好みのタイプ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
週明け─
出勤した早々に課長ではなく、部長に呼び出された。なんでも最近課長の業務がかなり滞っており、なんとか業務を一緒に終わらせてはくれないか?と、お願いだった。
「旭くんにいつも頼んでいるのが申し訳なかったらしいんだ。悪いけど、落ち着くまでに業務を平行して欲しいんだ。スケジュール管理は旭くんに一任するから」
よろしくね。と、優しい笑顔で頼まれてしまった。
部長の話を終えると、部長室へ課長が入って来て頭を下げられる。こうなったら断る事は難しいし…しばらくは、仕事に専念した方が気が紛れると思って引き受けた。
業務の滞り具合を見ると、私と課長がそれぞれ1日3時間残業すれば3ヶ月ぐらいで片付きそうだった。
スケジュールは一任されたものの。部長と課長へスケジュールについて相談をすると、課長は物凄く嫌そうな顔をしていた。部長からは、急ぎの業務だけとりあえず先に終わらせて貰えれば半年かかっても良いとお達しが出た。
部長のお達しを聞いて課長は安堵していたが。急ぎの業務は全て課長が行うように!と、釘を刺され。私はゆるい残業する日が続いていた。
この間も、真島さんから何度も連絡が来ていた。
真島吾朗:体調大丈夫か?
真島吾朗:今度こそ、韓来どや?
真島吾朗:久々にゆうひちゃんとメシ行きたいわー!
真島吾朗:あの居酒屋、新しいメニュー追加されたんや
て!今度の週末どや?
なかなか返信も返せずにいた。返しても「色々あって、残業確定してまして…ごめんなさい」と、お断りの返信ばかりになっていた。
残業してるのは事実だけど、沢山誘って貰ってて断り続けるのは本当に心が痛い。ご飯一緒に食べてくれる友達や女性なら真島さん沢山居ると思うけどな…。
そんな事を思うと、まだ胸はチクリと痛くなる。
月末の華金─
「…んー… 後、少しだけやってくかー!」
自分1人のオフィスだからか独り言も大きく出てしまう。コキコキと首を鳴らして一旦コーヒーを淹れに行く。
席に戻ると携帯のバイブが響いていた。ディスプレイには真島吾朗と表情されていて、少し迷ってから電話に出た。
「もしもし」
「ゆうひちゃん…」
真島さんの声を久々に聞いてドキリとする。仕事に専念してなかなか会えない状況だとしても、まだ真島さんへの気持ちが自分の中にある事に気付いて心底自分が嫌になった。
「すみません、全然都合がつけられなくて…」
「今日も、残業なんか?」
「はい、まだ会社です」
「みたいやなー」
「へ?」
「俺、今。ゆうひちゃんの会社前におるんやけど。電気付いてるから、ゆうひちゃんおるんかなー?と思って電話してみたんや」
「…へ?」
「少しだけでも会えへんか?」
「ぇーっと…」
「やっぱり、忙しいんか?それとも…」
俺の事嫌いになったんか?──
悲しそうな真島さんの声が脳へ直接響いて来た。
そんなわけない、嫌いになれないから困ってるのに…。
「今、降りますね」
電話を切って会社の外へ出ると、元気の無い真島さんが立っていた。