時間の流れ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
非常階段から自席に戻ると、メロンパンと野菜ジュースが置いてあった。
…いつ買いに行ったんだろう?
お昼のときかな?
いくら仕事上のパートナーだからって、
こんなに気にしてもらえるのに気が引ける
…まぁ、私が仕事休むと全部二宮さんの負担になっちゃうしね
それにしても二宮さんの鋭い勘というか、
『保護者』としての立ち振舞いは完璧だ。
細かいとこまで気にかけてくれて、守ってくれている
感謝しないとな
メロンパンの袋をあけて、一口かじる。
野菜ジュースの甘さが、おいしい。
そういえば祐とよく野菜ジュース半分こしたな
そしてハッと気付く
二宮さんのおかげで
昨日の今日なのに、祐のこと、1ミリも考えていなかった
その時、私の内線が鳴った。
「はい、プロジェクト室井川です」
その日の業務終了間近、やっと自席に戻ってきた。
あの内線で緊急の電話会議に呼び出され、
午後のほとんどの時間をトラブル対応に費やした。
結局メロンパンは一口しか食べれないままだった。
隣の席の二宮さんもあのあと打ち合わせ続きだったようでまだ席に戻ってきていない。
「井川さん、今日のお店の場所わかる?」
同じチームの先輩に聞かれる。
「あ、はい確かここから近かったと思います」
「じゃ仕事終わったらみんなで行きましょう」
「はい!あ、二宮さん待ちます?」
「二宮くん、打ち合わせ長引きそうだから先に行っててほしいって言ってたわよ」
「そうなんですね…わかりました」
今日はプロジェクトチームの懇親会で飲みに行くことになっている。
イヤなことがあったときは、お酒に頼るのもありだよね
業務終了の時間になると、チームの皆とお店に向かった。
「いやー、ほんとお疲れさまです!」
金曜日ということもあって1週間の疲れがどっと抜ける。
「なんか井川今日は調子よさそうだな」
たまたま隣に座った櫻井課長が言う。
「はい、ビールがおいしくて!あはは!」
いつもは割とずっと冷静に飲むタイプだけど、
今日は自分でもわかるくらい飲むペースも少し早い。
楽しさも増していく。
店はいろんなタパスを頼めるイタリアン居酒屋で、大通り沿いにあるのもあって賑わっていた。
「そういえば、私、櫻井課長が憧れでした」
「俺?」
はははっと声に出して櫻井課長は笑う
「判断が的確で早くて、人望もあって…
櫻井課長の弱点って何ですか?」
「弱点ねー…うーん」
櫻井課長は腕を組み、口を尖らせて悩む。
「…かな」
「え?」
ちょうど周りの声と重なって聞こえない。
耳を傾けたそのとき、櫻井課長も私の方に寄ってきた。
「井川かな」
耳元で囁かれ、ドキッとする
「私、ですか?」
「お前を含めた部下ってことだよ。
部下の成長を見るためならどんな決断でも下せるからね」
…なんだ、そういう意味か
どこかホッとした
しばらく恋愛から遠ざかっていたからこそ、
こういうシチュエーションにいちいちドキドキしてしまう。
耳元で囁くの流行ってんのかな?
そういえば、二宮さんもう来たのかな?
ふと疑問に思い、あたりを見回す。
「井川ー、ごめんそこのフォーク1本取って」
「はーい」
先輩に言われてフォークのあるところに手を伸ばす。
あと少しで届かず、少し腰を浮かせて立とうとしたとき
酔いが回ってフラッとなって手をテーブルについた。
「井川、大丈夫?」
櫻井課長が声をかけてくれる。
「あ、はい大丈夫です、すみませんあはは…」
フォークを取って、先輩に渡す。
あーそうだ結局メロンパンも一口だけだったし、
空きっ腹にビールハイペースで入れちゃった
「ちょっとお水もらってきますね」
「俺もらってこようか?」
櫻井課長が気遣う。
「大丈夫です。飲んでてください」
それだけ言って席を立ち、ふわっとした視界の中を歩く。
店員さんがいそうなところまで行ったものの、
店員さんは見当たらない。
キョロキョロしてるうちに、なんだか瞼が重くなってくる。
「井川、ほんとに大丈夫?」
櫻井課長も席を立って来てくれた。
「すいません、なんか酔いがいつもより早くて」
「井川、少し休め」
「はい…」
そしてそのまま、目を閉じてしまった。
…いつ買いに行ったんだろう?
お昼のときかな?
いくら仕事上のパートナーだからって、
こんなに気にしてもらえるのに気が引ける
…まぁ、私が仕事休むと全部二宮さんの負担になっちゃうしね
それにしても二宮さんの鋭い勘というか、
『保護者』としての立ち振舞いは完璧だ。
細かいとこまで気にかけてくれて、守ってくれている
感謝しないとな
メロンパンの袋をあけて、一口かじる。
野菜ジュースの甘さが、おいしい。
そういえば祐とよく野菜ジュース半分こしたな
そしてハッと気付く
二宮さんのおかげで
昨日の今日なのに、祐のこと、1ミリも考えていなかった
その時、私の内線が鳴った。
「はい、プロジェクト室井川です」
その日の業務終了間近、やっと自席に戻ってきた。
あの内線で緊急の電話会議に呼び出され、
午後のほとんどの時間をトラブル対応に費やした。
結局メロンパンは一口しか食べれないままだった。
隣の席の二宮さんもあのあと打ち合わせ続きだったようでまだ席に戻ってきていない。
「井川さん、今日のお店の場所わかる?」
同じチームの先輩に聞かれる。
「あ、はい確かここから近かったと思います」
「じゃ仕事終わったらみんなで行きましょう」
「はい!あ、二宮さん待ちます?」
「二宮くん、打ち合わせ長引きそうだから先に行っててほしいって言ってたわよ」
「そうなんですね…わかりました」
今日はプロジェクトチームの懇親会で飲みに行くことになっている。
イヤなことがあったときは、お酒に頼るのもありだよね
業務終了の時間になると、チームの皆とお店に向かった。
「いやー、ほんとお疲れさまです!」
金曜日ということもあって1週間の疲れがどっと抜ける。
「なんか井川今日は調子よさそうだな」
たまたま隣に座った櫻井課長が言う。
「はい、ビールがおいしくて!あはは!」
いつもは割とずっと冷静に飲むタイプだけど、
今日は自分でもわかるくらい飲むペースも少し早い。
楽しさも増していく。
店はいろんなタパスを頼めるイタリアン居酒屋で、大通り沿いにあるのもあって賑わっていた。
「そういえば、私、櫻井課長が憧れでした」
「俺?」
はははっと声に出して櫻井課長は笑う
「判断が的確で早くて、人望もあって…
櫻井課長の弱点って何ですか?」
「弱点ねー…うーん」
櫻井課長は腕を組み、口を尖らせて悩む。
「…かな」
「え?」
ちょうど周りの声と重なって聞こえない。
耳を傾けたそのとき、櫻井課長も私の方に寄ってきた。
「井川かな」
耳元で囁かれ、ドキッとする
「私、ですか?」
「お前を含めた部下ってことだよ。
部下の成長を見るためならどんな決断でも下せるからね」
…なんだ、そういう意味か
どこかホッとした
しばらく恋愛から遠ざかっていたからこそ、
こういうシチュエーションにいちいちドキドキしてしまう。
耳元で囁くの流行ってんのかな?
そういえば、二宮さんもう来たのかな?
ふと疑問に思い、あたりを見回す。
「井川ー、ごめんそこのフォーク1本取って」
「はーい」
先輩に言われてフォークのあるところに手を伸ばす。
あと少しで届かず、少し腰を浮かせて立とうとしたとき
酔いが回ってフラッとなって手をテーブルについた。
「井川、大丈夫?」
櫻井課長が声をかけてくれる。
「あ、はい大丈夫です、すみませんあはは…」
フォークを取って、先輩に渡す。
あーそうだ結局メロンパンも一口だけだったし、
空きっ腹にビールハイペースで入れちゃった
「ちょっとお水もらってきますね」
「俺もらってこようか?」
櫻井課長が気遣う。
「大丈夫です。飲んでてください」
それだけ言って席を立ち、ふわっとした視界の中を歩く。
店員さんがいそうなところまで行ったものの、
店員さんは見当たらない。
キョロキョロしてるうちに、なんだか瞼が重くなってくる。
「井川、ほんとに大丈夫?」
櫻井課長も席を立って来てくれた。
「すいません、なんか酔いがいつもより早くて」
「井川、少し休め」
「はい…」
そしてそのまま、目を閉じてしまった。