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玄関のドアが開くと、不機嫌な二宮さんがいた。
「…おそっ」
「すいません!買い物に時間かかって…」
「ワタシは腹が減りすぎてHP5の瀕死状態ですよ」
「すぐ作ります!」
靴を脱いで二宮さんの部屋に上がろうと顔を上げて歩き出そうとしたその時、
二宮さんにぶつかった。
「あだっ」
「くさい」
「え?」
「くっさ」
「あ、すいません一杯先にやってきました…」
「ちげーよ。どこの男と会ってたのよ。
男のニオイがする」
…動物?
「ニオイでわかるんですか?」
「あ?」
「…怒ってます?」
「まず一点目。腹が減ると不機嫌になるとワタシは言った。そして二点目。保護者の目を盗んで他の男とコソコソ会うのは家訓にない」
「ちょっと待ってください。私は二宮家の人間でしたか?」
「保護者は誰ですかって話よ」
腕を組んで近距離で睨まれる。
「…すみませんでした」
「お仕置きな。明日の会議資料お前が作れ。」
「いや、あの会議かなりヘビーな案件ばっかりだと思うんですけど!」
「今日は合宿ね。楽しみだね、名前チャン」
「え…わたし今日帰れないんですか」
「終わったら帰っていいよ」
私の肩をポンポン、と叩いてリビングの方へスタスタ歩いていった
「明日、月曜日ですよ?!」
私の声はむなしく玄関に響いて二宮さんの後を追いかけた。
「ふー…」
お父さんがハンバーグ好きでよかった。
お母さんに作り方を習っていたのと、クックパッドの神レシピで助けられてやっと完成した。
誰かに料理作るのは久しぶりで、緊張する。
私が料理している間の二宮さんは、基本的にゲームをしていて
たまに冷蔵庫に飲み物を取りに来たついでに覗いて「ふーん、あ、そういうタイプ?」とかお小言をぶつけてきた。
その度に背後から至近距離で覗かれる。
待てない子どもみたい。
「できました!」
「あー腹減って死にそう」
「朝も昼も食べてないんですよね?メロンパンでも食べればよかったのに」
「ハンバーグ食べれるのに他の食べる必要はないでしょ」
待てない子どものように、少し不機嫌な口調で言う。
二宮さんの前にハンバーグを置くと、いただきます、と小さな声で言って食べ始めた。
「うん、これほれ」
口にハンバーグを入れたままうまく話せていない。
「お口に合うようで、よかったです」
ダイニングテーブルに向き合って座り、
私もハンバーグに箸をつける。
「…アナタ、それでワタシに黙って今日誰と会ってたの」
「…二宮さん、松潤って覚えてます?私の同期で、西東京支店の営業だった」
「まつじゅん…?ああ、あのキャンキャン吠える営業の若造ね」
「二宮さんにはそう見えてたんですね…」
「いや、努力と成果は評価するよ?ただキャンキャン吠えられてこっちも対応が大変だったわけですよ」
「いろいろあったんですね」
「んで?告白でもされたの?」
「ここにもエスパーがいる…?」
「図星だね」
二宮さんには祐の件でただでさえプライベートを赤裸々に知られているのもあり、
できれば知られたくなかった。
「で、返事は?」
「まだ、してないです」
「ふーん、どうすんの?」
どこかトゲのある言い方だし、冷たい目線を向けてくる。
「…正直に言うと、迷ってます」
「なんで?」
「祐が亡くなって、ずっと励ましてくれたんです。同期として、友達として…だから告白されて驚いてて…」
「やめとけ」
「なんでですか?」
「保護者命令」
二宮さんは冷たく言い放った。
「わ、わたしもいい大人なので自分で考えようかと…」
「お仕置きされたい?」
「それはイヤです」
まだ冷たい目線のままだ。
茶色い瞳が動いていない。
「…冗談だよ。自分で決めればいいんじゃない」
ほっとして、はぁとため息が出る。
松潤の話はNGワードにしておこう
そのあと、お互い黙ってしまって気まずい空気が流れた。
何か話題を、と探してやっとひとつ思い出した。
「あ、そうだ、昨日出勤したとき、人事部の森屋さんって方と話をしました」
「…ああ、アイツね。なんか言ってた?」
「明日の会議の議題をチェックしてくれたみたいで。修正しときます、と伝えておきました」
「あっそ」
二宮さんはハンバーグを無心で食べている。
「…二宮さん、森屋さんのことどう思ってるんですか?」
「なんで?」
「いや、一人の女性としてどう思ってるのかなーって」
「何が言いたいのよ」
「小耳に挟んだんです。守屋さん二宮さんのこと狙ってるって」
「だから何」
「何とも思ってないんですか?」
二宮さんは口に入っていたハンバーグを飲みこみ、水を一口飲んだ
「…すげーかわいいと思ってるよ。
理想のタイプ」
「あ、そうなんですね…」
突然、ズキッとした。
二宮さん、私と正反対のタイプの森屋さんみたいな人がいいんだ
思わず箸を持つ手が止まる
動揺してる
これじゃまるで、私二宮さんのこと期待してるみたいだ
二宮さんは箸を口に入れて、私を眺めている
「お、お似合いだと思います!」
「そりゃどうも。」
思わぬ二宮さんの答えに、自分でも驚く程落ち込んでしまった。
これもNGワードにしよう。
私の方の、NGワードになるけど
なんだか、最近二宮さんとの距離が近付いて、それが心地よかったけど
私、何か期待してたんだ
何期待してんだか
恋愛って、一喜一憂して
疲れるだけだよね
4年のブランクが『何もしない』安心を求める。
その心の声を無視するわけにはいかなかった。
「…おそっ」
「すいません!買い物に時間かかって…」
「ワタシは腹が減りすぎてHP5の瀕死状態ですよ」
「すぐ作ります!」
靴を脱いで二宮さんの部屋に上がろうと顔を上げて歩き出そうとしたその時、
二宮さんにぶつかった。
「あだっ」
「くさい」
「え?」
「くっさ」
「あ、すいません一杯先にやってきました…」
「ちげーよ。どこの男と会ってたのよ。
男のニオイがする」
…動物?
「ニオイでわかるんですか?」
「あ?」
「…怒ってます?」
「まず一点目。腹が減ると不機嫌になるとワタシは言った。そして二点目。保護者の目を盗んで他の男とコソコソ会うのは家訓にない」
「ちょっと待ってください。私は二宮家の人間でしたか?」
「保護者は誰ですかって話よ」
腕を組んで近距離で睨まれる。
「…すみませんでした」
「お仕置きな。明日の会議資料お前が作れ。」
「いや、あの会議かなりヘビーな案件ばっかりだと思うんですけど!」
「今日は合宿ね。楽しみだね、名前チャン」
「え…わたし今日帰れないんですか」
「終わったら帰っていいよ」
私の肩をポンポン、と叩いてリビングの方へスタスタ歩いていった
「明日、月曜日ですよ?!」
私の声はむなしく玄関に響いて二宮さんの後を追いかけた。
「ふー…」
お父さんがハンバーグ好きでよかった。
お母さんに作り方を習っていたのと、クックパッドの神レシピで助けられてやっと完成した。
誰かに料理作るのは久しぶりで、緊張する。
私が料理している間の二宮さんは、基本的にゲームをしていて
たまに冷蔵庫に飲み物を取りに来たついでに覗いて「ふーん、あ、そういうタイプ?」とかお小言をぶつけてきた。
その度に背後から至近距離で覗かれる。
待てない子どもみたい。
「できました!」
「あー腹減って死にそう」
「朝も昼も食べてないんですよね?メロンパンでも食べればよかったのに」
「ハンバーグ食べれるのに他の食べる必要はないでしょ」
待てない子どものように、少し不機嫌な口調で言う。
二宮さんの前にハンバーグを置くと、いただきます、と小さな声で言って食べ始めた。
「うん、これほれ」
口にハンバーグを入れたままうまく話せていない。
「お口に合うようで、よかったです」
ダイニングテーブルに向き合って座り、
私もハンバーグに箸をつける。
「…アナタ、それでワタシに黙って今日誰と会ってたの」
「…二宮さん、松潤って覚えてます?私の同期で、西東京支店の営業だった」
「まつじゅん…?ああ、あのキャンキャン吠える営業の若造ね」
「二宮さんにはそう見えてたんですね…」
「いや、努力と成果は評価するよ?ただキャンキャン吠えられてこっちも対応が大変だったわけですよ」
「いろいろあったんですね」
「んで?告白でもされたの?」
「ここにもエスパーがいる…?」
「図星だね」
二宮さんには祐の件でただでさえプライベートを赤裸々に知られているのもあり、
できれば知られたくなかった。
「で、返事は?」
「まだ、してないです」
「ふーん、どうすんの?」
どこかトゲのある言い方だし、冷たい目線を向けてくる。
「…正直に言うと、迷ってます」
「なんで?」
「祐が亡くなって、ずっと励ましてくれたんです。同期として、友達として…だから告白されて驚いてて…」
「やめとけ」
「なんでですか?」
「保護者命令」
二宮さんは冷たく言い放った。
「わ、わたしもいい大人なので自分で考えようかと…」
「お仕置きされたい?」
「それはイヤです」
まだ冷たい目線のままだ。
茶色い瞳が動いていない。
「…冗談だよ。自分で決めればいいんじゃない」
ほっとして、はぁとため息が出る。
松潤の話はNGワードにしておこう
そのあと、お互い黙ってしまって気まずい空気が流れた。
何か話題を、と探してやっとひとつ思い出した。
「あ、そうだ、昨日出勤したとき、人事部の森屋さんって方と話をしました」
「…ああ、アイツね。なんか言ってた?」
「明日の会議の議題をチェックしてくれたみたいで。修正しときます、と伝えておきました」
「あっそ」
二宮さんはハンバーグを無心で食べている。
「…二宮さん、森屋さんのことどう思ってるんですか?」
「なんで?」
「いや、一人の女性としてどう思ってるのかなーって」
「何が言いたいのよ」
「小耳に挟んだんです。守屋さん二宮さんのこと狙ってるって」
「だから何」
「何とも思ってないんですか?」
二宮さんは口に入っていたハンバーグを飲みこみ、水を一口飲んだ
「…すげーかわいいと思ってるよ。
理想のタイプ」
「あ、そうなんですね…」
突然、ズキッとした。
二宮さん、私と正反対のタイプの森屋さんみたいな人がいいんだ
思わず箸を持つ手が止まる
動揺してる
これじゃまるで、私二宮さんのこと期待してるみたいだ
二宮さんは箸を口に入れて、私を眺めている
「お、お似合いだと思います!」
「そりゃどうも。」
思わぬ二宮さんの答えに、自分でも驚く程落ち込んでしまった。
これもNGワードにしよう。
私の方の、NGワードになるけど
なんだか、最近二宮さんとの距離が近付いて、それが心地よかったけど
私、何か期待してたんだ
何期待してんだか
恋愛って、一喜一憂して
疲れるだけだよね
4年のブランクが『何もしない』安心を求める。
その心の声を無視するわけにはいかなかった。