記憶の彼方のカケラ
理不尽にも、唐突に始まりは訪れた。
彼はいつにもましてうだつの上がらない時間の中、気まぐれに真夜中、外をうろついていた。
遠くで何か、聞き覚えの無い間延びしたような音が聞こえたと思った刹那、彼の視界は、強い白に包まれた。
閃光だ、目の前を白を通り越したあまりに強い光が包み、眩暈など目ではないくらいに強い感覚が彼の全身を支配する。
恐ろしい感覚を揺りかごに、意識は彼方異界へと舞い降りていった。
見覚えのあるそら、見覚えのない草原、彼は自分がどこにいることは愚か、これが夢か現かですら定かでなく、遠目に見える岩壁の連なる場所へ立つ人の元へ行くしかなかった。
彼にとってその人、彼女はどの文化的衣装にも似つかない服を着た、極めて異質な存在に思えたが、以外にも彼女は聞き覚えのある言語で彼に話しかけた。
「ようこそ、異邦よ。
運命に縛られた哀れな者よ。
この場所こそお前が最後に至る場所。
私はずっと知っていた。
遠くを見通したがゆえに、近くを寄り感じた故に」
彼は彼女が何を言っているのか分からなかった。
同じ言語のはずなのに、話していることを理解することが出来ずにいた。
夢うつつの彼を見て、彼女は言った。
「扉を開けて、愚か者の勇者。
お前はこの草原から旅立ち、七つの扉をあけなさい。
この世界の、最も根幹的な場所にある、七つの扉を開けるのです。
七つの扉を開け、全ての命を滅ぼし、この世界を抹消なさい。
そして最後に、お前の命を新たな星の核になさい。
それこそお前の運命なれば、それこそお前の宿命なれば」
やはり彼は彼女が何を言っているのか、どうしても理解することが出来なかった。
疑問は絶えず、頭の内から外へ飛び出し、彼女に石つぶてを投げるように飛び出した。
彼の疑問に彼女は答えた。
「あまりに長く生きた世界は、時折生まれ変わるために動く。
お前は新たな星の命、そうあるべきと定められた存在、ただそれだけの存在。
長く生きすぎたこの世界が、再び赤子になることを望んでいる。
お前は星を殺し、星に取り込まれ、そして新たな星なる存在。
お前はその為だけに生まれ、育ち、この地へと降り立った。
運命に従ったがために」
彼は納得いかなかった。
まるで自分が機械の部品か何かのように扱われたことでも、自分が道具であるとまざまざと見せつけられたことでもなく、故郷に帰ることが出来ないことに、何より納得いかなかった。
急に押し付けられたように思える運命は、彼から絶対の安寧を奪ったので、彼は納得いかなかった。
憤る彼を見て、彼女は凪いだ水面のように告げた。
「全てのものはあるべき場所へと帰り、決して戻らない。
あらゆる迷い道は迷いですらなく、全ての道は終点へと終息する。
人に運命を変える力はなく、神は運命に従うのみ。
お前にはもう、愛おしきわが家への道は無い」
彼は膝をついて絶望した。
これは夢ではないのだ、夢のような現実なのだ。
夢は所詮夢でしかなく、戦士でもない彼は運命の名のもとに、苦悩の日々を迫られている心地がしてならなかった。
遠くで羊飼いの拭いた笛が木霊した。
異界の笛が、怖がりな勇者の来訪を人知れず歓迎した。
以下、文章になれなかった設定達
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彼
実は何度も転生を繰り返し、その度に苦悩の旅を続け星になっている。
あの星
彼の故郷の星。
この星
始まりの彼の故郷の星。
彼女
超位の貴方と呼ばれる存在の端末。
高級な端末なので、自分でいろいろできちゃう。
下級な端末はあらかじめ搭載されたプログラムを実行するだけの存在。
星ごとに必ず一ついる。
超位の貴方
宇宙が始まるときに一緒に生まれる。
始めは若く気力に満ち、活発な存在だが、星が増え宇宙が増長すると比例し無気力になり、宇宙が安定すると惰眠を貪るだけの存在になる。
七つの扉
到達するために何度も死ぬような場所にある謎の扉。
その正体はただ幻影であり、開けたところで何も起こらない。
無意味なことを強制されることほどつらいことは無いのでこのシステムが採用された。
言ってしまえばこの扉を開けて回る行為は、賽の河原の石積みと何ら変わりない。
始まりの彼
彼が何度も責め苦を受け続けるようになった元凶。
ざっくりいうと、ヤバイ兵器で星そのものが滅びかねない状況を作った。
最終的には一部地域でその兵器が使用されたことにより投獄される。
一部地域での使用により、全体の生命凡そ7割が失われた。
魂と自我の転生
両者は別の存在であり、肉体という器に根付くのが魂、魂に根付くのが自我。
死者の魂は転生を行う時自然と根付いた自我が外れ、消失していくため、誰も転生前の記憶を持っていない。
誰でもできる!罰の与え方!
ステップ1
まず最初に、適当な転生したがる星(星1)を捕まえて、罪人をその星に拉致しよう!
元の星(星2)はまだ使うのでとっておこう!
ステップ2
適当な言い訳で罪人にきっつい旅をさせよう!
ステップ3
旅を終わらせた罪人を言いくるめて星1にするふりをして殺そう!
この時、星1から魂を取り上げるのを忘れずに!
ステップ4
星が最盛期を迎えたら適当にとっておいた罪人の魂を放り込もう!
この時、罪人が適正期になるときに星2が転生したがる時期になるよう上手く調整しよう!
ステップ5
罪人が適正期になったら、星2に拉致して旅をさせよう!
後はステップ2に戻り、同じ手順を繰り返すだけ!
皆もこれを参考に、罪人に罰を与えてみよう!
