23.クィリナス・クィレル
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私は次の日からいつも通り過ごしていた。
そして、あっという間に試験の日がやってきて、あっという間に終わってしまった。
しっかり勉強をしたお陰か、苦手な筆記問題もなんとかでき、得意な実技はほとんど完璧にこなせた(自分なりに)。
フリットウィック教授は、パイナップルを机の端から端までタップダンスをさせた。
最初は上手くタップダンスをしていたものの、途中、この後に待ち受けていることをふと考えてしまい、ブレイクダンスを始めてしまうということもあった。
しかし、教授は「素晴らしい!」と言ってくれたので、結果オーライだ。
マクゴナガル教授のねずみを〝嗅ぎたばこ入れ″に変えるのなんて、マクゴナガル教授が感心するほどの出来だった。
忘れ薬の作り方は、しっかり復習していたので良い出来だった。
セブルスはそれを見て、みんなにばれないように私に微笑んでくれた。
最後の魔法史の試験は、唯一とても苦戦した。
無駄に書くことが多すぎる。
なんとか合格ラインには達しているだろう…たぶん。
魔法史の試験が終えた途端、生徒たちは試験が終わった嬉しさに歓声を上げていた。
自由な時間が待っているからだ。
しかし、私は歓声を上げることはできなかった。
クィレルを止めないと。
今日、賢者の石が狙われる!
「湖の方へ行こう」
ロンがハリーとハーマイオニーに言った。
すると、ハーマイオニーが私も誘った。
2人はいい顔をしなかった。
セブルスとの会話を聞かれたんだから当たり前だ。
「ありがとう、ハーマイオニー。でもちょっと用事があるから。あ、ひとついい?」
「何?」
ハーマイオニーは不思議そうに首を傾げた。
ハリーたちは嫌そうな顔をしている。
「今日、何かをする時は十分に気をつけて」
「どういう意味?」
「そのまんまの意味だよ。兎に角気をつけて。絶対にだよ」
あくまで忠告しかできないのがもどかしかった。
私からはこれしか言うことができない。
「わかったわ」
ハーマイオニーは強く頷いた。
ハリーとロンはこそこそと話を始めた。
また怪しいとか言ってるんだろう。
「じゃあ、私行くね」
3人に別れを告げ、私はクィレルを探した。
もう行ってしまったのではないかと不安になったが、しばらくすると見つけることができた。
外の景色が見える人気の無い渡り廊下に、1人でたたずんでいた。
「クィレル教授、こんなところで何をしているんですか?」
「君から会いに来てくれるなんて珍しいじゃないか」
「仕方なく会いに来たんです」
ムッとしながら答えると、クィレルは少しおかしそうに笑った。
どうもいつもとは様子が違う。
石を取りに行くからだろうか。
「いい眺めだ。だが、もう見ることはない」
「どういう意味ですか?」
ローブのポケットの中で、しっかりと杖を握る。
いつ、何をされるかわからない。
「私は今日限りでここを去るんだ」
「去ってもらっては困るんですけどね…」
石を盗んで姿を消すつもりだ。
やはりクィレルは、ヴォルデモートの僕。
私が関わろうと、それは変わらない。
「やはり君はわかっているのか?」
「なんのことだか」
わかってる。
わかってなかったら止めになんか来ない。
「そうか……できれば今日だけは…いや、最初から君とは出会いたくはなかった」
やはり邪魔者だから?
「なぜですか?」
私は首を傾げて聞いた。
「…君を殺したくはないからだよ。ユウキ」
身の危険を感じ、杖を出そうとした時にはすでに遅く、クィレルの手のひらが私の視界を覆った。
急に瞼が重くなり、クィレルの胸へと倒れ込んだ。
体の自由が利かない。
とても…眠い…。
しっかりと抱き止めるクィレルの震える手を感じながら、私の意識は途絶えた。