餅はいかが?
エプロンを脱いでも文句を言い続けるお嬢様を応接室へ連れて行くと、そこにはお嬢様の叔父である慶一郎様がいらっしゃいました。
「あら、叔父様じゃない! 来てくれたのね!」
「姫夏に新年の挨拶をしようと思ってね。今年もよろしく」
お嬢様と慶一郎様は挨拶の後、しばらく世間話をされていました。お嬢様の学校のこと、慶一郎様が新しく始められた事業のことなど、いかにも「親戚と会ったときの会話」という感じの会話が繰り広げられていました。
そして、話は餅のことに移ります。
「姫夏、今年もお雑煮は食べたのかい?」
「もちろん。お雑煮を食べないと新しい1年は始まらないわ」
「本当にお雑煮が好きなんだね。明日からは餅ばかり食べるんだろう?」
「そうよ。毎年『松の内の朝食はお餅にして』ってシェフに頼むんだから。……そういえば叔父様、お餅を自分でついたことはある?」
「僕はないかな。もしかして姫夏、餅つきをしたのかい?」
「そうなの。杵と臼はないからすり鉢と麺棒で代用したわ」
「それはすごいね。味はどうだった?」
「市販のものの方が美味しかったわ。道具がダメなのかしら」
お嬢様が不思議そうに首を傾げると、慶一郎様は愉快そうに笑いました。
どうして笑うの、と怒るお嬢様を手で制し、慶一郎様は私の方を見ておっしゃいました。
「真琴くん、この家の運転手と車、それと力のある者を貸してもらえるかい?」
「構いませんが……。どうされました?」
「杵と臼を運ぶんだよ。この前僕の会社のイベントで使ったから、会社の倉庫にしまってあるんだ」
「……え?」
数時間後、お嬢様と私は再び餅つきをしました。
今度はもちろん、杵と臼で。
「あら、叔父様じゃない! 来てくれたのね!」
「姫夏に新年の挨拶をしようと思ってね。今年もよろしく」
お嬢様と慶一郎様は挨拶の後、しばらく世間話をされていました。お嬢様の学校のこと、慶一郎様が新しく始められた事業のことなど、いかにも「親戚と会ったときの会話」という感じの会話が繰り広げられていました。
そして、話は餅のことに移ります。
「姫夏、今年もお雑煮は食べたのかい?」
「もちろん。お雑煮を食べないと新しい1年は始まらないわ」
「本当にお雑煮が好きなんだね。明日からは餅ばかり食べるんだろう?」
「そうよ。毎年『松の内の朝食はお餅にして』ってシェフに頼むんだから。……そういえば叔父様、お餅を自分でついたことはある?」
「僕はないかな。もしかして姫夏、餅つきをしたのかい?」
「そうなの。杵と臼はないからすり鉢と麺棒で代用したわ」
「それはすごいね。味はどうだった?」
「市販のものの方が美味しかったわ。道具がダメなのかしら」
お嬢様が不思議そうに首を傾げると、慶一郎様は愉快そうに笑いました。
どうして笑うの、と怒るお嬢様を手で制し、慶一郎様は私の方を見ておっしゃいました。
「真琴くん、この家の運転手と車、それと力のある者を貸してもらえるかい?」
「構いませんが……。どうされました?」
「杵と臼を運ぶんだよ。この前僕の会社のイベントで使ったから、会社の倉庫にしまってあるんだ」
「……え?」
数時間後、お嬢様と私は再び餅つきをしました。
今度はもちろん、杵と臼で。
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