【DC】Con te
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
◇◆◇
スマホがSOSのリズムで振動する
この振動リズムは以前あやと互いを守る為に設定した位置通知機能のモノだ
あやに何かあった…!
ドクリと心臓が跳ねる
バーボンとコードネームを与えられたゼロと潜入している組織の仕事が終わり帰宅の途につくところだった俺は慌てて胸ポケットに入っているスマホを取り出し画面を表示させた
画面には地図が表示されており赤い丸であやの現在地が表示されている
俺の少し前を歩いていたゼロが立ち止まった俺のただならぬ様子に気づき大股で戻ってきてスマホを持ってる俺の腕ごと無理矢理自分の方へ引き寄せ画面を確認した
「ヒロ、これは?」
「あやに…何かがあった」
「!! 行くぞ!」
言葉少なだが意思疎通を交わした俺たちは近くに停めてあるゼロの車に向かって走り出した
シートベルトをするのもそこそこにゼロが勢いよく車を発進させる
あやの緊急時である為かなり荒い運転だ
一気に加速するGでシートにグイッと身体が押しつけられる
「場所は!?」
「夜土町(やどちょう)4丁目」
「チィッ!分かった」
住所を言うと逆方向に向かってると気がついたゼロが舌打ちと共にサイドブレーキを思い切り引き上げ劈くようなスキール音と共に右回転でドリフトして方向転換した
シートベルトをしているが遠心力でシートベルトは身体に食い込み助手席のドアに押しつけられながらそれに耐える
ここからゼロの運転なら5分と掛からず着くだろう
一体何があったのか分からないがあやの現在地を知らせる赤い丸が動かないことを確認しながら赤い丸がグレーにならないことを願う
位置通知機能の赤い丸は心臓が鼓動していたら赤色で表示され、止まったならグレーで表示される
今は赤色なのであやの心臓は動いている=生きているということになる
今日のあやは潜入先の夜の仕事だった
月初なので先月の成績発表があると聞いている
その成績次第であやの潜入の目的が果たされるかどうか…だったはずだ
そんなことを考えながらスマホの画面に表示されているあやの位置を知らせる赤色から目を離さず、ゼロをナビゲートする
「!」
ゼロの声にならない声と同時に劈くようなスキール音がして慣性の法則で思い切り身体が前に振られる
シートベルトが身体に食い込んで苦しく、車が止まったことにより身体の自由が利くようになり慌ててシートベルトを外して車外へ飛び出すと俺より先にゼロは小道で倒れている人に駆け寄っていた
少し遅れてタイヤの焦げる臭いがする中、俺も慌てて後を追う
イヤな予感で肌がザワつく
ゼロが抱え起こした人は思っていたとおりあやで、靴を履いておらずストッキングは破れてボロボロ、足は膝から下は傷だらけであちこちから血が出ている
ゼロはあやの頸動脈に手を当てて脈を確認した後に頬を撫でて反応を見るがそれらにあやは反応しない
今まで見たことが無いその様子のあやに肝が冷えた
あやを囲うようにゼロの正面に屈み、あやの様子を伺うと顔は仕事の関係で濃いめの化粧施しているにも関わらず真っ赤であることが分かる程で身体はガクガクと震えており呼吸は荒く、クラッチバッグを強く抱きしめていた
「あや…あや?」
「あや」
ゼロや俺が声を掛けてもやはりあやは反応しないが、あやは小さくうわごとのように聞き取れるか聞き取れないかくらいの声を発していてあやの口元に耳を寄せないと聞き取れない
ゼロがあやの口元に耳寄せ言葉を聞き取ったのかほんの一瞬眉を寄せ鋭い視線で俺を見る
「ヒロ、このままあやを家に連れて行く」
「あ…あぁ」
ゼロが軽々とあやを横抱きで抱き上げるとあやの手からするりとクラッチバッグが抜け落ちた
俺が拾い上げるとバッグの隙間からコロンとピンクの丸いものが転がる
「?」
あやのクラッチバッグを開け、中に入ってるハンカチを取り出しピンクの丸いものを拾い上げ全てを察した
あやを抱き上げたゼロも訝しげに俺がハンカチで拾い上げたものを見て全てを察したようだった
ピンクのハートの刻印のある錠剤だったからだ
ゼロの車のリアシートにあやを横たえ運転席を元に戻したゼロはシートベルトをして車内の温度を上げアクセルを踏み込みつつ俺に言った
「俺はあやを家に届けたらそのままそのクスリを風見に届けて鑑識に回して貰うからヒロはあやと一緒にいてくれ」
「あぁ、分かった」
俺にそう言った後、ゼロはコンソールボックスからヘッドセットを取り出し右の耳に引っかけ風見さんに電話する
「あぁ風見か、夜遅くすまない。これから落ち合うことは出来るか?……分かった、日比谷公園で落ち合おう」
言葉少なに電話を終わらし、今度は俺に話を始めた
「これからあやが何をしても必ず全力で止めてくれ。絶対に目を離すな。
帰ってすぐは吐くまで水を飲ませてくれ。もし吐かなかったら指突っ込んで吐かせてくれ。胃が空っぽになるまでとにかく吐かせて欲しい。その後水分は十分に取ってくれ。
多分2日は大変だと思うしあやには今回のことは記憶に残ってない可能性が高い。
俺もメドがついたら家に行く。それまで…頼む…」
ほぼノンブレスで一気に話したゼロは最後歯切れ悪く言葉を締めくくる
俺は黙って頷き後ろのあやに目を向けた
苦しそうに呼吸しているがあやはふんわりしたオータムニットのワンピースを着ているのでこれ以上服を緩めてやることも出来ずにいる
呼吸の合間に相変わらずうわごとのようにぶつぶつ何かを発しているがエンジン音とロードノイズにかき消され聞こえない
車内なので分かりにくいが未だガクガク震えているあやへ俺は着ていた上着を脱いで掛けてやる
あやのお腹の上にあった腕には脈拍常時測定機能のついたブレスレットがあり、あやの危機を知らせてくれたことを感謝するようにそのブレスレットの上からあやの腕を撫でた
スマホがSOSのリズムで振動する
この振動リズムは以前あやと互いを守る為に設定した位置通知機能のモノだ
あやに何かあった…!
ドクリと心臓が跳ねる
バーボンとコードネームを与えられたゼロと潜入している組織の仕事が終わり帰宅の途につくところだった俺は慌てて胸ポケットに入っているスマホを取り出し画面を表示させた
画面には地図が表示されており赤い丸であやの現在地が表示されている
俺の少し前を歩いていたゼロが立ち止まった俺のただならぬ様子に気づき大股で戻ってきてスマホを持ってる俺の腕ごと無理矢理自分の方へ引き寄せ画面を確認した
「ヒロ、これは?」
「あやに…何かがあった」
「!! 行くぞ!」
言葉少なだが意思疎通を交わした俺たちは近くに停めてあるゼロの車に向かって走り出した
シートベルトをするのもそこそこにゼロが勢いよく車を発進させる
あやの緊急時である為かなり荒い運転だ
一気に加速するGでシートにグイッと身体が押しつけられる
「場所は!?」
「夜土町(やどちょう)4丁目」
「チィッ!分かった」
住所を言うと逆方向に向かってると気がついたゼロが舌打ちと共にサイドブレーキを思い切り引き上げ劈くようなスキール音と共に右回転でドリフトして方向転換した
シートベルトをしているが遠心力でシートベルトは身体に食い込み助手席のドアに押しつけられながらそれに耐える
ここからゼロの運転なら5分と掛からず着くだろう
一体何があったのか分からないがあやの現在地を知らせる赤い丸が動かないことを確認しながら赤い丸がグレーにならないことを願う
位置通知機能の赤い丸は心臓が鼓動していたら赤色で表示され、止まったならグレーで表示される
今は赤色なのであやの心臓は動いている=生きているということになる
今日のあやは潜入先の夜の仕事だった
月初なので先月の成績発表があると聞いている
その成績次第であやの潜入の目的が果たされるかどうか…だったはずだ
そんなことを考えながらスマホの画面に表示されているあやの位置を知らせる赤色から目を離さず、ゼロをナビゲートする
「!」
ゼロの声にならない声と同時に劈くようなスキール音がして慣性の法則で思い切り身体が前に振られる
シートベルトが身体に食い込んで苦しく、車が止まったことにより身体の自由が利くようになり慌ててシートベルトを外して車外へ飛び出すと俺より先にゼロは小道で倒れている人に駆け寄っていた
少し遅れてタイヤの焦げる臭いがする中、俺も慌てて後を追う
イヤな予感で肌がザワつく
ゼロが抱え起こした人は思っていたとおりあやで、靴を履いておらずストッキングは破れてボロボロ、足は膝から下は傷だらけであちこちから血が出ている
ゼロはあやの頸動脈に手を当てて脈を確認した後に頬を撫でて反応を見るがそれらにあやは反応しない
今まで見たことが無いその様子のあやに肝が冷えた
あやを囲うようにゼロの正面に屈み、あやの様子を伺うと顔は仕事の関係で濃いめの化粧施しているにも関わらず真っ赤であることが分かる程で身体はガクガクと震えており呼吸は荒く、クラッチバッグを強く抱きしめていた
「あや…あや?」
「あや」
ゼロや俺が声を掛けてもやはりあやは反応しないが、あやは小さくうわごとのように聞き取れるか聞き取れないかくらいの声を発していてあやの口元に耳を寄せないと聞き取れない
ゼロがあやの口元に耳寄せ言葉を聞き取ったのかほんの一瞬眉を寄せ鋭い視線で俺を見る
「ヒロ、このままあやを家に連れて行く」
「あ…あぁ」
ゼロが軽々とあやを横抱きで抱き上げるとあやの手からするりとクラッチバッグが抜け落ちた
俺が拾い上げるとバッグの隙間からコロンとピンクの丸いものが転がる
「?」
あやのクラッチバッグを開け、中に入ってるハンカチを取り出しピンクの丸いものを拾い上げ全てを察した
あやを抱き上げたゼロも訝しげに俺がハンカチで拾い上げたものを見て全てを察したようだった
ピンクのハートの刻印のある錠剤だったからだ
ゼロの車のリアシートにあやを横たえ運転席を元に戻したゼロはシートベルトをして車内の温度を上げアクセルを踏み込みつつ俺に言った
「俺はあやを家に届けたらそのままそのクスリを風見に届けて鑑識に回して貰うからヒロはあやと一緒にいてくれ」
「あぁ、分かった」
俺にそう言った後、ゼロはコンソールボックスからヘッドセットを取り出し右の耳に引っかけ風見さんに電話する
「あぁ風見か、夜遅くすまない。これから落ち合うことは出来るか?……分かった、日比谷公園で落ち合おう」
言葉少なに電話を終わらし、今度は俺に話を始めた
「これからあやが何をしても必ず全力で止めてくれ。絶対に目を離すな。
帰ってすぐは吐くまで水を飲ませてくれ。もし吐かなかったら指突っ込んで吐かせてくれ。胃が空っぽになるまでとにかく吐かせて欲しい。その後水分は十分に取ってくれ。
多分2日は大変だと思うしあやには今回のことは記憶に残ってない可能性が高い。
俺もメドがついたら家に行く。それまで…頼む…」
ほぼノンブレスで一気に話したゼロは最後歯切れ悪く言葉を締めくくる
俺は黙って頷き後ろのあやに目を向けた
苦しそうに呼吸しているがあやはふんわりしたオータムニットのワンピースを着ているのでこれ以上服を緩めてやることも出来ずにいる
呼吸の合間に相変わらずうわごとのようにぶつぶつ何かを発しているがエンジン音とロードノイズにかき消され聞こえない
車内なので分かりにくいが未だガクガク震えているあやへ俺は着ていた上着を脱いで掛けてやる
あやのお腹の上にあった腕には脈拍常時測定機能のついたブレスレットがあり、あやの危機を知らせてくれたことを感謝するようにそのブレスレットの上からあやの腕を撫でた