a crossing point
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「どうしてここに…」
森屋さんの驚いた反応をよそに、二宮さんは森屋さんの隣に座った。
「探しましたよ。人事部に申請書出しに行っただけなのになかなか帰ってこない。雑用任命しようってこっちは準備してたんですよ」
二宮さんは疲れた口調で私に話す
「でもね森屋チャン。俺ね、気付いてたよ。アナタ西東京支社でシステム管理してたよね?だからファイルも消せた」
「あのファイル…削除されてたんですか?」
この間保存し忘れたと思って無くなった電子ファイルは、やっぱり消されていたんだ
作り直しになったおかげで、二宮さんと残業する羽目になったやつだ
「そ。おかげで残業ですよ。早く帰りたいのにさぁ」
「私はそんなことしてません!」
「あれ?森屋チャンのログイン履歴あったよ?あの日ヘルプデスク行って確認済みね。ファイルは消せても、ログイン履歴は消すの忘れちゃったか」
森屋さんの息を飲む喉の音が聞こえる
「でヘルプデスクのワタシの仲間に、怪しい動きがあったら教えてって伝えといたのよ。森屋チャンさ、井川のログインID使ってファイル共用システムで社内情報送信するように設定したでしょ?なりすましはよくないなぁ」
二宮さんは笑いながら森屋さんを見る
「私は…っ違うんです違います!」
「…なにが違うの?」
二宮さんの目が真剣になる。
その目の奥は笑っていない。
「なにが違うの?言ってよ」
「…っ」
「全部確認済みなんだよ?聞きたい?ログインだって、監視カメラだって履歴が残らないように設定したはずなのにどうしてって?そう。俺の方が一枚上手だったね」
森屋さんは歯を食い縛ってうつむいた
「…森屋チャン。会議ファイル消したり、来客来たフリして井川呼び出したり、犯罪まがいなことしたり、どうしたの?」
森屋さんは黙ったままだ
「森屋チャンさ、頭いいの知ってるよ。誰よりも努力したりさ。でもね、そういうのを悪いことに使っちゃダメだよ。アナタの努力全部台無しよ?」
「私は…っ…二宮さんのそばで役に立ちたかったんです!!それだけです!!二宮さんのこと、心から好きだから…」
「…うん。知ってる。その気持ち、ありがたいよ。ほんと。でもね、会社が不利益を被るようなことをする人を俺は好きになんてなれないよ」
森屋さんの目から、大粒の涙がぽたぽたとこぼれている
森屋さんの気持ちに 二宮さん気付いてたんだ
その状況に、胸が苦しくなる
「好きだからって、何でもやっていいなんて許されないよ。アナタのその努力、仕事にぶつけてよ。そんでまた一緒に仕事しましょうよ」
「…っく…っく」
森屋さんの涙は止まらない。
二宮さんの諭すような、優しい語り口が
森屋さんの涙を流している
私は何も言えない。
二宮さんと、森屋さんの、2人の世界の話なんだ
「また一緒に仕事しましょ、ね?」
「…はい」
森屋さんは小さな声で返事をした
そしてまた 大きな声で泣いた
森屋さんの驚いた反応をよそに、二宮さんは森屋さんの隣に座った。
「探しましたよ。人事部に申請書出しに行っただけなのになかなか帰ってこない。雑用任命しようってこっちは準備してたんですよ」
二宮さんは疲れた口調で私に話す
「でもね森屋チャン。俺ね、気付いてたよ。アナタ西東京支社でシステム管理してたよね?だからファイルも消せた」
「あのファイル…削除されてたんですか?」
この間保存し忘れたと思って無くなった電子ファイルは、やっぱり消されていたんだ
作り直しになったおかげで、二宮さんと残業する羽目になったやつだ
「そ。おかげで残業ですよ。早く帰りたいのにさぁ」
「私はそんなことしてません!」
「あれ?森屋チャンのログイン履歴あったよ?あの日ヘルプデスク行って確認済みね。ファイルは消せても、ログイン履歴は消すの忘れちゃったか」
森屋さんの息を飲む喉の音が聞こえる
「でヘルプデスクのワタシの仲間に、怪しい動きがあったら教えてって伝えといたのよ。森屋チャンさ、井川のログインID使ってファイル共用システムで社内情報送信するように設定したでしょ?なりすましはよくないなぁ」
二宮さんは笑いながら森屋さんを見る
「私は…っ違うんです違います!」
「…なにが違うの?」
二宮さんの目が真剣になる。
その目の奥は笑っていない。
「なにが違うの?言ってよ」
「…っ」
「全部確認済みなんだよ?聞きたい?ログインだって、監視カメラだって履歴が残らないように設定したはずなのにどうしてって?そう。俺の方が一枚上手だったね」
森屋さんは歯を食い縛ってうつむいた
「…森屋チャン。会議ファイル消したり、来客来たフリして井川呼び出したり、犯罪まがいなことしたり、どうしたの?」
森屋さんは黙ったままだ
「森屋チャンさ、頭いいの知ってるよ。誰よりも努力したりさ。でもね、そういうのを悪いことに使っちゃダメだよ。アナタの努力全部台無しよ?」
「私は…っ…二宮さんのそばで役に立ちたかったんです!!それだけです!!二宮さんのこと、心から好きだから…」
「…うん。知ってる。その気持ち、ありがたいよ。ほんと。でもね、会社が不利益を被るようなことをする人を俺は好きになんてなれないよ」
森屋さんの目から、大粒の涙がぽたぽたとこぼれている
森屋さんの気持ちに 二宮さん気付いてたんだ
その状況に、胸が苦しくなる
「好きだからって、何でもやっていいなんて許されないよ。アナタのその努力、仕事にぶつけてよ。そんでまた一緒に仕事しましょうよ」
「…っく…っく」
森屋さんの涙は止まらない。
二宮さんの諭すような、優しい語り口が
森屋さんの涙を流している
私は何も言えない。
二宮さんと、森屋さんの、2人の世界の話なんだ
「また一緒に仕事しましょ、ね?」
「…はい」
森屋さんは小さな声で返事をした
そしてまた 大きな声で泣いた