23.クィリナス・クィレル
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「んっ…」
重い瞼を開けると、目の前は地面だった。
どうやら床に倒れてるらしい。
働かない頭を働かせながら、私は起き上がろうとした。
しかし、手足の自由が利かない。
足を見てみると、縄でがっちりと縛られていた。手も後ろで…。
そうだ、クィレルに捕まったんだ!
もがいていると、後ろから声がした。
「随分と目覚めるのが早いな」
肩を掴まれ床を転がり、反対側を向かされた。
私の目に映ったのはまぎれもないクィレルだった。
「あと数時間は目が覚めないはずだったが…」
「ほどいて!」
「それはできない」
口元に笑みを浮かべるクィレルは、私の前にしゃがみ込んだ。
手足の自由が利かない私は必死にクィレルを睨んだ。
「最初から気づいていたんだろう?初めて邪魔をした時から。私が何をするか」
「初めて邪魔した時?そのずっと前から知ってましたけど?」
「君は本当に興味深いな…」
顎を掴まれたが、私はそれを振り払った。
これじゃどうにもできない。
クィレルの、いや、ヴォルデモートの思うがままだ。
「本当はここへ連れてきたくはなかった。君が来ては色々と面倒だ。必ず邪魔をする」
「なら、なんで連れてきたんですか?」
「君は私を止めに来たのだろう?気絶させて、あのままどこかに閉じ込めておくこともできた。だが、君にはセブルスがいる」
セブルスの名が出た途端、私はピクリと反応した。
「セブルスは私を疑っている。それに君だけには過保護のようだ。君がいなくなればすぐに探すだろう。そしてすぐに私がやったとわかる。君が私のことを話せば、私の計画は一瞬にして水の泡だ。ならば連れてきた方がいいと踏んだのだ。それに…」
クィレルは口を止め、微かに表情が暗くなった。
私が顔をしかめると、止まっていた口が動いた。
「それにご主人様は、君をお気に召したのだ」
どこか悲しそうな表情に、私は更に顔をしかめた。
クィレルはやはり、心が揺らいでいるのか?
それにしても、ヴォルデモートに気に入られているというのが本当ならば厄介だ。
「それで印なんてつけたんですか?」
「印は君がどこにいるかわかるようにするものだ。邪魔をされては困るからつけただけだ」
「どこにいるか…あ、だから頻繁に会ったりしたんだ」
なるほど、と納得していると、クィレルは立ち上がり私を見下ろした。
クィレルの足の間から、少し離れたところにあるみぞの鏡が見えた。
「私の杖!」
みぞの鏡の近くに、私の杖が落ちているのが見えた。
「君が杖を持っていたら邪魔をするだろう?」
再びもがき、クィレルを睨んだ。
杖がなければ何もできない。
「あまり暴れない方がいい。もがけばもがくほど縄が絞まる」
確かに最初よりも縛られている部分がきつくなっている気がする。
私は仕方なく大人しくした。
「聞きたい。君はどうして私の邪魔をする?行く先々全てに、必ず君がいる。ハロウィン、クィディッチ、禁じられた森、そして今日。友人に疑われ、自分が傷ついてまですることか?」
「そんなことどうってことない。あなたに使命があるように、私にも大事な使命がある。使命のためにはそれくらい構わない」
しばらく睨み合うようにしていたが、クィレルが口を開いた。
「君は私を救いたいと言った」
クィレルはそう言いながら、私に背を向けてみぞの鏡の方へ歩き出した。
鏡の前で止まるとクィレルは振り返り、私を見た。
「この絶望的状況でもそう言えるか?」
「絶望的?どこが?」
私は笑みを浮かべた。
今は絶望的かもしれない。
だけどハリーさえ来れば、ことは良い方向へ進む。
なぜかそう確信できる。
「この状況で笑っていられるなど、君くらいだ」
「私はあなたを救う。絶対に」
「……変な小娘だ」
クィレルは驚いた様子を微かに見せたが、目を細めて微笑んだ。
それはとても悲しそうだった。
その時、唯一の出入口と思われる炎の中から、小さな人影が現れた。