最後のチャイムはテープを切って

 瀬戸内海に浮かぶ島、白木島には、閉校が決まった中学校があった。全校生徒2名。
 3年生、清水明と塩飽ももが通っている。
 小学校は既に閉校し、この二人が島最後の子供として中学卒業を控えていた。
 明とももは幼馴染。幼少の頃から二人で学び、育ってきた。まるで兄妹のように育った二人だった。
 進路選択を目前にした明とももは、高校に進学するかどうか――島に残るか、島から出るか決めなければならなかった。
 島は大事だ。けれど、自分の人生も大事だ。
 明とももはそれぞれの想いを胸に、大きな決断をする。

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