時間の流れ
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「…おはようございます」
「遅い。どれだけ待ったと思ってるのよ」
玄関のドアを少し開けた隙間から二宮さんが言う。
朝6:00に二宮さんからメッセージがきて、
8:00には準備完了しておくこと、と通告された。
もちろん10分以内に返事を返さなければいけないので、眠い目をなんとか開けて返事を返した。
そのあともぞもぞと起きて、鏡を見たときには小さな悲鳴をあげてしまった。
昨日、泣きすぎたな
目が腫れて、ひどいことになっている。
化粧でもうまく隠せず、とりあえず眼鏡でばれないようにすることにした。
「…メガネ?」
「いや、あのちょっと目が腫れてしまって…」
「取っちゃえよ」
そう言って私のメガネをとりあげた。
「返してくださいー!」
あわわと慌てる私に、二宮さんは「元気そうだな」と呟いた。
そのまま一緒に会社に向かい、仕事にとりかかる。
何か暇になったり空白の時間ができると、
祐の二股の話を思い出しては泣きそうになる。
でもデスクでは絶対に泣きたくない。
変なプライドが邪魔して、何も考えなくていいようにひたすら仕事をする。
「井川さん、来週の打ち合わせの資料できてる?」
「はい、今終わりました!チェックお願いします!」
「井川さん、こっちのデータ分析お願いしていい?」
「はい、すぐに取りかかります!」
「井川ー、何だっけほら、あのー…」
「はい、次の販売推進会議の議題ですね!ファイルパス送ります!」
チーム内のいろんな人からの依頼に対応する。
それを二宮さんは小さなため息をついて見ていた。
午前中の業務を無事に追え、昼休みになる。
何も食べたくない。食欲ってなんだっけ。
何も考えたくなくて、仕事に没頭する。
二宮さんは他のチームメンバーとランチに出た。
昼休みもあと10分で終わる頃に、二宮さんと櫻井課長が戻ってきた。
「お、井川がんばってるな」
「櫻井課長、お疲れ様です」
「メガネ珍しいな。コンタクト忘れたの?」
「えーとそうなんです…あっ、今日の朝イチの会議、どうでした?」
「そうだ二宮と井川のおかげで無事終わったよ。ありがとな。」
「それはよかったです」
「で、昼イチで部長向け説明行ってくるから。あとよろしく」
「はい、わかりました」
デスクのパソコンに向き合うと、二宮さんの怖い視線を感じた。
「…何ですか?」
「昼、何食べたの」
「えーと…おにぎりだったかな」
「朝は?」
「バ、バナナとか…?」
「ゴリラか」
ぶっ、と吹き出してしまった。
ゴリラなんて言われたの初めてだ
「し、失礼な!」
「元気そうでよかった」
そう言って二宮さんはパソコンの方を向いた。
…あれ?元気付けてくれてる?
二宮さんと話してたら、昨日の暗い話が存在感を消す。
心のなかにあった祐への気持ちがぽっかり空いた今、二宮さんの優しさがすーっと染み渡る。
「…ありがとうございます」
「何が。それより来週の会議の部屋押さえといて」
「はい!…あれ?」
ふと櫻井課長のデスクを見ると、部長説明に必要であろう資料が置いたままになっていた。
ほんの1分ほど前に、櫻井課長は部長説明で席を立ったはずだ。
「課長、資料忘れてるみたいなんで届けてきます!」
二宮さんが、後ろで何か言ってたけど
走り出してしまっていたからよく聞こえず
そのままフロアのドアを出た。
「遅い。どれだけ待ったと思ってるのよ」
玄関のドアを少し開けた隙間から二宮さんが言う。
朝6:00に二宮さんからメッセージがきて、
8:00には準備完了しておくこと、と通告された。
もちろん10分以内に返事を返さなければいけないので、眠い目をなんとか開けて返事を返した。
そのあともぞもぞと起きて、鏡を見たときには小さな悲鳴をあげてしまった。
昨日、泣きすぎたな
目が腫れて、ひどいことになっている。
化粧でもうまく隠せず、とりあえず眼鏡でばれないようにすることにした。
「…メガネ?」
「いや、あのちょっと目が腫れてしまって…」
「取っちゃえよ」
そう言って私のメガネをとりあげた。
「返してくださいー!」
あわわと慌てる私に、二宮さんは「元気そうだな」と呟いた。
そのまま一緒に会社に向かい、仕事にとりかかる。
何か暇になったり空白の時間ができると、
祐の二股の話を思い出しては泣きそうになる。
でもデスクでは絶対に泣きたくない。
変なプライドが邪魔して、何も考えなくていいようにひたすら仕事をする。
「井川さん、来週の打ち合わせの資料できてる?」
「はい、今終わりました!チェックお願いします!」
「井川さん、こっちのデータ分析お願いしていい?」
「はい、すぐに取りかかります!」
「井川ー、何だっけほら、あのー…」
「はい、次の販売推進会議の議題ですね!ファイルパス送ります!」
チーム内のいろんな人からの依頼に対応する。
それを二宮さんは小さなため息をついて見ていた。
午前中の業務を無事に追え、昼休みになる。
何も食べたくない。食欲ってなんだっけ。
何も考えたくなくて、仕事に没頭する。
二宮さんは他のチームメンバーとランチに出た。
昼休みもあと10分で終わる頃に、二宮さんと櫻井課長が戻ってきた。
「お、井川がんばってるな」
「櫻井課長、お疲れ様です」
「メガネ珍しいな。コンタクト忘れたの?」
「えーとそうなんです…あっ、今日の朝イチの会議、どうでした?」
「そうだ二宮と井川のおかげで無事終わったよ。ありがとな。」
「それはよかったです」
「で、昼イチで部長向け説明行ってくるから。あとよろしく」
「はい、わかりました」
デスクのパソコンに向き合うと、二宮さんの怖い視線を感じた。
「…何ですか?」
「昼、何食べたの」
「えーと…おにぎりだったかな」
「朝は?」
「バ、バナナとか…?」
「ゴリラか」
ぶっ、と吹き出してしまった。
ゴリラなんて言われたの初めてだ
「し、失礼な!」
「元気そうでよかった」
そう言って二宮さんはパソコンの方を向いた。
…あれ?元気付けてくれてる?
二宮さんと話してたら、昨日の暗い話が存在感を消す。
心のなかにあった祐への気持ちがぽっかり空いた今、二宮さんの優しさがすーっと染み渡る。
「…ありがとうございます」
「何が。それより来週の会議の部屋押さえといて」
「はい!…あれ?」
ふと櫻井課長のデスクを見ると、部長説明に必要であろう資料が置いたままになっていた。
ほんの1分ほど前に、櫻井課長は部長説明で席を立ったはずだ。
「課長、資料忘れてるみたいなんで届けてきます!」
二宮さんが、後ろで何か言ってたけど
走り出してしまっていたからよく聞こえず
そのままフロアのドアを出た。