ルクイーサ神話
オルゾナは自由の子だ。
生まれ落ちたその時から、天空を駆けることに喜びの歌を歌い、その巨体を物ともせずに空を舞った。
ある時、オルゾナが激しく空を舞っていると、急に、オルゾナ目掛けて数多の腕が掴みかかった。
それは、万能ミアの命の波動を受けて誕生した、妖星達のはぐれ星、流れ星ノウタだった。
ノウタは空を舞うオルゾナに恋をして、自らの番にしようとした。
そのノウタの行為にオルゾナは怒り狂った。
怒り狂って、ノウタをその大きな口で飲み込んでしまった。
ノウタを飲み込んだオルゾナは、その内一つの卵を産んだ。
その卵を、忌々しいノウタの生まれ変わりだと直感したオルゾナは、考えに考えた末、空に漂う卵を守るために、星に、大気の幕を張った。
そして、大気の幕に守られて、長い時間浮遊し続けた卵から、天気のエザウが生まれた。
エザウは母オルゾナの様に空を飛び、星の隅々にあらゆる変化をもたらした。
こうして、星に天気が出来たのだ。
そして、エザウがもたらしたものから、あらゆる川と池と湖、そして沼が生まれた。
大地にある川、池、湖、沼は、天気の子供らなのだ。
そして、エザウは海の水を、海の命と一緒に巻き上げて、あらゆる大地の水辺に落とした。
だから、世界中の、川、池、湖、沼には、海と同じ様に命が暮らしているのだ。
