ハロウィンが終わった夜、鏡が消えた。
ハロウィンが終わった夜、鏡が消えた。
ハロウィンを楽しもうとしたのに仮装もお菓子も何も用意してないんですねぇ〜
それどころかハロウィン過ぎて11月1日になってしまいました。これじゃあ私のハロウィン楽しめないじゃないですか〜
なのでハロウィンを楽しむためにとモンスターが出る世界に飛び込んでハロウィンを満喫させて頂きましょう!とは言ってもVRなので現実ではありませんがこれでいいでしょう。
私はVRゴーグルを着けて電源をONにしました。
すると視界は六畳和室ではなくお城の中に!
やはりIQ1万垓のレオス・ヴィンセントにかかればこんな臨場感のあるVRが作れるちゃうんですね〜
本当にお城の中にいるみたいで私自身すごく驚きました。
まあとりあえずは色々なモンスターにイタズラを仕掛けちゃいましょう!
「さあお菓子をよこしなさい!さもなければイタズラしちゃいますよ〜」
フード付きマントの方に声をかけてみたのですが無視されました。
もーー現実でもしされたら実験の被験体にするぞ!
まあプログラムなので許しますがこれはとってもムカつきますねぇ〜
反応が返って来ないので諦めて別の人に声をかけようとしたらクルッとこっちを向いてフードをバサッと外したのです。
「レオスくんにはお菓子は上げたくないな」
「オ、オリバーくん!?」
いやいやリアルを追求していましたがまさかオリバー・エバンスくんが出てくるなんて思いもよりませんでした。
でもどうして出て来たのでしょうか。不思議ですね。
「なんでそこまで驚く必要なんてないじゃないですか」
「オリバーくんVRの世界でも驚かせないでください。それにしてもそこ格好ハロウィンの衣装ですか?」
「そうなんだよね。大学で私のゼミ生のみんなとハロウィンパーティーでお城を借りてさっきまでやってたんだけどね。まさかレオスくんに会えるなんて思ってなかったよ」
やっぱりそういうところは所はリアリティーがない作り話って感じですね。実際にこんなでかいところでハロウィンパーティーする訳がないですし。
これは戻ったら改善をしなければいけませんね。
「そうだ!レオスくんパーティーで残ったお菓子とかあるから一緒に食べないかい?」
「ええ!ぜひお願いします」
所詮VRだから食べたところで満腹にもなりませんし、正直に言うとイタズラがしたかったんですけど今予想もしなかった事が起きているのでこれはオリバーくんに合わせることにしました。
ちょっとした小部屋に入るとそこにはパーティーで余ったケお菓子たちが置いてあったのです。
ここまで豪華とは思いませんでした。
「さあさあ、このケーキ食べてみて」
進められたまま目の前のいちごのショートケーキをパクリと食べましたが、なんと美味しい。
本来なら味や食感なんてないのになぜかあるもです。
もう一口食べましたがやっぱり美味しいのです。他にもクッキー、チョコレートなど色々食べましたがどれも味や食感がして美味しいかったのです。
多分私頭ぐちゃぐちゃになって狂ってしまったのかもしれません。
「レオスくんワイン良かったらどうぞ」
「ああ、はい」
っとワインを渡されたので私は飲むことにしました。
私は普段お酒は飲まないのですがこの味覚がなぜするのか気になって飲むことにしました。
「まっず」
「えーーレオスくんこれとっても美味しいのに」
いやどう考えてもまずいでしょ!?
オリバーくんもしかして味覚がバカになっちゃったんですかね。
他の料理はプログラムされていないのにすごく美味しかったのになんでこれだけすごくまずいんだろう。
もう二度と飲みたくございません。
まるで血液を飲んでいるみたいです。
それにしてもまずいワインのせいで頭がクラクラしてきましたね。
目の前の視界もぼやけてきたような……そのときガブッと首を……噛まれて……なんでオリバーく……ん……それよりなんでこんなに……リアリティーがあったんだろう……首筋から流れる……血も、噛まれた痛みもある……目の前にいたオリバーくんはどんどん姿が……変わっていく……
「あなたは……何者……なんですか……」
オリバーくんだったなにかは微笑んで
「まさかこんな簡単に騙せるなんて思いませんでしたよ。ここが仮想現実とか思い込んだり、明らかな嘘でもついてくるなんて……恨むな……なたの探究心です……知りたいと思う……自身を破滅の道へ進んでし……んですよ。これから先もう人間……普通の生活なんて……ないけど……頑張ってね……」
私は途切れながでも意識を保とうとしたが限界がきてしまいもうなにも聞こえなくなった。
目が覚めたときは満月の光が自分の部屋を包み込んでいた。
もしかして私の作ったVRは異世界に転移するものだったかもしれないと仮説してみましょうかね。
いいデータが取れたとはいえ、もしさっきのことが本当ならオリバーくんのようなものはもしかしてヴァンパイアだったりして……もしその仮説が本当なら血を吸われた私もヴァンパイアになってしまったってこと!?
そのことを検証するため私は洗面所の鏡を見ました。
なぜ鏡かと言うとヴァンパイアは鏡に映らないんですねぇ〜
映ってくれと思いましたが案の定その願いは叶いませんでした。
映ってなかったのです。
本当に私はヴァンパイアになってしまったようです!!
もーーこれからどうしましょう。
人の血液なんてそうそう手に入れませんし。
吸ってしまったらその人にも迷惑をかけてしまいます。
けどこれから普段通りの食事で健康に生きられるのでしょうか……不老不死とはいえさすがに病気とかになってしまったら良くないですし……ヴァンパイアを人間に戻す薬を発明するのもかなりの時間をかけなければいけないですし……けどあの化け物のところに会って助けて欲しいなんか言ってしまうのもな……あんなムカつく奴にお願いするのは嫌ですし。
うーーん。悩んでるとトコトコとまめねこが帰ってきたのです。
「どうしたんですか〜こんな深夜に外を出かけるなんてダメじゃないですか〜」
いつも通り両手を合わせて謝りましたね。
それにしてもプリティーなボディーにクリクリしているぱっちりお目々。
ぴょんとした三角形のお耳ですね……まめねこも畜生だから血は流れていますよね……ちょっと一口だけ噛んでもいいですかね……本能のままにまめねこを手に取って……
とある日僕はレオスくんと世間話をしていた。
「レオスくんそういえばこういう噂ご存知ですか?まめねこに噛まれると吸血鬼のようになってしまう」
「オリバーくん、その噂よく聞きますね。でも本当なのでしょうかね」
「それでね噛まれた人間は血を求めるようになり色々物騒な事件を起こすとか起こさないとか」
「そういえば最近物騒な事件多いですよね」
「そうなんだよね。だからこんな噂が広まったんだと思いますけどね」
「どうせ不安がった人達が考えついたデマしょう」
「そうかもしれないけどレオスくんまめねこの研究をしてるんだしなにか知ってるかなって思ったんだけどやっぱりデマだったのか〜」
「そんな行動は見られませんでしたからね〜まめねこのこと悪く言わないで欲しいです」
デマの説が学会でも強く出ていたからレオスくんから面白い説が上がると思ったけど残念だな。
「そういえば外で会うとき毎回日傘とかサングラスとかけているから吸血鬼かと思ったよ」
「秋も紫外線対策するべきなのでかけているのです。やはり不老不死とはいえシミが怖くなってきたこの頃なのでね。紫外線対策してるだけで吸血鬼呼ばわりするのはやめてください〜」
そうなんだ。
レオスくんとは最近出会った仲だから知らなかったけど美意識高いんだね。
レオスくん筋トレとかストイックだしね。
「じゃあ僕は講義があるから失礼するよ」
「わかりました。ではまた」
僕は急いで講義の方へ向かっていった。
やはりエデン組のみんなの記憶をチョキチョキして正解でしたね。
皆さん私の格好がいつも通りだと思ってらっしゃるみたいで何よりです。
私は家の奥にあるタンスを開けた。
そこには私が血を吸ってヴァンパイア化したまめねこがいた。
私はあの夜本能に逆らえなくまめねこのおしりを噛んで血をチュウチュウ吸った。
初めてヴァンパイアになって飲んだ血の味はこの世のものとは思えないほど美味しかった。
私はこの味が忘れられなく毒煙を吸うことが無くなってしまうほどハマってしまった。
極力血を吸うのはうちのまめねこだけにはしてますが、どうやらうちのまめねこが別のまめねこに噛み付いてヴァンパイアにさせてしまってるようですねぇ〜
どうやらまめねこも人間も噛まれるとヴァンパイアになってしまうんですね。
まあ、まめねこがヴァンパイア化されていることは学会ではデマ扱いされてることを知って少し安心しましたが噂として出回ってる以上バレるのも時間の問題ですね。
だれかが真実に辿りそうになったらそのときはそのときでしょう。
それまではずっと秘密です。
私は八重歯を光らせ高らかに笑った。
[完]
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