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僕はサンタ

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もう今年も終わりか。凍える手に息を吹きかける。街はイルミネーションで彩られておりクリスマスソングが流れている。クリスマスムードに包まれたなかようやくお目当てのお店に着いた。それは小さな小さなお店でした。ガランガラン。ドアを開けると店内に鐘が響き渡る。
「いらっしゃいませーーなにかお探しでしょうか」
「あの、あそこに置いてあるオルゴールが欲しいんですけど」
それは四角形の木のオルゴールでした。あのオルゴールの音を聞いたとき僕はこれ欲しいっと思ったのだがお値段もそこそこしたのでお金を貯めて今日自分へのクリスマスプレゼントとして買いにきた。
「お客様お目が高いですね。そのオルゴールを選ぶとは、音楽にまつわるお仕事とかしているんですか」
「そんな大袈裟な。僕はただこれが好きだから欲しいっと思っただけなんで」
「あなたうちの店通るときいつもこのオルゴールを見ていたのでつい音楽関係者かと思っていますしたよ」
えええ。僕はこの道を通るたびにショーウィンドウのなかにあるこのオルゴールを見ていたのが店主さんにバレてたなんて。恥ずかしくなってしまい下を向いてしまった。
「ごめんなさい」
「いいのよ。ずっとあなたに買って貰うことを楽しみにしてたのだから」
「ママ!!!!」

レジの奧の方から小さな女の子がやってきた。
「この子は店主さんの娘さんですか?」
「ええ。そうよ」
「ママーーお歌歌ってーー」
「ごめんね 。ママ忙しいからちょっと待ってね」
「あのーーどうしたんですか」
「この子ハンドベルでジングルベルを演奏出来るようになってそれでどうやら私に歌って歌ってて今日ずっとお願いしているんです。うちの娘がうるさくてごめんなさいね」
女の子は拗ねてしまい号泣した。どうしようどうしようとあたふたしている店主さん。僕は一か八かでその女の子に一つお願いをした。
「ねぇ。ママは忙しいから僕が歌ってあげるよ」
そしたら女の子の顔はケロっと泣き止みキャッキャッと元気になり頷いてくれた。
「ごめんなさい。お客さんなのに娘の面倒を見てもらって」
「大丈夫ですよ」
僕は店主にっこり笑った。そして僕は女の子の元へ行き屈んだ。

「お姉ちゃんの名前は?」
「僕の名前は久遠千歳だよ」
「ちとせお姉ちゃん!! ジングルベル一緒に歌って!!」
久しぶりだなーー。人前で歌うのはにじさんじの人たち以外あんまり歌う機会なかったからな。少しドキドキしながら私は息を吸った。そして歌った。店内にジングルベルが流れた。店主はニコニコしていた。店内の人も耳を澄ましていた。途中止まるところもあったが僕は女の子に合わせて歌った。女の子は一生懸命にハンドベルを鳴らしていた。そしてついに終わった。終わった瞬間店は拍手に包まれた。
「すごいね君の演奏。とても良かったよ」
女の子は嬉しかったのかそれとも恥ずかしかったのかレジの奧に帰ってしまった。
「うちの娘の面倒を見てくれてありがとうね。それとあなたとても美しい歌声だったわ」

店主はクリスマスプレゼントをありがとうっと言ってお礼にマフラーをくれた。そのマフラーはとても暖かく包まれてて気持ちが良かった。僕はありがとうございますっとマフラーを巻き店を出て行った。雪が降り出したがマフラーのおかげか全然寒くなかった。
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