別れと出会い
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その週末、私は元同期の松潤と会っていた。
今回は松潤の希望で、おいしいと噂の焼肉店にした。
「で?仕事順調なの?」
ずっと営業だった松潤は、営業整成績はいつも優秀で社長表彰をもらっていたほどだ。
それが心機一転、昔からの起業したいという思いを叶えるため退職し、3ヶ月前に人材派遣会社に転職して起業の勉強中らしい。
「いやー、お陰さまで順調っすわ!」
松潤はビールを飲んではーっという声と笑顔と一緒に答えた
「ずっとやりたい業種だったもんね?」
「そ。やりがいありまくりよ」
「よかったね~私なんて…はぁ」
「何。珍しいじゃん。仕事で凹むなんて」
「うん…あ、そういえば松潤、東京西支社だったっけ?」
「うん。3年目までね」
「じゃ、二宮さんって知ってる?」
「…あー、はいはい。あのデキル人だ」
二宮さんも確か西東京支社で、松潤と同じ支社だった。
「すげー判断はえーの。意見がぶつかっても、スマートに捌いてく感じ」
「頭の回転早いよね。知識も豊富だし」
「いま一緒に仕事してんの?」
「うん、しかも2人1組でプロジェクトやってる」
「まじで?それヤバイね。
あの人と対等に仕事できるのはあと3年後ぐらいじゃね」
「だよね…はぁー。怒られてばっかりでさ」
「まぁまぁ。飲んで忘れろって」
松潤がビールジョッキを持ってニコッと笑う。
「うん…そうする」
とりあえずビールを口に流し込み、二宮さんを頭の隅に追いやった。
「あ、そうだ来週のあの日なんだけど…」
松潤が肉を焼く手を止めて口を開く。
「ごめん、俺どうしても断れない仕事が入ってさ、ちょっと行けないかも」
松潤の目が「ごめん」という言葉をストレートに伝えてくる。
「…そっか、それは仕方ないね」
「まじごめん。どうにか調整がんばったんだけどさ」
「ううん、いいよいいよ。
私、ひとりでも大丈夫」
「ごめんな。」
松潤が小さくため息をついて、少し笑う。
「ってかあれからもう4年も経つんだよな」
「うん、あっという間のような、長かったような」
「あいつ今頃何してんだろうな」
松潤がくすっと笑う。
「ほんと…どうせサッカーでしょ」
そう言うと2人で笑いあった。
あの日…次の木曜日
私の元カレである、祐が亡くなった日
元カレ、と言えるのかな、別れたつもりはないんだけどな
あの日からもう4年
何が変わって、何が変わってないんだろう
「…名前、名前」
ハッと我にかえる。
「大丈夫?」
「あ、ごめんぼーっとしてた」
「いやいや俺と肉を目の前にしてぼーっとするのは失礼でしょ」
松潤が肉をお皿にのせてくれる。
「ごめん。ありがと。」
松潤に笑顔で返す。
「お前もそろそろ前向いた方がいいんじゃねーの?」
ふと松潤に聞かれる。
「うーん…そうなのかな」
自分の気持ちなんて祐が亡くなってずっと放置している。
祐以外の人なんて好きになれるのか、
そんなこと考えたこともない。
祐がいなくなった事実を何年もかけて受け止めようとしてきた。
…でもやっぱり、向き合おうとすれば苦しくて、悲しくて、最後の別れなんて昨日のことのように鮮明に思い出せる。
いい。
やっぱりいいや。
私に恋愛なんていらない。
逃げてるって思われたっていい。
「時間がかかるのはわかるけど。
名前を待ってる人間だっているんだし」
松潤は身を前に乗り出してニヤッと笑う。
「俺とか」
「松潤かー…」
「なんだその反応」と笑いながら松潤はビールを飲む。
松潤はずっと支えてくれた。
祐が亡くなったあの日から、ずっと励まして、時には肩を借りることもあった。
本当に感謝してもしきれない
「そうえいえば彼女は?」
「とっくに別れた。仕事ばっかり!って怒られた」
「大事にしてあげなよ」
「いーの。仕事に今は集中してんの。」
松潤の女性関係は派手な方だ。
なかなか一人の人と長く続かない。
「最終的には名前に落ち着くわ」
「拒否権使います」
「使えませーん」と言いながら松潤が笑う。
こんな何でもない話ができる元同期がいてよかった。
今回は松潤の希望で、おいしいと噂の焼肉店にした。
「で?仕事順調なの?」
ずっと営業だった松潤は、営業整成績はいつも優秀で社長表彰をもらっていたほどだ。
それが心機一転、昔からの起業したいという思いを叶えるため退職し、3ヶ月前に人材派遣会社に転職して起業の勉強中らしい。
「いやー、お陰さまで順調っすわ!」
松潤はビールを飲んではーっという声と笑顔と一緒に答えた
「ずっとやりたい業種だったもんね?」
「そ。やりがいありまくりよ」
「よかったね~私なんて…はぁ」
「何。珍しいじゃん。仕事で凹むなんて」
「うん…あ、そういえば松潤、東京西支社だったっけ?」
「うん。3年目までね」
「じゃ、二宮さんって知ってる?」
「…あー、はいはい。あのデキル人だ」
二宮さんも確か西東京支社で、松潤と同じ支社だった。
「すげー判断はえーの。意見がぶつかっても、スマートに捌いてく感じ」
「頭の回転早いよね。知識も豊富だし」
「いま一緒に仕事してんの?」
「うん、しかも2人1組でプロジェクトやってる」
「まじで?それヤバイね。
あの人と対等に仕事できるのはあと3年後ぐらいじゃね」
「だよね…はぁー。怒られてばっかりでさ」
「まぁまぁ。飲んで忘れろって」
松潤がビールジョッキを持ってニコッと笑う。
「うん…そうする」
とりあえずビールを口に流し込み、二宮さんを頭の隅に追いやった。
「あ、そうだ来週のあの日なんだけど…」
松潤が肉を焼く手を止めて口を開く。
「ごめん、俺どうしても断れない仕事が入ってさ、ちょっと行けないかも」
松潤の目が「ごめん」という言葉をストレートに伝えてくる。
「…そっか、それは仕方ないね」
「まじごめん。どうにか調整がんばったんだけどさ」
「ううん、いいよいいよ。
私、ひとりでも大丈夫」
「ごめんな。」
松潤が小さくため息をついて、少し笑う。
「ってかあれからもう4年も経つんだよな」
「うん、あっという間のような、長かったような」
「あいつ今頃何してんだろうな」
松潤がくすっと笑う。
「ほんと…どうせサッカーでしょ」
そう言うと2人で笑いあった。
あの日…次の木曜日
私の元カレである、祐が亡くなった日
元カレ、と言えるのかな、別れたつもりはないんだけどな
あの日からもう4年
何が変わって、何が変わってないんだろう
「…名前、名前」
ハッと我にかえる。
「大丈夫?」
「あ、ごめんぼーっとしてた」
「いやいや俺と肉を目の前にしてぼーっとするのは失礼でしょ」
松潤が肉をお皿にのせてくれる。
「ごめん。ありがと。」
松潤に笑顔で返す。
「お前もそろそろ前向いた方がいいんじゃねーの?」
ふと松潤に聞かれる。
「うーん…そうなのかな」
自分の気持ちなんて祐が亡くなってずっと放置している。
祐以外の人なんて好きになれるのか、
そんなこと考えたこともない。
祐がいなくなった事実を何年もかけて受け止めようとしてきた。
…でもやっぱり、向き合おうとすれば苦しくて、悲しくて、最後の別れなんて昨日のことのように鮮明に思い出せる。
いい。
やっぱりいいや。
私に恋愛なんていらない。
逃げてるって思われたっていい。
「時間がかかるのはわかるけど。
名前を待ってる人間だっているんだし」
松潤は身を前に乗り出してニヤッと笑う。
「俺とか」
「松潤かー…」
「なんだその反応」と笑いながら松潤はビールを飲む。
松潤はずっと支えてくれた。
祐が亡くなったあの日から、ずっと励まして、時には肩を借りることもあった。
本当に感謝してもしきれない
「そうえいえば彼女は?」
「とっくに別れた。仕事ばっかり!って怒られた」
「大事にしてあげなよ」
「いーの。仕事に今は集中してんの。」
松潤の女性関係は派手な方だ。
なかなか一人の人と長く続かない。
「最終的には名前に落ち着くわ」
「拒否権使います」
「使えませーん」と言いながら松潤が笑う。
こんな何でもない話ができる元同期がいてよかった。