15.ポリジュース薬
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時は過ぎ冬が来た。
あれからロックハートに執拗に付き纏われることも減り、比較的平和に過ごしていた。
必要の部屋での特訓も進み、一人でも少しずつ着実に学んでいった。
犠牲者もあれ以降出ておらず、生徒たちは少し安心している。
しかし、ハリーはやはり恐れられたりしているようで、除け者にされていることは変わらなかった。
私は大広間でハリーとロンと一緒に、テーブルに座って夕食を食べていた。
誰一人近づいて来ようとはせず、みんなハリーとはあからさまに距離を置いて向こうに座っていた。
酷いことだが、今は好都合だ。
遅れてやってきたハーマイオニーが私の横に座った。
「薬ができたわ。あとは相手の一部分を手に入れるだけ」
最終チェックが終わったらしく、ハーマイオニーはそう言った。
無事にポリジュース薬は完成したらしい。
「クラッブとゴイルの?」
ハリーの問いにハーマイオニーが頷いた。
私はポリジュース薬を飲まない約束だから、誰かの一部を手に入れる必要もない。
「それからマルフォイから聞きだしている最中に、本物のクラッブとゴイルが来ないようにしなくっちゃね」
「どうやって?」
「考えてあるわ」
チョコのトッピングがされた至って普通の変哲のないマフィン二つを取り出す。
「簡単な眠り薬を仕込んでおいたの。簡単だけど、強力なのをね」
悪い表情だ。
いつもの校則を守る勤勉なハーマイオニーとは違う。
「いい?二人が眠ったら、物置に閉じ込めて髪の毛を抜くのよ?制服も着替えてね」
「君は誰の毛を抜くの?」
「もう手に入れたわ。ミリセント・ブルストロード。スリザリンのね。ローブについてたの」
毛の入った試験管を見せた。
私はそれをまじまじと見る。
ミリセントの髪の毛って何色だったけ?
「じゃあ私ポリジュース薬を見てくる。クラッブとゴイルにちゃんと食べさせてね」
「着いていくよ。ちゃんとやるんだよ。ハリー、ロン」
さっさと立ち去ろうとするハーマイオニーに、私はついていった。
「もう一回髪を見せて?」
「どうしたの?」
ハーマイオニーは不思議そうにしながらも、試験管を私に渡してくれた。
改めて見てみるが、それは人間の髪とは少し違っていた。
その毛は細くて微かにふんわりと縮れた感じがしていて、そう、これは……猫の毛だ。
毛も短く、どれも四~五センチくらいしかない。
ミリセントがベリーショートの人ならまだわからなくもないけど。
「これ、本当に人間の毛?」
「そうよ」
「これは動物の毛だよ」
「そうかしら?どちらにせよ、時間がないわ」
「でも動物の毛でやったら酷いことになるっていうのは知ってるでしょ?」
「そうだけど……大丈夫よ。心配しすぎ」
ハーマイオニーは笑って試験管を奪った。
まったく、これは本当に猫の毛だから言ってるのに、なんで信じてくれないかな。
確かに、あの二人だけでうまく聞き出せるか心配なのはわかるけどさ。
女子トイレに着き改めてポリジュース薬を確認する。
ハーマイオニーが鍋を洗面台に置いたので覗き込むと、泥というか、作り立てのセメントというか……ドロッとした液体が入っていた。
臭いは不思議と悪いわけではないけど、これは飲みたくないな。
「とてもよく出来てるね」
「当たり前でしょ?」
「これを飲むなんて、とても良い経験になりそうだね」
「ならあなたも飲んでみる?」
「勘弁してよ」
ハーマイオニーは笑いながらゴブレットを三つ用意した。
「約束は約束だもの。飲むのは私たちだけよ」
「スネイプ教授の気を引いて材料を盗ませて、その後バレてこってりしごかれたんだから、十分協力したもんね」
「それはそうだわ」
そこへハリーとロンが急いでやってきた。
その手にはしっかり毛と制服が握られている。
ハーマイオニーは薬を掬ってゴブレットに注いでいく。
「ちゃんとやってきた?」
「ばっちり」
私の問いに、ハリーは笑って答えた。
あのお馬鹿な二人相手なら、難しいことではなかっただろう。
二人はトイレの個室で制服に着替えて出てきた。
「きっかり一時間で元の姿に戻ってしまうわよ」
二人も洗面台の前に来て、薬を覗き込んだ。
少し嫌そうな顔をしている。
ハーマイオニーは最後の一つに薬を入れると、二人に渡した。
「髪を入れて」
そう言うと三人は毛を入れた。
「うえー。クラッブのエキスだ」
ロンがとてもいやそうな表情をした。
「ハーマイオニー、本当にそれでやるの?」
「止めないで。時間がないわ。ほら、乾杯」
止める私を無視して、三人はゴブレットをカチンとぶつけ合った。
そして一気に煽る。
良い飲みっぷりだ……。
ハーマイオニー、私はちゃんと止めたからね。
医務室までは送ってあげるよ。
「なんだか僕吐きそう」
飲み干したロンは口を押えてそう言うと、ゴブレットをその場に落としてトイレの個室に駆け込んだ。
「私も」
ハーマイオニーもゴブレットを投げ出して、個室に走った。
こりゃ相当不味いらしいね。
ハリーは二人を見送りながらもしっかり最後まで飲み干し、しかしすぐに吐きそうになって洗面台に手をついた。
「ハリー、大丈夫?」
答えられないハリーは気持ち悪そうにしている。
それを少し離れて見ていると、みるみるうちにハリーの姿がゴイルに変わっていく。
まるでCGを見ているかのようなそれを見ていると、あっという間に姿は完全に変わってしまった。
「すご」
思わず声が漏れる。
ハリーも信じられないというように自分の頬に触れた。
「僕、本当に姿変わってる?」
「うん。ばっちりだよ」
不思議そうなハリーに答えていると、ロンが個室から出てきた。
その見た目はクラッブだった。
「ハ、ハリー?」
「ロン?」
「おっどろいたな」
お互い不思議そうに顔を見合わせるハリーとロン。
見た目や声は完全にクラッブとゴイルだが、雰囲気はロンとハリーだ。
「ちゃんと馬鹿で生意気な二人になりきらなきゃ」
「うるさいな、グリフィンドールのくせに」
ロンが顔を顰めながら私に言った。
なかなか様になっている。
「そんな感じ」
「ハーマイオニーは?」
「私、行けそうにないわ!二人だけで行って!」
ロンが呼ぶとすぐに返事が返ってきた。
出てこないところを見るに、やはり猫の毛で間違いなかったらしい。
「ハーマイオニー大丈夫?」
「いいから行って!時間が無くなっちゃう!」
「行こう。あとはユウキに任せよう」
ハリーとロンは仕方なく駆け出していった。