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てんごくで会いましょう



てんごくで会いましょう

ここはエデンとはまた違うとある世界。とある山奥の小屋の近くに自然のハナミズキ畑がある。

ここは街灯もないため、とても星や満月が綺麗に見えた。

そういえば久遠千歳くんの頭につけていたのもハナミズキでした。

久遠くんは今どこにいるんでしょう。

彼女は魔女の呪いにより不老不死でした。

私はあの子の不老不死の特性が気になった。

なので私は久遠くんの願いである死ぬことに協力する代わりに君の体で色々実験させて欲しいという条件でお願いしました。

そして久遠くんは私の被験者の一人になりました。

久遠くんの小屋に転送装置を置いて何回か訪れていましたがあの夏の日から小屋に帰って来ることはありませんでした。

久遠くんがいなくなってしばらく経ったある日、久遠くんの帰りを諦めて転移装置片付けていると転移装置の上に私宛の手紙がありました。

「レオス・ヴィンセントさんへ。僕は呪いが解けて不老不死じゃなくなりました。僕はにじさんじに入る前はずっと早く死にたかった。でもにっころがしやのみんなやにじさんじの人たちと話しているうちに僕は呪いが解けてもこのまま生きるのもいいなって思いました。あと少しの人生は街に出て色々なことをしたり新しい友人を作ろうと思っています。なのでこの小屋に戻ることはもう無いかもしれません。突然びっくりさせてごめんなさい。ですがもしレオスさんにまた会えるなら次は天国かな。そのときは色々なお話を聞かせてください。じゃあね。久遠千歳より」

この手紙を読んで驚いたがでもあの子が生きる希望を持ってくれた事が何より嬉しいかった。

久遠くんは呪いにより望まぬ不老不死になってしまい早く死んだ両親に会うために出会った当初はものすごく死にたがっていた。

だが嘘でも生きたいって書いてあったのがすごく嬉しいかった。

そしてその手紙と一緒に金色のネクタイピンがありました。

それは久遠くんがいなくなる前に私が欲しいと言ってたものでした。

私は今でもそれを愛用しており、たまに見て久遠くんとの思い出に浸っています。

それでネクタイピンのお礼と言ったらなんですが、いなくなってからもまた帰って来れるように私は掃除しにこちらの世界に来ている。

今は掃除をやり終わり、帰る前にハナミズキ畑が見たくて来ている。

暖かい風邪が吹く深夜。

満月の光に照らされた薄紅色のハナミズキが輝いていた。

私は夜を乗りこなし、久遠くんと一緒に歌った歌を歌いながら私は歩き回る。

「らーーらーーらーー」

まめねこ以外誰もいないハナミズキ畑で私は月光を浴びながら歌う。

するといつもなら何も聞こえないのに遠くから聴いたことのある歌声が響いてきた。

私はまさかと思い歌声のする方へ向かった。

すると山の頂上の大きなハナミズキの木の根元にあの子がいた。

「また、会えたね。レオスさん」

久遠くんはクシャッと笑っていた。

[完]
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