ルクイーサ神話
ユユミウは退屈だった。
エーバーは南か北に籠もりきりだし、ビヴルーグムはそんなエーバーの尻を追いかけている。
ルフルエナは何か知らんが地中に引きこもって寝てばっかだし、ギルレガーはギルレガーで海底に籠もっている。
オルゾナとエザウは、自分勝手に大気圏を飛び回るし、ツハパとジシデイカは自分達の世界に浸っている。
そんなこんなでユユミウは退屈だった。
退屈だったので、目の前で指を振るという遊びを繰り返していた。
指を振るうちに、ユユミウはあと一つ、命を生み出す力を持っていたことを思い出した。
そこでユユミウは、自分の遊び相手を作った。
小さくて、増えやすくて、ユユミウがその気になればいつでも殺せる存在を作った。
ユユミウは命が1つだけでは増えないと思って、せめてこれの番だけでも用意させてくれと願った。
すると、たちまち作った命がふるえて分かたれ、新たな命が生まれた。
2つは幾つも子供を作り、2人の子供もめいめいに幾つも子供を作り、あっという間に星のあらゆる場所に広がった。こうして人間は生まれたのだ。
