狂犬と堕天使
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「旭ちゃん、どーゆうことや?」
マジマゴロウの開口一番は質問だった。
「俺の退院日に旭ちゃんおらんて」
まさか風邪か?と、コツンとマジマゴロウのおでこと私のおでこをくっつけられてしまった。
「ち、違います!…その……退職する、事になって、急に…」
「退職?!俺、聞いてないで??!」
「…マジマさんの、退院する前日の…マジマ、さん、と…センセ、イの…おは、お話を…」
言葉につまってしまい、なかなか上手に説明出来ない。涙が溢れかえって視界がグチャグチャで呼吸も上手に出来ない状態になってしまい。しゃくりあげながら次の言葉を出そうとしたら、ふんわりと暖かいモノに包まれていた。
「中入ってええか?座って、落ち着いてから話そうか?」
マジマゴロウの言葉が上から降って来た。
言葉が出ないので、頷くしか出来なくて。コクリコクリと、首を動かして。マジマゴロウに支えられながらソファーへ誘導された。
────────
私が落ち着くまで、マジマゴロウは待っててくれた。背中をずっとさすってくれていて、落ち着いた頃にキッチンへ行きお水をコップに入れて持って来てくれた。マジマゴロウからコップを受け取り、水分補給をして大きく深呼吸をした。
「落ち着いたか?」
「…はい」
「で?どないした?」
マジマゴロウが優しく聞いてくれるのが意外過ぎて、戸惑ったけど。もう、私は病院職員ではないからありのままをお話した。
「理由は分からんのか?」
「教えては頂けませんでした」
「じゃあ、旭ちゃん今は看護婦さんじゃないか?」
「まあ、そうなりますね」
「俺、怪我したらココに来たらええの?」
「…はい?」
「旭ちゃんは、俺の専属看護婦さんやろ?」
グイッと顔を近づいて言われて、泣き腫らした重たい瞼がグワっと持ち上がった。
「…救急箱しかうちには無いので、本当に簡単な処置しか今の私にはできないですよ。それに、マジマさんよく流血されてるから、きちんと病院受診した方がいいと思います」
マジマゴロウの顔が近いままだけど、そのまま思ってることを伝えた。マジマゴロウは一瞬表情を変えたけど、ニッ!と、笑顔を作ってから話し始めた。
「ほんなら、流血したら旭ちゃん連れて病院行くわ!」
「は…??!」
「簡単な処置やったらココでええんやろ?大怪我したら、旭ちゃんに着いて来てもろて旭ちゃんに治療してもらうわ!」
「え、へ?!いや…マジマさん…私」
「都東大学医学部附属病院じゃない所やったら、問題ないんやろ?」
「でも、マジマさん…私まだどこにも再就職してないですし…」
「それは心配いらんで?俺と専属契約すればええから!」
再びニィ!っと笑って、マジマゴロウは私を抱きしめて来た。
「ちょッ…!!」
「俺は旭ちゃんやないと治療受けへんからな!」
「あのッ!」
「そや、名前や!旭ちゃん!名前教えてくれや!」
「や、あの!離してくだ、さい!」
「名前教えてくれたら離したる!」
顔は見えないけど、絶対ニッ!って笑ってるに違いないと思ってバタバタと暴れるも全然離してくれなしてくれなくて、渋々ゆうひ!って言うとガバっと勢いよく離れてくれて口角を上げながら私の名前を呼んだ。
「旭ゆうひちゃんやな!これから宜しくやでー!」
またギュウ!っと、抱きしめられてしまい。離してくれるって言ったじゃないですか!と抗議するけど全然聞き入れてくれなくて、マジマゴロウが納得するまで抱きしめられていた。
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