去りし秋陽、決意の道

十六夜リツ』の作家デビューは叶うが、彼の作品自体の知名度は低く、本人が体験したとされている奇妙な出来事(タイムスリップ機能付きの懐中時計(クロノルナ)、喋る人形等)の方が(主にオカルト方面で)有名になってしまった。

因みに故郷の村は律治が離れた約1年後に災害により滅ぶ。律治がそのことを知るのはもう少し先の話。





しかし、他人の名前を偽ってまで叶えるようなことだったのか?
因習村から逃げる為に生前の律彰を都合よく解釈し、利用したのではないか?
律治亡き今、真相を知る術はない。

この様子を律彰は見ているのだろうか?
もし見ているのならば、彼の行為を良くは思わないだろう。
また、村を滅ぼしたという災害は本当に自然災害だったのだろうか?或いは──
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