3章 白松リリア
春、新星リリコがデビューした。名前はそのまま黒鉄リリコ。
バーチャルの皮を、あたしは脱いだ。あたしの素顔が全世界に晒される。
なんで同じ名前なんだよ、前のリリコに戻せよ、とオタクはチャット欄で罵倒をはじめる。オタクは、自分の好きをバカにされると、こんなにも怒ることを、このときはじめて知った。
批判が飛んでくるのは承知の上で、同じ名前で再デビューした。別の名前は考えられなかった。
あたしは彼らに、バーチャルの皮を脱いだ理由を語った。
もっと、もっと、本気になりたい。もっと、ファンと本気になって向き合いたい。それを示すために、あたしはバーチャルを脱いだ。
あたしの本気の顔を見てほしい。あたしの本気の目を見てほしい。
それで、応援するかしないか、決めたらいい。
それで応援してくれる君たちのことは、ちゃんとあたしのファンって呼ぶ。君たちは、あたしの大切で、自慢のファン。
配信も終わりに近づいたところで、誰かから、スパチャが飛んできた。
『ずっと応援しています。リリちゃんのこと好きだから』
金額の横には、ねぎ、と名前が表示されていた。
バーチャルの皮を、あたしは脱いだ。あたしの素顔が全世界に晒される。
なんで同じ名前なんだよ、前のリリコに戻せよ、とオタクはチャット欄で罵倒をはじめる。オタクは、自分の好きをバカにされると、こんなにも怒ることを、このときはじめて知った。
批判が飛んでくるのは承知の上で、同じ名前で再デビューした。別の名前は考えられなかった。
あたしは彼らに、バーチャルの皮を脱いだ理由を語った。
もっと、もっと、本気になりたい。もっと、ファンと本気になって向き合いたい。それを示すために、あたしはバーチャルを脱いだ。
あたしの本気の顔を見てほしい。あたしの本気の目を見てほしい。
それで、応援するかしないか、決めたらいい。
それで応援してくれる君たちのことは、ちゃんとあたしのファンって呼ぶ。君たちは、あたしの大切で、自慢のファン。
配信も終わりに近づいたところで、誰かから、スパチャが飛んできた。
『ずっと応援しています。リリちゃんのこと好きだから』
金額の横には、ねぎ、と名前が表示されていた。