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レインコール

「どうしてこんな時間に出歩いているの」

「あのね、私お母さんとね喧嘩して家出したの」

「家出!? それはお母さん心配しない?」

「お母さん私のこと嫌いだからいいよ」

「ダメだよ!! とりあえずつぐちゃんの家の住所言える?」

「言えるけど……お兄ちゃんが約束守ってくれるならいいよ」

「なんだい」

「住所行っても無理やり家に帰らせないって約束出来る?」

正直このままだとお母さんは心配するだろうと思いその条件に乗るしかないと思い俺は頷いた。

「西荻窪█████████████だよ」

「ねぇ君それは杉並区のことだよね」

「杉並区? どこのこと?」

え!? 西荻窪は昭和まであって今はそこは杉並区になっている。
しかも地名が変わったのも何十年前のことでありこんな小さな子でも間違えるはずもないのだ。
まさかと思い俺はもう一つ質問をする。

「つぐちゃんの誕生日は何年何月何日か詳しく教えて貰えるかな」

「誕生日は████年██月██日」

いやそれだとつぐちゃん昭和生まれじゃなっか……いやでもそうだとすればつぐちゃんおばあちゃんにはなっているのだ。
そんなわけないこれはきっとからかっているか、わからないかのどっちかだ。
そう俺は思っていた。
だが新たな証拠だ出てきた。
それはつぐちゃんはお菓子のゴミを捨てようとしたとき、そのお菓子のゴミを見せて貰った。

俺は目を疑った。

賞味期限が何十年も前に切れている。

それにそのお菓子の名前をスマホで検索するともう何十年前に無くなったお菓子だった。

しかも綺麗な状態であるためどうやらこのことは本当なのかもしれない。
俺が唖然としているとつぐちゃんがこれまで通りのテンションで話しかけてきた。

「そうだ! お兄ちゃんの家でこれから住むのはダメかな?」

俺は息を呑んだ。
いやいやいつもの俺なら普通に交番に連れて行くと思う。でも俺は迷っていた。

今にも触れたら壊れてしまいそうにかわいいらしい少女。

もし俺が俺の嫁としてこの子を預かり自分好みの子に育てられるならどれだけ幸せだろうか。

いやでもそれがバレたらロリコンや犯罪者と世間から罵倒される。

でもこの子がもしタイムスリップしてやってきたならバレないか……いやでもまさかそんな夢物語ある訳ないし連れ去ったところで戸籍とかどうするんだ。

鳩羽つぐを自分の物にしたい欲望と常識を訴える理性で頭が痛かった。

「お兄ちゃんのこと大好きだからお願い」

「え……」

電撃が体の中を走った。

少女の無垢な告白をされた。

恋愛感情の好きではないのはわかっている。それでも俺はその言葉により自分の理性は消えていった。
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