13.必要の部屋
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教室で自習をしていると、ハリーは辺りを見回した。
ハリーを見ていた生徒たちが、サッと視線をそらした。
さっきからこの調子で、時にコソコソと噂話をする声も聞こえてくる。
こんなに視線を感じてちゃ、集中できるわけがない。
決闘クラブが終わった後、学校中ハリーはスリザリンの継承者だの、サラザール・スリザリンの遠い親戚だとか、たくさんのあることないこと噂が立っていた。
ハリーはどこにいても居づらそうにして、ここでももちろんいい気分ではないだろう。
ハリーは少し教科書に目を移しては、また視線を感じて振り返った。
「談話室に戻るよ」
不快そうにそう言うと、荷物をまとめた。
「ハリー、私も行くよ」
「いいよ。みんなとここでやってて」
少し寂しそうにそう言って、笑みを浮かべた。
私が巻き込まれないように気を使ってくれたのだろう。
ハリーはそのまま教室を出て行ってしまった。
「大丈夫かしら?」
「しょうもない噂だ。きっとみんなすぐに忘れる」
私は羽ペンにインクをつけて羊皮紙に文字を書いていく。
やはり心配だ。
この危険な時期に一人にするのはもちろん、奇異な目で見られて不快なはずだ。
少なくとも私たちだけは傍にいてあげないと、ハリーは一人になってしまう。
やはり後を追うことにしよう。
切りがいいところまで書き終わり、私は荷物をまとめた。
それを見てロンとハーマイオニーが私を見た。
「私も談話室に戻るよ」
二人は止めることもなく小さく頷くと、教室から出ていく私を見送った。
ハリーはちゃんと真っ直ぐ談話室に戻っただろうか?
人気のない暗い廊下を進んでいく。
しばらく歩いていると、声が聞こえてきた。
「僕はやってません!」
ハリーの声だ!
走って声のする方へ向かうと、そこにはハリーとマクゴナガル教授、そしてフィルチがいた。
「この件は私の手には負えません」
マクゴナガル教授が言った。
よく見れば、ハリーの向こう側に宙に吊るされたように浮いている動かない首無しニックと、床に目を見開いて驚いた様子で固まったジャスティンが倒れていた。
決闘クラブで蛇に襲われそうになった生徒だ。
次に狙われるのはジャスティンだという噂もあった程で、この状況はまずい。
まさか今日だったなんて……。
ハリーが私に気が付くと、マクゴナガル教授が振り返った。
「Ms.アマクラ、戻りなさい!」
少しヒステリック気味に私に言った。
「犠牲者が出たんですか!」
私が言うも、マクゴナガル教授は首を横に振った。
「あなたは寮に戻るんです。いいですね」
確かに、私は何もできない。
ここにいても何も解決しないし、無駄だろう。
「行きますよ」
マクゴナガル教授はハリーを連れて行ってしまった。
私は睨むフィルチを横目に通り過ぎ、寮へと急いだ。
このまま惨劇が行われるのをただ見過ごす訳にはいかない。
今の私には何もできないが、この先起こることに対抗できる力をつけなければ……。
寮に着き自分の部屋に入ると、本棚の奥に隠していた一冊の本を取り出した。
以前手に入れた、上級生の呪文集の教科書だ。
少しでも多く呪文を覚えて、実戦で使えるようにしておいた方がいい。
時間は有限だ。
その時、私はふと思い出した。
そうだ。このホグワーツには、必要の部屋がある。
なんで今まで思い出さなかったんだ!
自分の部屋があるし、特別何かをするために使いたい部屋が欲しいと思うことがなかった。
急いで寮を出て、人気のない廊下に向かった。
私は壁の前に立ち、強く願った。
戦闘訓練が出来る、誰にも見つからない部屋をください。
すると、壁に模様が浮き出してきたかと思うと、みるみるうちに扉へと変わった。
周囲に誰もいないことを確認してから扉を開けて、中へと足を踏み入れた。
そこは広い部屋で、訓練用の人形が四体並んでいた。
「わお……」
訓練するにはもちろん十分な部屋で、私は隠していた本を取り出した。
上級生の呪文集の教科書だ。
部屋の端にあった椅子に座り、私は覚える呪文を頭に叩き込むことにした。
本を読み込んでは練習し、気づけば何時間も経っていた。
時計は夜中の3時を差している。
今日のところはここまでにした方がいいだろうが、こんな時間に校舎内を歩くなんてできない。
誰かに見つかったら大変だ。
私は仕方なく、暖炉の前に横たわって目を閉じた。