18.みぞの鏡
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どれくらい時間が経ったか、眠気に負けそうになりうとうととしていると、微かに物音が聞こえ一瞬にして目が覚めた。
足音だ。人の姿は見えない。
足音はそのまま遠退き、扉が閉まる音がした。寮を出ていったようだ。
私は大きな欠伸をしながら伸びをした。
さて、どうやって追おうか。
何しろ相手は姿が見えない。
「先回りするかな。ふぁ…」
もう一度欠伸をし、私はローブを羽織ってこっそりと寮を抜け出した。
ハリーがたどり着く場所はわかっている。
みぞの鏡がある部屋だ。
場所はすでに調査済み。
見つからなければ大丈夫!
真っ暗な廊下を歩き、ミセス・ノリスやフィルチに見つからないかとびくびくし、少し迷いながらも古ぼけた扉の前に着いた。
中へ入ると、しっかりとみぞの鏡が置いてあり、私は壁際に積んである机や椅子の山から1つ椅子をおろして座った。
しばらく待っていると、廊下から声が聞こえてきた。
そして足音が近づいてくる。
音を殺そうとせず歩いてる。ハリーじゃない。
ばれてはまずいと思い、音を立てずにジッとしていると、足音は遠退いていった。
かと思うと、突然壁に寄りかかるハリーの姿が現れた。透明マントを脱いだようだ。
「こんな夜中に散歩?」
「わっ」
声をかけるとハリーは声を上げて飛び上がった。
私は人差し指を自分の唇に当てて、「静かに」と小さく言った。
「ユウキ?ユウキじゃないか。こんなところで何してるの?」
「ん?あー、うーんとね…ほら、夢遊病ってやつ。ハリーこそこんなところで何してるの?」
とっさに雑な嘘をついた私は立ち上がり、ハリーに近づいた。
「観覧禁止の棚にフラメルの本を探しに行ってたんだ」
「あぁ、だからさっき騒がしかったんだ。で、お目当ての本は見つかった?」
「ううん。ダメだった」
ガックリと肩を落とすハリーににっこりと笑いかけた。
大丈夫。次期にわかる日がくるはずだから。
「これ、何?」
ハリーが大きな鏡、みぞの鏡を見た。
「みぞの鏡……見ない方がいいよ」
「なんで?」
「あまりいいものを見せてくれない」
私は鏡を見つめた。
ハリーは意味がわからないといった表情で首を傾げた。
枠の上の方に文字が彫ってある。
『すつうを みぞの のろここ のたなあ くなはで おか のたなあ はしたわ』
私はあなたの顔ではなく、あなたの心の望みを映す…か。
「あ、ハリーっ」
ハリーがサッと鏡の前に立った。
あぁっ、止めに来たのに気を抜いてた。
私の馬鹿!
ハリーは両手で自分の口を塞ぎ、急いで振り返った。
もう一度鏡を見て、また後ろを見た。
今、ハリーの目にはきっと両親が、家族が映っているのだろう。
ハリーの心の望みを映した鏡…。
「ママ?パパ?」
信じられないのか、ハリーは鏡に尋ねた。
「ハリー…君には何が見えてるの?」
「ママとパパ…それに他の人たちも!僕の家族だ…」
私の方を見ずに鏡に張り付くハリーは、会えた喜びと触れられない悲しみの声で言った。
「君にも見えるだろう?」
「いや、それは私には見えないよ…」
ハリーはただ鏡を見ていた。
愛しい家族を見ていた。
「ハリー?」
もう私の声はハリーに届いていない。
もう虜になってしまった。
「リリー…」
セブルスの愛する人。
「ジェームズ…」
セブルスの憎む人。
私はブレスレットを握りながら、2人の名前を小さく呟いた。