
「盗聴器?」
「あぁ、外に風見たちを待機させてるから。僕と会場内で離れ離れになったとしても風見たちにはあやに何かがあったら伝わるから。もちろん僕も付けてる」
そう言ってれーくんはジャケットの襟部分をめくって盗聴器を見せてくれた
手渡された盗聴器の取り付け場所を探すけど着てるドレスにはポケットが無いし胸元には記憶媒体を入れてるし、クラッチバッグに入れたら音が拾えず盗聴器の意味がない
色々考えた末アンクルホルスターに取り付けた
小声で話されたら聞こえないだろうけど足でモールス信号を刻むことで状況を伝えることも可能だろう
装着が済んだのでドレスの裾を下ろし身体を起こすと先に装着が済んでいたれーくんが車を発進させようとギアに手を伸ばしたところで
「あっ」
と声を出し、ジャケットのポケットに右手を入れて小さな細長い何かを取り出した
車内は暗く、何か分からず私が頭を傾げているとれーくんは左手の平を下に向けて私の顎の下に当てドレスで開いているデコルテに右手で持っていたものをシュッとする
「冷たっ」
デコルテへ突然の冷たい感触に思わず声が出た私を見てれーくんは妖艶に微笑む
れーくんの両手が私の元から離れるとグリーンノートの嗅ぎ慣れたれーくんの香りが立ち上って来た
エゴイストプラチナムの香りだ
「パーティのパートナーだからね、僕のだってマーキング」
ウインクをしながら右手に持っていた小さな細長い何か―アトマイザ―を小さく振り、自身のジャケットのポケットに直した
普段の私はヒロと同じプラチナムスクの香りを使っているけど、今日は潜入先ターゲットに香りを覚えられたら困るから使うなとれーくんから事前に言われていた
プラチナムスクはなかなか無い香りなので印象に残りやすいからなのかなと思っていたけど…本当はこれが目的だったのかもしれない…
れーくんの強めの香りに包まれてるせいでそのことを聞きたいと思っているのに声にはならなかった
自分から香るそれがれーくんと同じなのが気恥ずかしい
強めだけど爽やかなトップノートの香りもパーティ会場に着く頃には落ち着いてるだろう
車内に広がるエゴイストプラチナムの香りに身を竦め、窓の外の流れる景色に目を向けた
潜入先のレセプションパーティが開催されるのはグランドホテル米花の48階、最上階のラウンジとなる
れーくんにエスコートされるままパーティ会場の受付に着くとれーくんが私の腰に回していた手を離し、内ポケットから招待状を取り出し受付の人に渡す
れーくんが受付をしてくれてる間、私は数歩後ろに下がり会場に興味津々なフリをして会場周辺にいる人を確認、事前に頭に入れていた見取り図と実際のレイアウトを頭の中で摺り合わせた
見取り図と相違部分はないようなのでそれを後ほどれーくんに伝えることにする
事前にれーくんと打ち合わせていたレイアウトの摺り合わせも済んだけど受付はまだ済んでない様子だったので48階という高さから東都を見下ろすことができるようにと床から天井までの大きなフィックス窓が立ち並んでいるスペースへ足を向けた
窓の外は色とりどりの光で溢れている
動いている黄色みや青みを帯びた光は車のヘッドライトだろう
ビル群の赤い光があちこちで絶え間なく瞬き、見ているとモールス信号で何かのメッセージを互いに送りあっているかのように見える
空を見れば満月まであと2日程かと思われる左右非対称な円で左側が少しスリムな月が浮かんでいた
ここはカップルが互いに愛を囁き、仲を深めるには絶好のスポットだと思う
思わず月に向けて手を伸ばすと目の前のフィックス窓に阻まれる
触れた窓は冷たく、人を拒んでいるかの様だった
不意にその手に健康的な肌色の大きな手が重ねられる
掌はガラスに触れているので冷たく、手の甲は手が重ねられ温かい
目の前のガラスに映るれーくんはこちらを見下ろしていた
れーくんを見上げ目が合うとゆるりと微笑んでガラスについていた私の手をガラスから離したれーくんはそのままキュッと握りしめた
先ほどの香りのせいでいつもよりれーくんが近くにいるように感じる
私の顔は赤くなっていないだろうか
「待たせたね。そろそろ上山先生がいらっしゃるそうだよ、会場へ行こう」
「うん」
手から私の腰へれーくんは自身の手を移動させ、優しく会場へ向けて促す
今日のれーくんに私はどうしたら良いか分からず戸惑うけど今は潜入捜査中なのだ、そちらに気を取られていてはいけない
れーくんと一緒のこの任務を失敗する訳にはいかないと気を引きしめポーカーフェイスを貼り付けて今までよりれーくんに身体を寄せ促されるまま歩き出した
アンクルホルスターを装着している左足が少し重い