21.涙の幸せ
Your Name
この小説の夢小説設定名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
記入なしの場合、“アマクラ ユウキ(天倉 優希)”となります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ベッドに倒れ込み、枕に顔を埋めた。
『どうして幸せになろうとしないの?』
バッと顔を上げると、ベッドに座る人間の姿のバクォンがいた。
一体いつの間に…。
「しばらく姿を現さなかったくせに、今更なんの用?」
『僕にも色々あるんだよ。ごめんね。さっきの見ていたけど…』
私は近くにあった黒猫のぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
『好きな人と結ばれるチャンスなのに』
「だって、いつか元の世界に戻る日が来るじゃん。セブルスと二度と会えなくなるじゃん」
目から止めどなく涙が溢れだした。
バクォンはそんな私を見て、優しく頭を撫でてくれた。
『僕は君に、元の世界のことは忘れて楽しんでほしい。そう言わなかった?』
「言ってたけど…でも…」
『でもじゃない。今を楽しんで』
バクォンが涙を優しく拭ってくれた。
「考えとく…」
『そう、よかった。じゃあ僕は行くね…』
バクォンはニッコリと笑うと消えてしまった。
そして、それと同時に部屋の扉をノックする音がした。
「ユウキ、私よ。いないの?」
「いない」
声の主はハーマイオニーだ。私は返事をして再び枕に顔を埋めた。
「なんだ。いるじゃない」
ハーマイオニーは扉を開けて部屋に入ってきた。
近づいてくる足音が聞こえる。
「マクゴナガル教授に心配だから見に行くようにって言われたの。何かあったの?」
「別に…」
くぐもった声でそう言った。
チラリとハーマイオニーを見ると、心配そうにこちらを見ていた。
「泣いてたの?目が赤いわ」
「泣いてない。目にゴミが入っただけだもん」
私は枕を離して、ハーマイオニーから顔を背けた。
ハーマイオニーは先程までバクォンが座っていた場所に腰を下ろした。
「スネイプに何か嫌なことでも言われたの?あっ」
声を上げたハーマイオニーを見ると、自分の口に手を当てていた。驚いている様子だ。
「何をされたの?」
動揺したハーマイオニーの視線の先は、私の胸元。
自分でそこを見てみると、ネクタイはなく、第二ボタンまで外れている(明確には第二ボタンは取れていてない)。
ネクタイは教室に忘れてきちゃったかな。
「別に何もされてないよ」
「そんなはずないわ!」
「ちょっと胸ぐら掴まれただけだから…ほら、授業に遅れるよ」
私はベッドから降りて、ハーマイオニーを立たせた。
「あなたは行かないの?」
「うん。ちょっと休むよ。体調が悪いとか言っといて」
「わかったわ」
ハーマイオニーは苦笑しながら部屋を出ていった。
マクゴナガル教授にも、ハーマイオニーにも心配かけて悪かったな。
マクゴナガル教授からアルバスに伝わりそう…。
私はベッドに横になり、そのまま目を閉じた。
「ユウキ、ユウキ。起きて!早く!」
「んっ…」
耳元で騒ぐ声に顔をしかめながら、うっすらと目を開いた。
「ハーマイオニー…どうしたの?」
上半身を起こして、目の前にいるハーマイオニーに尋ねた。
とても心配しているようだ。
一体どうしたのだろう。
「スネイプが呼んでるわ。大事な話だから早く来いって」
「スネイプ教授が?」
一瞬で目が覚めた私は耳を疑った。
まだうまく働かない頭で考えた。
セブルスが私を呼んでる?
大事な話って何?クィレルのこと?
それとも…。
「伝言があるわ。『話さなければ報告する』って。なんの話なの?ねぇ」
クィレルとのことだ。
そういえばまだ話していない。
アルバスに報告されたら面倒だ。
「なんでもないよ。今何時?」
「もうお昼よ」
私は小さく欠伸をした。
少し寝すぎたみたい。
「ありがとう。ちょっと行ってくるね」
「1人で大丈夫なの?」
「大丈夫だよ」
笑顔を向けたが、ハーマイオニーはまだ心配そうな顔をしていた。
「着替えた方がいいわ。何かあったら、絶対に私に言ってね」
ハーマイオニーはゆっくりと部屋から出ていった。
私はワイシャツの第二ボタンが取れているのを思い出し、着替えてから部屋を出た。
場所を聞いていないため、取り敢えずセブルスの私室へ向かった。
部屋の前に来て、少し戸惑いながら扉を叩いた。
「誰だね」
「ユウキ・アマクラです…」
「入れ」
「失礼します」
中へ入ると、セブルスが椅子に座ってこちらを見ていた。
2メートル程距離を置いて足を止めた。
「先程はすまなかった。しかし、我輩は…」
「……」
私は返事をせず、動きもせず、ただじっと自分の足元を見つめた。
またそれ…クィレルの話しじゃないのか。
「好きなのだ、ユウキ」
「わざわざその話しをするために呼び出したんですか?」
胸が苦しい。
私もセブルスが好き。
自分の気持ちに嘘はつけない。だけどやっぱり…。