15.ポリジュース薬
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二人を見送り、私はハーマイオニーが入っている個室の前に立った。
「ハーマイオニー?大丈夫?」
「ダメよ。見ない方がいいわ」
「去年もトイレでこんなことしたね」
「もう……あなたって本当に……」
ハーマイオニーはそう言いながら、ゆっくりと扉を開けた。
見ると、骨格は人間だが、顔は毛に覆われていて、完全に猫の顔だった。
かわいい猫耳が感情を表すように、悲しそうに伏せている。
目は明かりのない暗い個室から光の当たる場所に出たせいか、瞳孔が狭まって猫と同じように縦に細くなっている。
尻尾が落ち着きなくユラユラと揺れている様は、なんとも猫らしい。
お世辞にもかわいいとは言い難い姿だ。
「猫だね」
「ええ。あなたの言う通りだったわ」
「大丈夫。医務室に行こう。マダムポンフリーが診てくれるよ」
「元に戻れるかしら?」
「大丈夫だよ」
トイレから出てこようとしないハーマイオニーに近づいて手を握った。
手にまで毛が生えている。
「心配しないで。戻れるよ」
「不安だわ」
「大丈夫だから」
「取り敢えず時間まではここにいるわ。もしかしたら、一時間で戻れるかもしれないもの」
「そうだね」
まぁ戻れないんだけど。
それは口に出さず、安心させるように手を優しく撫でた。
そこにマートルの笑い声が響いた。
上を見ると、隣の個室の壁から顔を覗かせて笑うマートルがいた。
「戻れるのかしらね?」
「マートル、笑わないで」
私が言うも、マートルはおかしそうに笑っている。
「だって、完全に猫じゃない」
「いいから、あっち行って」
マートルは最後にヒヒッと笑うと、飛んで行ってしまった。
「一緒にいて」
「もちろん」
泣きそうなハーマイオニーについて、私は時間までその場に止まった。
一時間が経った頃、遠くから慌ただしい足音が聞こえてきた。
それを聞いたハーマイオニーは、小さく声を上げて扉を閉めた。
私は押し出されて、個室から出た。
ついてあげてたのに酷いな。
そこにハリーとロンが走って戻ってきた。
ハリーは眼鏡をかけていない。
「ユウキ!ハーマイオニーは?」
「まだ中」
「ハーマイオニー出ておいでよ!話があるんだ!」
ハリーが興奮したように言う。
「あっち行って」
少し拗ねたような声でハーマイオニーは言った。
まぁあんな猫の姿じゃね。
そこにマートルがスッと現れた。
「見てのお楽しみ。酷いから」
そう言って私たちの後ろに回り込む。
「驚かないであげて」
「ハーマイオニー?だ、大丈夫?」
私が言うと、ハリーがトイレの扉を押した。
「私が言ったこと覚えてる?ポリジュース薬は動物の変身に使っちゃいけないの」
暗闇でハーマイオニーの後ろ姿が揺れた。
驚くロンと、見えずに目を細めて眼鏡かけようとポケットを探るハリー。
「ミリセントのローブについてたのは猫の毛だったの」
ハーマイオニーが振り返ると、二人は少し驚いた表情でそれを見た。
「見てこの顔」
「尻尾までついてる」
落ち込んだような暗い声で言うと、ロン軽く笑いながら揺れる尻尾を笑った。
それに被せるように、マートルの大きな笑い声がトイレに響いた。
まったく、こいつらは。
私はハーマイオニーに近づいて、ローブのフードをしっかりと被せて顔を隠し、ローブで尻尾もしっかりと覆った。
「医務室に連れていくよ。君たちもあとでお見舞いにでも来て。まずはそれを着替えないと」
「あぁ、そうだね」
私はハーマイオニーの肩を抱いた。
「ほら、行こう。大丈夫だよ」
ローブで全身を隠したハーマイオニーを不思議に見る生徒を横目に、私はハーマイオニーを医務室に連れて行った。
「マダムポンフリー、ハーマイオニーを診てもらえますか?」
「こちらへ」
マダムポンフリーは怪我人が私でないことに安堵した様子を見せながらも、ローブで隠れたハーマイオニーを見て、すぐにベッドの方へ誘導すると、カーテンで私たちを隠した。
私がゆっくりフードを外すと、マダムポンフリーは驚いた。
「まぁ!」
「元に戻りますか?」
しょんぼりとして何も言わないハーマイオニーの代わりに、私が訪ねると、マダムポンフリーは頷いた。
「大丈夫ですよ。明後日の朝には戻れるでしょう。まったく、馬鹿なことをしましたね」
その言葉を聞いて、ハーマイオニーは少しだけ安堵した様子を見せた。
マダムポンフリーは余計なことを聞かない。それが救いだ。
絶対にポリジュース薬を使用したってことがわかっているはずで、それはいけないことなのに聞かないのは、たくさんの間違ったことをする生徒たちへの優しさなのだろう。
「私は戻るよ。お大事にね」
「ありがとう、ユウキ」
私はそのまま寮に戻ろうと医務室を出た。
階段を下りている途中で、下からセブルスが上がってきた。
驚いて足を止めると、セブルスは溜め息をついた。
「今度はなんだね」
「どうしてここに?」
「お前が医務室に行くと必ずわかるようになっているのだ」
一体どうやってそんなことを……。
「今日は付き添いです。私は怪我も何もありません」
「ならばいい」
ピンピンしている私を疑うことはないようで、フムと顎に手を当てると、私の前まで階段を上がってきた。
私の一段下まで迫って、近距離で見下ろしてくる。
少し緊張しながら見上げた。
階段でも身長差が埋まらないなんて……まぁまだ子供だし仕方ないか。
「我輩に教えを乞うていたな」
「え?」
「ロックハート対策だ」
「あぁ!そう言えば!」
あいつのせいで体調を崩した時に、そんなお願いをしていた。
全然言ってこないものだから、まだその時じゃないのかと思って忘れてた。
「お前も十分に回復しただろう。我輩も今なら時間が少しある……」
その言葉に、私は思わず笑みが浮かんだ。
はっきりとは言わないが、それは暗に今なら教えてやるということだろう。
「私、いい場所を知ってます」
セブルスなら必要の部屋へ招いてもいいだろう。
興奮してセブルスのローブを掴むと、溜め息が聞こえてくる。
「落ち着いて案内しろ」
そうだ。まだ消灯時間まで時間があるし、生徒も歩いている時間だった。
「スネイプ教授、こちらです」
ローブを離して、私は必要の部屋へ案内した。