26.青い空
Your Name
この小説の夢小説設定名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
記入なしの場合、“アマクラ ユウキ(天倉 優希)”となります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
振り返ると、眉間の皺を深くしたセブルスがずんずんと近づいてきた。
「抜け出したかと思えば、やはりここに居たのか」
目の前で立ち止まると、呆れた様子でそう言った。
私はセブルスが来てくれた嬉しさで、笑みを浮かべた。
「みんなの見送りをしてたんです」
「怪我人が無闇に彷徨くな。お前のことだ、また怪我をしかねん」
「さすがにしませんよ」
双子に飛び付かれて転んだけど。
「まぁいい。早く戻るぞ」
「待ってくださいよ!」
先に戻ろうと踵を返し、歩き出したセブルスを後ろから追いかけた。
すぐに追い付き、セブルスのローブを握った。
「マクゴナガル教授とマダム・ポンフリーが探しておったぞ。休養中のお前がいなくなったと」
「セブルスも探してくれたんですよね?」
「当たり前だ」
くしゃくしゃと私の頭を撫でてくるセブルス。
「ありがとうございます」
そう言ってチラリと表情を伺えば、柔らかい笑みを浮かべ、少し嬉しそうにしていた。
「離れたまえ」
そう言うものの、突き放そうとはしなかった。
「あ、そういえば」
私は左手首にあるブレスレットをセブルスに見せた。
色がくすんで、見た目はあまり綺麗とは言えない。
「これが私を助けてくれたんです。これがなかったら、私もっと大怪我してました。セブルスのお陰です」
私はセブルスにニコッと笑いかけた。
セブルスは私を見た後、ブレスレットをじっと見つめ、足を止めた。
「やはり色がくすんでしまったか」
セブルスは私の左手を掴み、ローブのポケットから取り出した杖を向けた。
トン、トンと軽く叩くと、スゥと元の美しい色を取り戻した。
「あ、戻った」
「もうこれに魔法をかけることはできない」
私の手を離し、セブルスは再び足を進めた。私も横に並んでついていく。
「1回だけなんですか?」
「そうだ。もう一度魔法をかけようとすれば壊れてしまう。三度、お前を守らなかったか?」
三度?1つは呪文が直撃した時かな。
あとは…壁にぶつかった時?あと1つ…。
「あ、確かに三度守られたかも…」
あと1つはきっと眠らされた時だ。
クィレルが目覚めるのが数時間早いって言ってたし。
どうせなら眠らせないようにしてほしかったけど。
「まったく、そんなに危険な目にあいおって…ユウキにはいくつあっても足りぬな」
呆れたように笑うセブルスを見て、私も自然と笑みがこぼれた。
「さて、早く戻るとしよう。校長がお待ちだ」
「はい!」
私はさりげなくセブルスの手を握った。
セブルスは少し驚いた顔をしたが、そっと握り返してくれた。
大きく少しゴツゴツとしていて、しかし綺麗なその手が、しっかりと私の手を包んだ。
『マクゴナガルさんが来るよ!』
青い空から降ってきた声に顔を上げれば、そこには私達の頭上を旋回しながら飛び回るヒスイの姿があった。
すぐにセブルスの手を離そうと握る力を緩めると、セブルスがパッと手を離し、滑るように手を移動させ、私の手首を掴んだ。
「見つかったのですね」
前方から聞こえたマクゴナガル教授の声。
足を止めるとセブルスが言った。
「逃げぬようしっかりと捕まえておきました」
私の手首を引っ張り、マクゴナガル教授に私を捕まえたと言わんばかりだ。
あぁ、そうか。怪しまれないためにか。
「何度も逃げようとして大変でしたが」
「もう逃げませんってば。スネイプ教授からは逃げられないって理解しましたから」
話しを合わせてセブルスに少し嫌そうな顔を向けた。
でも、ある意味本当に逃げられない。
セブルスは私の心を鷲掴みしてるんだから。
「セブルス、あまり強く掴んではいけませんよ。あくまで逃げない程度で。また怪我をされては困りますからね」
「わかっています」
「Ms.アマクラ、あなたはもう少し大人しくしていなさい。安静にしていなくてはいけないのですよ?」
「だって…」
元気だもん。
そう言おうとしたが、マクゴナガル教授に睨まれ私は口をつぐんだ。
マクゴナガル教授は溜め息をつきながら校舎へ向かって歩き出した。
私とセブルスは顔を見合せ、軽く笑みを浮かべてからその後ろをついていった。
医務室へ戻るまで、ずっとセブルスの温かな手が、私を掴んで離さなかった。
長いようで短かった1年生が終わった。
魔法の世界で過ごした約1年。
それは私に魔法だけではなく、友人と恋人、そう、大切な人たちを与えてくれた。
私が変えながら目指すこの世界の終焉は、まだまだ先のお話。
2年生で待ち受ける不安と希望に、私は胸を踊らせるのであった。