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現れたのは小さな少年。
それはハリーだった。やっと来た。
「あなたが!」
ハリーは驚いていた。
当たり前だ。
クィレルの姿を見るまでは、セブルスがここに居ると思ってたんだから。
犯人だと。
クィレルはハリーに笑みを浮かべた。
「私だ。ポッター、君にここで会えるかもしれないと思っていたよ」
落ち着きを払った声でハリーに言う。
ハリーは今まで見てきたのとは違うクィレルに困惑しているようだ。
「ユウキ!?」
「ハリー…」
やっと私に気づいたハリーは、クィレルと私を交互に見た。
「どうして。でも、僕は…スネイプだとばかり…」
「セブルスか?」
クィレルはさぞおかしそうに笑った。
冷たく鋭い笑い。
先程のクィレルとは違っていた。
まるで別人のようだ。
なぜか、自分を作っているように感じられる。
「確かに、セブルスはまさにそんなタイプに見える。彼は育ち過ぎたコウモリみたいに飛び回ってくれたのがとても役に立った。セブルスのそばにいれば、誰だって、か、かわいそうな、ど、どもりのク、クィレル教授を疑いやしないだろう?」
いつものどもりを入れながら話すクィレル。
ハリーは信じられないと言った様子で私を見た。
答えを求めているようだ。
この状況を見ればわかるだろうに。
「だか、ユウキは違った」
クィレルが目を細めて嫌そうに私を見た。
「ハリー、現状を認めて」
「でもスネイプは僕を殺そうとした!」
私が言うも、ハリーは反論した。
それにクィレルが再び笑った。
「いや、いや、いや。殺そうとしたのは私だ。あのクィディッチの試合でユウキが邪魔しなければ、もう少しで箒から落としてやれたんだ。君を救おうとしてセブルスが私のかけた呪文を解く反対呪文を唱えてさえしていなければ、もっと早く叩き落とせたんだ」
「ユウキが…スネイプが僕を救おうとしていた?」
「スネイプ教授はいつでもハリーを守ろうとしてた!」
「その通り」
クィレルが冷たく言い放った。
まったく私を見ることはなく、淡々と語る。
「彼がなぜ、次の試合で審判を買って出たと思うかね?私が二度と同じことをしないようにだよ。まったく、おかしなことだ…そんなことをする必要はなかったんだ。ダンブルドアが見ている前では、私は何もできなかったのだから。他の先生方は全員、スネイプがグリフィンドールの勝利を阻止するために審判を申し出たと思った。スネイプは憎まれ役を買って出たわけだ…随分と時間を無駄にしたものよ。どうせ今夜、私がお前を殺すのに」
「私がハリーを殺させやしない!」
「君は黙っていろ」
やはり私を見ない。一目たりとも。
ただの捧げものには興味ないのか?
それとも、私の“救う”という言葉を信じてるの?
クィレルがパチッと指を鳴らした。
すると縄がどこからともなく現れ、ハリーの体に固く巻きついた。
「ポッター、君はいろんなところに首を突っ込みすぎる。生かしてはおけない。まぁ、ユウキは君以上だがな」
まったく失礼な。
ちょっと首を突っ込まざるをえなかっただけだ。
未来を知っていたら突っ込むのは当たり前だ。
クィレルとハリーは話していて私を見ない。
もしかしてこれはチャンスじゃないか?
杖を取りに行けないのなら、杖をこちらに呼び寄せればいい。
杖が無くたって魔法は使えるんだ。
しっかり実証済み。
私は杖に集中して念じた。
カタッと杖が微かに浮いた。ゆっくりと杖を呼び寄せる。
あと少し…!
「フィニート」
杖をなんとか手に取り、小さく唱えた。
縄は瞬時にほどけ、私は手首を擦った。
痛々しく赤い痕が残っている。
「…それ以来、私はあの方の忠実な僕になった。もちろんあの方を何度も失望させてしまったが。だから、あの方は私にとても厳しくしなければならなかった」
私に気づかないクィレルは、震えながら言った。
ハリーは私に気づいたが、チラリと見るだけで、再びクィレルに視線を戻した。
「過ちは簡単に許してはいただけない。グリンゴッツから『石』盗み出すのにしくじった時は、とてもご立腹だった。私を罰した……そして、私をもっと身近で見張らないといけないと決心なさった」
声が次第に小さくなっていくのがわかる。
怯えている。恐怖を感じている。
「罰だって?ふざけてる」
私はハリーに近づきながらクィレルに言った。
クィレルはまるで私が自由になっていたことがわかっていたかのように、静かに私を見据えた。
「フィニート。ハリー、大丈夫?」
「あ、ありがとう」
ハリーに巻きついていた縄はぱさりと床に落ちた。
クィレルはそんなことは気にせずに、鏡の方を向いた。
私はその後ろ姿に杖を構えた。
「一体どうなっているんだ…」
ぶつぶつと独り言を呟き、鏡を探っている。
ここは石を手に入れるべきか。
石を手に入れずにただ殺されるならば、石を手に入れて隙を伺った方がいいだろう。
一歩間違えば死に繋がるかもしれない。知らない未来は危ない。
「この鏡はどういう仕掛けなんだ?どういう使い方をするんだろう?ご主人様、助けてください!」
「その子を使うんだ…その子を使え…」
別の声が聞こえた。
クィレル自身から聞こえるが、クィレルではない。
これがヴォルデモート…。
私は眉間に皺を寄せ、クィレルの後頭部を見た。
あそこに…それにしてもその子とは、私とハリーどちらだろう?
指定はしないが、やはり原作通りハリーか?
そう考えたが、クィレルは迷わずハリーを見た。
「ポッター、ここへ来い」