狂犬と堕天使
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マジマゴロウの退院日の目処を担当医に確認した所、治療経過が良好すぎるから後3日入院したら退院しても良いと言われた。
骨折箇所に関しては暫く外来通院は必要だけど、普通の人より外来通院も回数は少なくて済むんじゃないかな?との事だった。
それは、僕から説明しておくから旭さんは他の業務に回ってていいよー。と、引き受けてくれて驚いていると。「僕も今月から893手当出るようになったからね!」と、担当医は笑顔でお話してくれた。
医者はこの先生含めて4人が、893手当担当者になってくれたらしく。その後も看護師やら他の職種からも893手当担当者が増えていき、ヅッカさんと歓喜のあまり抱き合って喜んでいた。
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マジマゴロウが退院する前日に、担当医からマジマゴロウへお話があり。その記録を、まとめ終えた所で院長室へ呼ばれた。なんか悪い事したのかな?してないよな…?と、自問自答しながら…恐る恐る院長室へ向かい。扉前で軽く深呼吸してから、扉をノックした。
失礼します。と、言って入ると…院長はもちろんの事、看護部長とヅッカさんもいて。なんとも言えない妙な空気を漂わせていた。
「旭くん、君には沢山助けて頂いて我々も大いに感謝している。私としても、決定事項を君へ伝えるのは本当に心苦しいと思っているんだが…理事長決定の為、許して欲しい。」
院長が続きの言葉を言うために口を動かし始めた。私は何も言葉が出ず、院長の声に耳を傾ける事しかできなくなっていた。
「本日付で、旭ゆうひくんは都東大学医学部附属病院を自主退職してもらう」
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引き継ぎうんぬんかんぬんしなくて良かったはいいものの、いきなり無職は酷すぎる…。
ロッカーの中やらの私物を片付けている所にヅッカさんがやってきた。止めたけど、できなかった事。けして私が悪い事があっての退職では無い事。ただ、理由は教えては貰えなかった事を説明しに来てくれた。
「私は、旭さんとまだ一緒に仕事したかったわよ…!」と、泣き崩れるヅッカさんを見て…私も一緒にワンワン泣いてしまった。ヅッカさんと新しい職場が見つかったらご飯行きましょう!と、約束をして別れた。
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日付を超えてから自宅に戻り、休む間もなく持ち帰った私物類の片づけはもちろんの事。看護部長からもらった書類類に目を通した。
「退職金振込みがあるなら、まあー暫く無職でもいいかなー。働きすぎだと思うんだそもそもが。ウンウン」と、わざわざ声に出さないと気持ちの整理ができない心情なんだなー。と、何処か冷静に分析している自分がいたが、何処かやはりパニックなのか悔しいのか説明ができないからか…涙が瞳からジワジワと沸き上がって来るのを感じた。
ピンポーン──
チャイムの音が鳴って我に帰り、目元を服の袖で押さえて涙を拭き取って玄関へと向かった。
鍵を開けて扉を開けてみると、マジマゴロウが立っていた。目を見開いて固まっていると、マジマゴロウが扉に手をかけたのが視界に入った。しまった!チェーンかけてなかった…!と、思っても遅くて、グイッと扉を全開にされ狭い玄関内にマジマゴロウが入って来てしまった。
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