21.涙の幸せ
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セブルスはムッとして眉間に皺を寄せた。
「怪しまれる行動などしておらん」
「1つずつ挙げていきましょうか?」
フンと鼻を鳴らすセブルスに、私は呆れぎみに言った。
「まず始めにハロウィンの日、3頭犬に噛まれたでしょう?トロールを連れ込んで、騒ぎの隙に石を盗もうとして3頭犬に噛まれたと思っています。次にクィディッチの試合で、呪文を唱えていたのを目撃されています。ハリーを箒から落とそうとしたように見えたみたいです。あとはさっき言った、クィレルと話しているところ。脅しているようにしか見えませんでした」
話していると、みるみる眉間の皺が深くなっていくのがよくわかる。
何か言いたげだ。
明らかにイラついている。
「それにセブルスはハリーをいじめるでしょ?だから余計に悪い印象を与えているんです。ちなみにハリーの勘違いですが、クィレルが誰かに脅されてるのを聞いて、あなたがやったと思ってる」
「我輩はそんなことはしていない!」
「わかってますから」
声を荒げるセブルスの腕を掴んで落ち着かせながら、私は話しを続けた。
「更に森で見た影、あれを弱っているヴォル…あ、ごめんなさい」
ヴォルデモートと呼ぼうとするとセブルスが眉をしかめたので、私は咄嗟に口を閉じて、なんとかその名を呼ぶことを回避した。
「例のあの人だと思い、あの人のためにセブルスが石を盗もうとしていると、なぜか確信しちゃったんです」
セブルスは少し考える様子を見せた後、深い溜め息をついた。
「面倒なことになったものだ。まぁいい。あいつらには何も出来まい」
「だといいんですけどね。あ、それと、私もセブルスのお仲間だと思われています」
苦笑いをすると、セブルスはムッとした。色々と気に食わないようだ。
私が何も知らなかったら、ハリー達と同じようにセブルスを疑っていたんだろうなぁ…。
「お前はどちらの仲間だ?」
私はきょとんとしてセブルスを見つめた。
セブルスは私をじっと見据えるだけで何も言わない。
少しして、私はやっと見つめ合っていることに気づき、恥ずかしくなって視線を逸らした。
「えーと、どっちの仲間とかはないです。ハリー達は友達だし、セブルスは…」
私は言葉を詰まらせ下を向いた。
セブルス救いたい人?大切な人?
やっぱり好きな人?
それとも無難に教授?
いや、それはないか。
「んー、よくわからないですけど、ハリー達とは別格ですね」
照れながら笑みを向けたが、セブルスはムッとするだけだった。
「もういい、戻れ」
「はーい。…あ、1ついいですか?」
「なんだね」
私は聞きたかったことをセブルスに尋ねることにした。
嫌ではなさそうだ。
「森でクィレルを脅していた時、最後に言ってましたよね。『ユウキ・アマクラに手を出すな』って。どうしてそんなことを言ったのか気になって」
もし、私とクィレルとのいざこざがばれているんだったら…。
私はハラハラしながら聞いた。
セブルスはなんだか戸惑っているようだ。
「あ、あの、やっぱりいいです!私戻りますね」
私はなんだか居づらくなり、その場から逃げようとした。
しかし、それはセブルスによって阻止されてしまった。
手をしっかりと捕まれてしまい、少し痛いくらいだ。
「クィレルとはどういう関係だ?」
「え?」
私は驚いてセブルスを見つめた。
やはりばれている?
「ただの教師と生徒ですが…」
でもあの人って、ちょっとストーカーみたいだよね。
やたら会うし。
ストーカーと生徒?
私はくだらないことを考えながら、平然を装って答えた。
「よく会っているそうだが?」
「どこのネタですか、それ」
確かによく出会すけど、あっちが話しかけてくるだけだし。本当にストーカーだし!
「ウィーズリーの双子共が話していたのを聞いたのだ。何度か呼び出されたそうだな。廊下でもよく話していると?」
「確かに呼び出されたこともありますし、廊下ですれ違えば挨拶くらいしますよ」
私はあくまで冷静に答えた。
あの双子め、廊下で話してることなんで知ってんのよ。
ハリー達ならまだしも双子は学年違うから、そんなに出会さないはずなのに…。
「では我輩の見間違いだったのか?首の赤い痕は」
「っ!?」
セブルスは目を細め、じっと私を見つめた。
私は体が石のように固まって動かなかった。
「丁度この辺りだったか?」
トンと首元を指で突かれた。
そこは前に印があった場所を差していた。
見えないように注意していたつもりだったが、どうやら見られてしまったらしい。
でもあれがあったのは少し前までだ。
なんで気づいた時に聞かなかったをだろう。
聞かれても困るけど。
「む、虫刺されです…」
そう答えると、セブルスは眉間の皺をいつもの5割増しにして、ギロリと睨んできた。
「随分と長い間消えなかったようだが?」
「なんでそんなこと知ってるんですか!」
私は焦ってセブルスに言った。
「やはり…鎌をかけて正解だったな」
「なっ…」
やられた…私の馬鹿。
本当に馬鹿。