餅はいかが?
「……あの、お嬢様」
「なあに?」
「本当にやるんですか、餅つき」
「やるわよ。ほら、すり鉢にもち米を入れてちょうだい」
お嬢様は本気でした。
シェフにもち米を炊かせ、すり鉢と麺棒を借り、家庭科の実習で作られたという派手なエプロンを身に着けて、木製の麺棒を持っていらっしゃいます。
私が「餅をつくのですり鉢と麺棒を貸してください」と頼むとシェフは怪訝そうな顔をしましたが、お嬢様の頼みだと言い添えるとすぐに貸してくださいました。もち米は茶碗1杯分の量であるにもかかわらず、わざわざ釜で炊いていました。
「お嬢様、もち米入れました。どうぞついてください」
「何を言っているの? 真琴、貴方がお米に水をつけないと始まらないわよ」
「……なんでそんなにガチなんですか?」
お餅つきといえばバンバンついてバシバシ水をつけるじゃない、とお嬢様はおっしゃいます。
擬音が馬鹿っぽいですが、要はテレビでよく見る“餅つきの達人”的な人間のやり方を真似したいということでしょう。まあ、あれは杵と臼でやるものですが。
「……わかりました、お嬢様。私が米に水をつけていきますので、貴女はその麺棒で餅をついてください。私の手は絶対叩かないでくださいね」
「わかってるわよ」
と言いつつ、お嬢様はひとつき目(?)に私の手を叩きました。人の話を聞いてください。
「ねえ真琴」
「なんでしょう」
「これはいつになったら餅になるの?」
「貴女がお持ちの麺棒でバンバンつき続けたらです」
「それは具体的に何分後?」
「わかりません。気合で頑張ってください」
「真琴、代わって」
「お断りします。餅つきは初心者なので」
てか、お前が「やりたい」って言ったんだろ。
「……馬鹿か」
「真琴?」
「すみません」
「なあに?」
「本当にやるんですか、餅つき」
「やるわよ。ほら、すり鉢にもち米を入れてちょうだい」
お嬢様は本気でした。
シェフにもち米を炊かせ、すり鉢と麺棒を借り、家庭科の実習で作られたという派手なエプロンを身に着けて、木製の麺棒を持っていらっしゃいます。
私が「餅をつくのですり鉢と麺棒を貸してください」と頼むとシェフは怪訝そうな顔をしましたが、お嬢様の頼みだと言い添えるとすぐに貸してくださいました。もち米は茶碗1杯分の量であるにもかかわらず、わざわざ釜で炊いていました。
「お嬢様、もち米入れました。どうぞついてください」
「何を言っているの? 真琴、貴方がお米に水をつけないと始まらないわよ」
「……なんでそんなにガチなんですか?」
お餅つきといえばバンバンついてバシバシ水をつけるじゃない、とお嬢様はおっしゃいます。
擬音が馬鹿っぽいですが、要はテレビでよく見る“餅つきの達人”的な人間のやり方を真似したいということでしょう。まあ、あれは杵と臼でやるものですが。
「……わかりました、お嬢様。私が米に水をつけていきますので、貴女はその麺棒で餅をついてください。私の手は絶対叩かないでくださいね」
「わかってるわよ」
と言いつつ、お嬢様はひとつき目(?)に私の手を叩きました。人の話を聞いてください。
「ねえ真琴」
「なんでしょう」
「これはいつになったら餅になるの?」
「貴女がお持ちの麺棒でバンバンつき続けたらです」
「それは具体的に何分後?」
「わかりません。気合で頑張ってください」
「真琴、代わって」
「お断りします。餅つきは初心者なので」
てか、お前が「やりたい」って言ったんだろ。
「……馬鹿か」
「真琴?」
「すみません」
