別れと出会い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
課長と面談の日。
小さな打ち合わせ室に向かい合って座る。
「ごめんね、忙しいのに面談の時間もらって。」
「いえ」
「早速本題なんだけど」
櫻井課長は両手の肘をついて、指を顔の前で組む。
そして真剣な目付きになる。
その真剣な眼差しにどきっとする。
課長はゆっくり口を開く。
「井川、業務が変わることになった。」
「え?どういうことですか?」
「実は、次年度のホールディングス体制を見直す案が出ていて、
その体制変更を実現するために様々な検討をしなければならない。
その検討プロジェクトに入ってほしい。」
「そんな…今の仕事はどうなるんですか?」
「今の仕事は一旦離れる。プロジェクトは約半年間、10月末の報道発表に向けて実務レベルで細かいところを議論して決めてほしい」
やっと叶ったと思っていた販売企画の仕事を手放さなければいけないという事実に困惑して言葉に詰まる。
そんなよくわかんないプロジェクト、私に務まる訳がない。
「実は俺もプロジェクトメンバーなんだ。ただ、俺は兼務で入るからずっとプロジェクトの仕事をするわけではないが、お前には専任で入ってもらいたい。ガッツリプロジェクトの仕事をしてもらう」
「…なぜ、私なんですか?」
恐らくこういう仕事は他の頭のいい人がやった方がいい。
「…オフレコなんだが」
課長は身を前に乗り出した。
「指名があったんだ。井川をピンポイントで」
「私にですか?」
「俺も上から聞いただけから詳しくは知らない。
だが指名があった、ということはお前のこれまでの働きぶりと
実績が評価されたと思っていいと思う。
決して悪い話じゃない。むしろチャンスだ。
お前がこれまで経験してきたことを活かしてがんばってほしい」
真剣な眼差しは変わらないまま、不安にさせないように、と笑顔を作ってくれる。
課長もプロジェクトメンバーであるというのはとても心強い。
「拒否権、ないんですよね?」
サラリーマンの世界だ。
上の指示があったなら、自分の意思を押し通すより
その期待に応えるべきでもある。
「ないわけではないが、時間が必要ならゆっくり考えてほしい。」
「いえ、前向きに考えたい気持ちはあるものの、
せっかく希望した販売企画の仕事を離れるのが少しつらいです」
「お前の今の仕事への意欲はよくわかっている。
俺だって手放したくはないが、本音を言えばチャレンジする機会を応援したいと思ってるよ」
「ありがとうございます。
…他にどんなメンバーがいるかご存知ですか?」
「組織横断的なプロジェクトだから、いろんな部署から人が集められる。
販売企画色が強い井川には、パートナーとして二宮と一緒に動いてもらう」
「二宮さんですか?経営管理チームの?」
「そう。あいつもすごくデキるやつだから。2人でいろんな案を出しあってほしい。」
「はあ…」
よりによって、二宮さんと…
しかもパートナーということは、基本2人1組で動かなければならない。
ただでさえ嫌われている気配があるのに、
つらい。
「それで、いつからプロジェクトに参加するのですか?」
「来月の半ばからの予定だ。あと2週間あるから、引き継ぎの準備も頼む。」
「はい…」
この話は、本当にいい話なのかな
自信もなければ、不安だらけだ。
この先、どうなるんだろう
小さな打ち合わせ室に向かい合って座る。
「ごめんね、忙しいのに面談の時間もらって。」
「いえ」
「早速本題なんだけど」
櫻井課長は両手の肘をついて、指を顔の前で組む。
そして真剣な目付きになる。
その真剣な眼差しにどきっとする。
課長はゆっくり口を開く。
「井川、業務が変わることになった。」
「え?どういうことですか?」
「実は、次年度のホールディングス体制を見直す案が出ていて、
その体制変更を実現するために様々な検討をしなければならない。
その検討プロジェクトに入ってほしい。」
「そんな…今の仕事はどうなるんですか?」
「今の仕事は一旦離れる。プロジェクトは約半年間、10月末の報道発表に向けて実務レベルで細かいところを議論して決めてほしい」
やっと叶ったと思っていた販売企画の仕事を手放さなければいけないという事実に困惑して言葉に詰まる。
そんなよくわかんないプロジェクト、私に務まる訳がない。
「実は俺もプロジェクトメンバーなんだ。ただ、俺は兼務で入るからずっとプロジェクトの仕事をするわけではないが、お前には専任で入ってもらいたい。ガッツリプロジェクトの仕事をしてもらう」
「…なぜ、私なんですか?」
恐らくこういう仕事は他の頭のいい人がやった方がいい。
「…オフレコなんだが」
課長は身を前に乗り出した。
「指名があったんだ。井川をピンポイントで」
「私にですか?」
「俺も上から聞いただけから詳しくは知らない。
だが指名があった、ということはお前のこれまでの働きぶりと
実績が評価されたと思っていいと思う。
決して悪い話じゃない。むしろチャンスだ。
お前がこれまで経験してきたことを活かしてがんばってほしい」
真剣な眼差しは変わらないまま、不安にさせないように、と笑顔を作ってくれる。
課長もプロジェクトメンバーであるというのはとても心強い。
「拒否権、ないんですよね?」
サラリーマンの世界だ。
上の指示があったなら、自分の意思を押し通すより
その期待に応えるべきでもある。
「ないわけではないが、時間が必要ならゆっくり考えてほしい。」
「いえ、前向きに考えたい気持ちはあるものの、
せっかく希望した販売企画の仕事を離れるのが少しつらいです」
「お前の今の仕事への意欲はよくわかっている。
俺だって手放したくはないが、本音を言えばチャレンジする機会を応援したいと思ってるよ」
「ありがとうございます。
…他にどんなメンバーがいるかご存知ですか?」
「組織横断的なプロジェクトだから、いろんな部署から人が集められる。
販売企画色が強い井川には、パートナーとして二宮と一緒に動いてもらう」
「二宮さんですか?経営管理チームの?」
「そう。あいつもすごくデキるやつだから。2人でいろんな案を出しあってほしい。」
「はあ…」
よりによって、二宮さんと…
しかもパートナーということは、基本2人1組で動かなければならない。
ただでさえ嫌われている気配があるのに、
つらい。
「それで、いつからプロジェクトに参加するのですか?」
「来月の半ばからの予定だ。あと2週間あるから、引き継ぎの準備も頼む。」
「はい…」
この話は、本当にいい話なのかな
自信もなければ、不安だらけだ。
この先、どうなるんだろう