記憶の彼方のカケラ


 昔々、世界が一つの王国で出来ていたころ、二人の精霊が力を合わせて国を治めていました。

 一人は魔法の力で大地に命を芽吹かせ、一人は魔法の力で太陽と月を操り昼と夜を齎しました。

 しかしある時、太陽と月の精霊は悲しくなってしまいました。

 もう一人の精霊が命を産み出す凄い精霊だとちやほやされるのに、自分はただ昼と夜を繰り返すだけの、全く愛されていない精霊だと感じてしまうようになったからです。

 やがて怒りに身を任せた太陽と月の精霊は、昼も夜も無茶苦茶に支配して、国に大きな混乱をもたらしました。

 そこで、命の精霊は自分の持てる力全てを使って太陽と月の精霊を封印し、遥か彼方、海の向こうの孤島へと追いやったのです。

 しかし、力を使い果たしてしまった命の精霊は、自分がやがて復活するためには長い長い時間が必要になることを分かっていました。

 国の行く先を憂い、最後に自分の魂と太陽と月の精霊の魂を3つずつの宝玉に分けました。

 そうして生まれた6つの宝玉は世界に散り散りになり、その宝玉に宿った力が今も大地に命を芽吹かせ、昼と夜を巡らせているのです。


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